問題
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刑法における共犯に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア Aは、知人Bとの間で、飲食店の店長に暴行を加えて現金を強奪することを計画し、Aが凶器を準備し、Bが実行役となって強盗をすることについて合意した。ところが、Bは、一人で実行するのが不安になり、Aに相談しないまま、Cに協力を持ち掛け、BとCとが一緒になって強盗をすることについて合意した。犯行当日、Bは、Cと二人で飲食店に押し入り、店員に暴行を加えて現金20万円を奪い取った。この場合、Aには、Cとの間でも強盗罪の共謀共同正犯が成立する。
イ AとBは、Cに対しそれぞれ金属バットを用いて暴行を加えた。その際、Aは、Cを殺害するつもりはなかったが、Bは、Cを殺害するつもりで暴行を加えた。その結果、Cが死亡した場合、殺意がなかったAには、Bとの間で殺人罪の共同正犯が成立するが、傷害致死罪の刑の限度で処断される。
ウ AとBは、態度が気に入らないCを痛め付けようと考え、それぞれ素手でCの顔面や腹部を殴り続けていたが、Aは、途中で暴行をやめ、暴行を続けていたBに「俺はもう帰るから。」とだけ言い残してその場を離れた。Bは、その後もCを殴り続けたところ、間もなくCは死亡した。Cの死亡の原因がAの暴行によるものかBの暴行によるものか不明であった場合、Aには、Bとの間で傷害罪の共同正犯が成立し、傷害致死罪の共同正犯は成立しない。
エ 顧客から委託を受けて現金1,000万円を業務上占有していた銀行員Aは、業務とは無関係の知人Bと相談し、当該現金を横領しようと考え、Bに当該現金を手渡して横領し、その後、当該現金を二人で折半して費消した。この場合、Bには、業務上横領罪の共同正犯が成立し、刑法第65条第2項により単純横領罪の刑が科される。
オ Aは、Bから、「友人Cが、多数の者を相手にわいせつ動画を見せるので、わいせつ動画が録画されたDVDディスクを貸してほしい」と依頼され、わいせつ動画が録画されたDVDディスク1枚をBに貸与した。その結果、Bは、同ディスクをCに貸与し、Cがこれを上映して、多数の者にわいせつ動画を観覧させた。この場合、Aには、わいせつ図画公然陳列幇助罪は成立しない。
( 参考 )
刑法
第65条 犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。
2 身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する。
ア Aは、知人Bとの間で、飲食店の店長に暴行を加えて現金を強奪することを計画し、Aが凶器を準備し、Bが実行役となって強盗をすることについて合意した。ところが、Bは、一人で実行するのが不安になり、Aに相談しないまま、Cに協力を持ち掛け、BとCとが一緒になって強盗をすることについて合意した。犯行当日、Bは、Cと二人で飲食店に押し入り、店員に暴行を加えて現金20万円を奪い取った。この場合、Aには、Cとの間でも強盗罪の共謀共同正犯が成立する。
イ AとBは、Cに対しそれぞれ金属バットを用いて暴行を加えた。その際、Aは、Cを殺害するつもりはなかったが、Bは、Cを殺害するつもりで暴行を加えた。その結果、Cが死亡した場合、殺意がなかったAには、Bとの間で殺人罪の共同正犯が成立するが、傷害致死罪の刑の限度で処断される。
ウ AとBは、態度が気に入らないCを痛め付けようと考え、それぞれ素手でCの顔面や腹部を殴り続けていたが、Aは、途中で暴行をやめ、暴行を続けていたBに「俺はもう帰るから。」とだけ言い残してその場を離れた。Bは、その後もCを殴り続けたところ、間もなくCは死亡した。Cの死亡の原因がAの暴行によるものかBの暴行によるものか不明であった場合、Aには、Bとの間で傷害罪の共同正犯が成立し、傷害致死罪の共同正犯は成立しない。
エ 顧客から委託を受けて現金1,000万円を業務上占有していた銀行員Aは、業務とは無関係の知人Bと相談し、当該現金を横領しようと考え、Bに当該現金を手渡して横領し、その後、当該現金を二人で折半して費消した。この場合、Bには、業務上横領罪の共同正犯が成立し、刑法第65条第2項により単純横領罪の刑が科される。
オ Aは、Bから、「友人Cが、多数の者を相手にわいせつ動画を見せるので、わいせつ動画が録画されたDVDディスクを貸してほしい」と依頼され、わいせつ動画が録画されたDVDディスク1枚をBに貸与した。その結果、Bは、同ディスクをCに貸与し、Cがこれを上映して、多数の者にわいせつ動画を観覧させた。この場合、Aには、わいせつ図画公然陳列幇助罪は成立しない。
( 参考 )
刑法
第65条 犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。
2 身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する。
1 .
アイ
2 .
アエ
3 .
イオ
4 .
ウエ
5 .
ウオ
( 平成26年度 司法書士試験 午前の部 問24 )