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司法書士の過去問 平成27年度 (旧)平成27年度 問17

問題

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次の対話は、保証に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、正しいものを3つ選びなさい。


教授:今日は、保証について考えてみましょう。保証契約は、口頭で合意をすれば書面を作成しなくても効力を生じますか。

学生:(ア) 口頭で合意をした場合でも、保証契約は効力を生じます。ただし書面によらない保証は、保証人が後に撤回することができます。

教授:それでは、連帯保証がされた場合について考えてみましょう。債権者は、連帯保証人に対して履行の請求をしましたが、主たる債務者には履行の請求をしていませんでした。連帯保証人に対しでした履行の請求の効果は、主たる債務者にも及びますか。

学生:(イ) 連帯保証人に対してした履行の請求の効果は、主たる債務者には及びません。

教授:では、Aを債務者とする500万円の金銭債務についてBとCが連帯保証をしたとしましょう。この場合には、債権者は、Bに対して、どのような請求をすることができますか。

学生:(ウ) 債権者は、Bに対し、500万円全額の支払を請求することができます。教授:次に、根保証について考えてみましょう。一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証が根保証ですが、主たる債務の範囲に貸金債務が含まれる根保証契約が締結されたとします。この場合には、極度額を定めることは必要ですか。

学生:(エ) 法人ではなく個人が保証人となる場合には、極度額を定めない根保証契約で主たる債務の範囲に貸金債務が含まれるものは無効となりますので、極度額を定めることが必要です。

教授:最後に、保証人の求償について考えてみましょう。Dは、Eの意思に反していながら、Eを債務者とする金銭債務について保証をしその後、その保証債務を履行しました。この場合には、Dは、Eに対し求償権を行使することができますか。

学生:(オ) Dは、主たる債務者であるEの意思に反して保証をしていますので、Eに対して、求償権を行使することができません。
   1 .
   2 .
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   5 .
※ 民法改正(令和2年4月1日施行)により、
連帯保証人について生じた事由の効力について、
要件の変更がありました。
<参考>
この問題は、平成27年(2015年)に出題された問題をもとに一部変更しました。
( 平成27年度 司法書士試験 問17 )
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この過去問の解説 (4件)

15

以下、選択肢ごとに解説します。

選択肢1. ア

×

保証契約は書面でしなければ効力は発生しません。

(民法446条2項)

撤回が出来るのは、履行前であれば、書面によらない贈与契約です。

混乱しないようにしましょう。

選択肢2. イ

連帯保証人について契約の更改、混同が生じた場合にのみ、その効力が主たる債務者に及ぶものとされ、連帯保証人に履行の請求をしても、主たる債務者にその効力は及ばないものとされました。(令和2年改正 民法458条)

選択肢3. ウ

保証人が数人居る場合を、共同保証人といいます。

数人居る保証人の1人に対して全額の請求が出来るかという問題ですが、連帯保証人の場合は可能ということになります。

民法456条には数人の保証人が居る場合は、原則分割債務になるとしています。これを分別の利益といいます。つまり、数人の保証人が居る場合、1人に対して全額請求できず、等しい割合の請求になります。

ただし、この分別の利益が適用されない場合が3つありますので覚えましょう。

複数人が連帯保証人の場合、保証人が複数居ても、保証人同士で保証連帯契約している場合、主たる債務が不可分である場合です。

本件は、複数人が連帯保証人になりますので、分別の利益は適用されず、全額請求可能となります。

選択肢4. エ

極度額を定めない根保証契約は無効となります。

個人が無限の根保証契約を出来るとすると、保証される金額に制限がなくなり、保証人が不利益を被る可能性が高くなりますので、極度額を定めなければなりません。

選択肢5. オ

×

保証人が主たる債務者に対してする求償権は、意思に反した保証契約であってもする事ができます。

(民法462条2項)

細かくは問われないとは思われますが

保証人には、委託を受けている保証人、委託を受けてないが主たる債務者の意思に反してない保証人、意思に反している保証人の3パターンあります。

求償できる範囲に違いが出るという事だけ覚えておきましょう。

付箋メモを残すことが出来ます。
12

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

選択肢1. ア

保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じません(民法446条2項参照)。従って、本選択肢は誤りです。

選択肢2. イ

連帯保証人に対する履行の請求の効果は、主たる債務者に及びません。(令和2年改正 民法第458条、民法第441条参照)従って、本選択肢は正しいです。

選択肢3. ウ

判例は、連帯保証の場合においては、連帯保証人が他の保証人との間で連帯の特約の合意をしていなくても、当該保証人は分別の利益を有しない、としています(大審院大正6年4月28日判決)。従って、債権者はBに対して500万円を請求できるので、本選択肢は正しいです。

選択肢4. エ

貸金等根保証契約は民法465条の2第1項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じません(民法465条の2第2項参照)。従って、本選択肢は正しいです。

選択肢5. オ

主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有します(民法462条2項参照)。従って、本選択肢は誤りです。

9

以下、選択肢ごとに解説します。

選択肢1. ア

×

保証契約は書面ですることを要し、書面によらない場合は効力が生じません。

選択肢2. イ

履行の請求は、令和2年民法改正により、相対的効力に変更となったため、

連帯保証人に対する履行の請求は、主たる債務者に及びません。

選択肢3. ウ

債権者は、連帯保証人に対して、債権全額について支払いを請求することができます。

選択肢4. エ

主たる債務の範囲に貸金等債務が含まれ、個人が保証人となりますので、貸金等根保証契約になります。貸金等根保証契約は、極度額を定めなければ、無効となります。

選択肢5. オ

×

主たる債務者の意思に反して保証をしていても、保証債務の履行後は、債務者に対して、求償権を行使することができます。

7

以下、選択肢ごとに解説します。

選択肢1. ア

条文通りの問題です。446条2項より保証契約は書面でしなければその効力を生じません。

選択肢2. イ

令和2年民法改正により、連帯保証人について生じた事由の効力は主たる債務者に及びません。(民法第458条)

選択肢3. ウ

複数の連帯保証人がいる場合は債権者は一人に対して債権の全額を請求することが出来ます。

選択肢4. エ

その通り。個人が保証人となる場合は根保証契約で極度額を設定しなければなりません。

選択肢5. オ

たとえ債務者の意思に反した保証契約をしても実際に保証債務として弁済をすると債務者にたいして求償権が発生します。

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