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司法書士の過去問 平成26年度 午前の部 問21

問題

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親権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア  父母の婚姻中に父が後見開始の審判を受けた場合には、母が単独で親権を行使しなければならない。

イ  子の出生前に父母が離婚した場合には、父は、出生した子に対する親権を母と共同して行うことができる。

ウ  父母が協議離婚をする際に協議により父を親権者と定めた場合は、父母の協議により、親権者を母に変更することができる。

エ  親権を行う父が自己の名義で金銭を借り入れるに当たり、子のために特別代理人を選任することなく子が所有する不動産に抵当権を設定する行為は、その金銭を子の養育費に充てる目的であったとしても、父とその子との利益が相反する行為に当たるものとして、子に対して無効となる。

オ  家庭裁判所が親権停止の審判をするには、父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するときでなければならない。
   1 .
アイ
   2 .
アエ
   3 .
イウ
   4 .
ウオ
   5 .
エオ
( 平成26年度 司法書士試験 午前の部 問21 )
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この過去問の解説 (3件)

10
正解は2です。

正しい選択肢はアとエなので、2が正解となります。

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

ア. 親権は父母が共同して行うのが原則ですが、父母の一方が親権を行うことができない時は、他方が親権を単独で行使するものとされています。従って、本選択肢は正しいです。

イ. 父母が婚姻関係にない場合には、父母のいずれか一方が単独親権者となる。従って、父母が離婚している場合には、父母が共同で親権を行使することができないので、本選択肢は誤りです。

ウ.親権者の変更は、必ず家庭裁判所の審判又は調停によって行う必要があり、当事者の協議だけで親権者を変更することは認められません。従って、本選択肢は誤りです。

エ. 子の不動産に、その父が金銭の借入のために抵当権を設定することは、たとえ、金銭借入れの目的がこの養育費に当てるためだったとしても、利益相反行為に該当します。利益相反行為に該当する場合には、特別代理人を選任する必要があり、特別代理人を選任しないで行った利益相反行為は、効力を生じません。従って、本選択肢は正しいです。

オ. 民法834条の2では「親権を行っている父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当である子の利益を害するときには、親権喪失の場合におけるのと同一の範囲内の者からの請求により、家庭裁判所は、2年を超えない期間の範囲内で、親権停止の審判を行うことができる」と規定しています。従って、本選択肢は誤りです。

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6
正しい記述はアとエであり、2が正解です。

ア 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行うのが原則です(民法818条3項本文)。ただし、後見開始の審判を受けた等の理由により父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行います(同項ただし書)。したがって、本記述は正しいです。

イ 子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行うのが原則です(民法819条3項本文)。ただし、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができます(同項ただし書)。離婚した父母が共同して親権を行うことはありません。したがって、本記述は誤りです。

ウ 父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければなりません(民法819条1項)。親権者が父又は母の一方に定められた場合において、子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができます(同条6項)。当事者の協議で親権者を他の一方に変更することはできません。したがって、本記述は誤りです。

エ 判例(最判昭和42.4.18等)は、「民法826条1項にいう利益相反行為にあたるか否かは、もっぱら行為の外形で決すべきであり、親権者の意図や実質的効果によって決すべきではない」としています(形式説)。したがって、子の養育費捻出のためであっても親権者を債務者とする抵当権を子が所有する不動産に設定する行為は利益相反行為にあたりますので(最判昭和37.10.2)、特別代理人を選任しないでした代理行為は無権代理となります。したがって、本記述は正しいです。

オ 親権停止の審判とは、父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害する場合に、2年を超えない範囲内で、親権を停止することを内容とする家庭裁判所の審判です(民法834条の2)。親権喪失の審判の場合(民法834条)と異なり、「著しく」は要件ではありません。したがって、本記述は誤りです。

4
正解 2

ア 正しい
親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行うのが原則ですが、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行うことになります(民法818条3項)。
後見開始の審判を受けることは、ここでいう「親権を行うことができないとき」にあたるため、本肢は正しいです。

イ 誤り
子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行うのが原則ですが、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができます(民法819条3項)。
このように、離婚した父母が共同して親権を行うことはできません。

ウ 誤り
子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができます(民法819条6項)。
本肢のように、父母の協議により親権者を他の一方に変更することはできません。

エ 正しい
民法826条の利益相反行為と行為の動機について判示した判例(最判昭和37年10月2日)は、「親権者が自己の負担する貸金債務につき未成年の子の所有する不動産に抵当権を設定する行為は、借受金を右未成年の子の養育費に供する意図であっても、民法826条にいう「利益が相反する行為」にあたる。」としています。

オ 誤り
父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族等の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができます(民法834条の2第1項)。
本肢は、親権喪失の審判についての内容です。

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