問題
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次の対話は、相殺に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
教授:AがBに対して1000万円の甲債権を有し、CがAに対して1500万円の乙債権を有し、甲債権と乙債権のいずれも弁済期が到来しています。この事例( 以下「 本件事例 」という。)において、Cは、乙債権を自働債権とし、甲債権を受働債権とする相殺をすることはできるでしょうか。
学生:(ア) Cが甲債権について第三者による弁済をすることができる場合には、Cは、乙債権を自働債権とし、甲債権を受働債権とする相殺をすることができます。
教授:本件事例において、Aが無資力である場合には、Cは乙債権を被保全債権として、甲債権について債権者代位権を行使することができることがありますね。この場合に、Cは、どのような方法で乙債権を回収することができるでしょうか。
学生:(イ) Cは、甲債権についてBから直接弁済を受領し、受領した金銭についてのAに対する返還債務に係る債権を受働債権とし、乙債権を自働債権とする相殺をすることができます。
教授:本件事例に戻って、Aによる相殺の主張の可否について、検討してみましょう。当初Bが乙債権を有していたところ、これをCに対して譲渡していたとします。この乙債権の譲渡の前からAがBに対して甲債権を有していたとすると、Aは、甲債権を自働債権とし乙債権を受働債権とする相殺をすることはできるのでしょうか。
学生:(ウ) Aが相殺の意思表示をするよりも前に、BからAに対して乙債権の譲渡の通知がされていた場合には、Aは相殺を主張することができません。
教授:本件事例において、AがCに対して1000万円の丙債権を有していたとします。甲債権に係る債務と丙債権に係る債務とが連帯債務の関係にある場合には、Bは乙債権と丙債権との相殺を援用することができますか。丙債権についても弁済期は到来しているものとします。
学生:(エ) Bは、Cの負担部分について乙債権と丙債権との相殺を援用することができます。
教授:では、本件事例において、AがCに対して弁済期の到来している1000万円の丙債権を有しており、かつ、乙債権はもともとBのAに対する債権として発生したもので、AB間で相殺を禁止する合意がされていたとします。その合意の存在については善意であったCがBから乙債権を譲り受け、BからAに対して乙債権の譲渡の通知がされた場合には、Cは、乙債権と丙債権とを相殺することができますか。
学生:(オ) Cは、AB間でされた相殺を禁止する合意を対抗されることはありませんから、乙債権と丙債権とを相殺することができます。
教授:AがBに対して1000万円の甲債権を有し、CがAに対して1500万円の乙債権を有し、甲債権と乙債権のいずれも弁済期が到来しています。この事例( 以下「 本件事例 」という。)において、Cは、乙債権を自働債権とし、甲債権を受働債権とする相殺をすることはできるでしょうか。
学生:(ア) Cが甲債権について第三者による弁済をすることができる場合には、Cは、乙債権を自働債権とし、甲債権を受働債権とする相殺をすることができます。
教授:本件事例において、Aが無資力である場合には、Cは乙債権を被保全債権として、甲債権について債権者代位権を行使することができることがありますね。この場合に、Cは、どのような方法で乙債権を回収することができるでしょうか。
学生:(イ) Cは、甲債権についてBから直接弁済を受領し、受領した金銭についてのAに対する返還債務に係る債権を受働債権とし、乙債権を自働債権とする相殺をすることができます。
教授:本件事例に戻って、Aによる相殺の主張の可否について、検討してみましょう。当初Bが乙債権を有していたところ、これをCに対して譲渡していたとします。この乙債権の譲渡の前からAがBに対して甲債権を有していたとすると、Aは、甲債権を自働債権とし乙債権を受働債権とする相殺をすることはできるのでしょうか。
学生:(ウ) Aが相殺の意思表示をするよりも前に、BからAに対して乙債権の譲渡の通知がされていた場合には、Aは相殺を主張することができません。
教授:本件事例において、AがCに対して1000万円の丙債権を有していたとします。甲債権に係る債務と丙債権に係る債務とが連帯債務の関係にある場合には、Bは乙債権と丙債権との相殺を援用することができますか。丙債権についても弁済期は到来しているものとします。
学生:(エ) Bは、Cの負担部分について乙債権と丙債権との相殺を援用することができます。
教授:では、本件事例において、AがCに対して弁済期の到来している1000万円の丙債権を有しており、かつ、乙債権はもともとBのAに対する債権として発生したもので、AB間で相殺を禁止する合意がされていたとします。その合意の存在については善意であったCがBから乙債権を譲り受け、BからAに対して乙債権の譲渡の通知がされた場合には、Cは、乙債権と丙債権とを相殺することができますか。
学生:(オ) Cは、AB間でされた相殺を禁止する合意を対抗されることはありませんから、乙債権と丙債権とを相殺することができます。
1 .
アウ
2 .
アエ
3 .
イウ
4 .
イオ
5 .
エオ
( 平成27年度 司法書士試験 問18 )