問題
ア 会社は、公共の福祉に反しない限り、政治的行為の自由を有するが、会社による政治資金の寄附は、それによって政治の動向に影響を与えることがあり、国民の参政権を侵害しかねず、公共の福祉に反する結果を招来することとなるから、自然人である国民による政治資金の寄附と別異に扱うべきである。
イ 憲法は、何人も、居住、移転の自由を有する旨を定めており、その保障は、外国人にも及ぶところ、この居住、移転には、出国だけでなく、入国も含まれることから、外国人には、日本から出国する自由に加え、日本に入国する自由も保障される。
ウ 公務員の政治的中立性を損なうおそれのある公務員の政治的行為を禁止することは、公務員に対して政治的意見の表明を制約することとなるが、それが合理的で、必要やむを得ない限度にとどまるものである限り、憲法の許すところである。
エ 我が国に在留する外国人に対し、法律をもって、地方公共団体の長やその議会の議員の選挙権を付与する措置を講じなくても、違憲の問題は生じない。
オ 喫煙の自由は、憲法の保障する基本的人権には含まれず、未決拘禁者に対して刑事施設内での喫煙を禁止することは、拘禁の目的、制限の必要性や態様などについて考察するまでもなく、憲法に違反しない。