正解:3
1:「3期に分けて納付することが認められ」ではなく「2期に分けて納付することが認められ」となります(労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第72条)。
設問においては、保険関係成立年月日が令和元年7月10日となっています。労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第72条により、6月1日から9月30日までに保険関係が成立した場合は、11月30日まで1期として、翌年3月31日まで2期とする2期に分けて納付ことが認められます。
2:「111万円」ではなく「60万円」となります(労働保険の保険料の徴収等に関する法律第15条、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第24条)。
当該保険年度の保険料算定基礎額の見込額が、直前の保険年度の保険料算定基礎額の100分の50以上100分の200以下である場合にあっては、直前の保険年度に使用したすべての労働者に係る賃金総額をもって納付する概算保険料とします。
設問の場合、令和元年度の確定賃金総額4,000万円に対し、令和2年度の賃金見込額は7,400万円で、2,000万円から8,000万円(4,000万円の100分の50以上100分の200以下)の範囲内にあります。このため、令和2年度の概算保険料は、4,000万円×1,000分の15=60万円となります。
3:設問の通り(労働保険の保険料の徴収等に関する法律第15条、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第24条)。
選択肢2の解説の通りです。 令和2年度の確定賃金総額は7,600万円で、令和3年度の賃金総額の見込み額である3,600万円は、3,800万円(7,600万円の100分の50)以下となっています。このため、令和3年度の概算保険料は、賃金見込み総額に基づき計算します。
これが 3,600万円✕1000分の15÷3=18万円です。・・・・・・①
また、令和2年度の確定保険料の額は概算保険料を上回っており、不足額の納付が必要となります。・・・・・・②
合わせて納付すべき概算保険料は、①+②となります。
4:「差額を増加概算保険料として納付しなければならない」ではなく、「差額を増加概算保険料として納付することはできない」となります(労働保険の保険料の徴収等に関する法律第16条、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第25条)。
増加後の見込額に基づく労働保険料の額と納付した労働保険料の額との差額を納付しなければならないのは、①増加後の保険料算定基礎額の見込額が増加前の保険料算定基礎額の見込額の100分の200を超え、かつ、②増加後の保険料算定基礎額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料の額との差額が13万円以上であるときです。
設問の場合、見込額が3,600万円であったため、7,200万円(3,600万円の100分の200)を超えるときでないと増加概算保険料を納付することはできません。設問の場合、増加後の賃金見込額が6,000万円と7,200万円以下なので、納付することはできません。
5:「その額にかかわらず、延納を申請することができない」ではなく「要件を満たせば、延納を申請することができる」となります(労働保険の保険料の徴収等に関する法律第15条第3項、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第29条)。
概算保険料の延納の要件(納付すべき概算保険料の額が40万円以上又は労働保険事務組合に処理を委託する)を認定決定により納付すべき額が満たしていれば延納できます。
以上より正しい選択肢は3で、これが正解となります。