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司法書士の過去問 平成26年度 午前の部 問28

問題

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共同相続人が株式を相続により共有するに至った場合に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア  共同相続人は、その全員の同意がなければ、当該株式についての権利を行使する者を定めることができない。

イ  共同相続人が当該株式についての権利を行使する者一人を定め、その者の氏名を会社に通知したときは、その者は、ある事項について共同相続人の間に意見の相違があっても、自己の判断に基づき、株主総会において議決権を行使することができる。

ウ  共同相続人の一人は、当該株式についての権利を行使する者としての指定を受けていなくても、決議の存否に利害関係を有しこれを争う利益があるときは、特段の事情がない限り、株主総会決議不存在確認の訴えにつき原告適格を有する。

エ  共同相続人が当該株式についての権利を行使する者を定めていない場合において、共同相続人全員が株主総会における議決権を共同して行使するときは、会社の側からその議決権の行使を認めることができる。

オ  未成年の子とその親権者が共同相続人となった場合において、親権者が未成年の子を代理して当該株式についての権利を行使する者を定める行為は、その者を親権者自身と定めるときであっても、利益相反行為には当たらない。
   1 .
アイ
   2 .
アウ
   3 .
イエ
   4 .
ウオ
   5 .
エオ
( 平成26年度 司法書士試験 午前の部 問28 )
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この過去問の解説 (3件)

12
正解は2です。

誤っている選択肢はアとウなので、2が正解となります。

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

ア. 最高裁平成9年1月28日判決において「持分の準共有者において権利行使者を定めるにあたっては、持分の価格に従い、その過半数をもってこれを決することができる」と規定しています。従って、本選択肢は誤りです。

イ. 最高裁昭和53年4月14日判決において「有限会社において持分が数名の共有に属する場合、その共有者が社員の権利を行使すべき者1人を定めた場合には、(中略)ある事項について共有者間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使できる」と規定しています。従って、本選択肢は正しいです。

ウ. 株主総会決議不存在確認の訴えにつき原告適格を有するのは、株式の共同相続人のうち、株主の権利を行使すべき者として定められた1人に限ります。(最高裁平成2年12月4日判決参考)従って、本選択肢は誤りです。

エ. 最高裁平成11年12月14日判決によると「権利行使者の指定及び会社に対する通知を欠く場合には、共有者全員が議決権を共同して行使する場合を除き、会社の側から議決権の行使を認めることは許されない」とされます。従って、共同相続人が全員で議決権の行使をする場合には、会社の側からその議決権の行使を認めることができるので、本選択肢は正しいです。

オ. 最高裁昭和52年11月8日判決によると「株式が未成年の子とその親権者を含む数人の共有に属する場合において、親権者が未成年の子を代理して商法203条2項(現会社法106条)にいう「株主の権利を行使すべき者」を指定する行為は、その者を親権者自身とする場合であっても、利益相反行為に当たるものではない」としています。従って、本選択肢は正しいです。

付箋メモを残すことが出来ます。
4
誤っている記述はアとウであり、2が正解です。

ア 株式が2人以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合を除き、当該株式についての権利を行使する者1人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができません(会社法106条)。そして判例(最判平成9.1.28)は、「共有者間で権利を行使する者を定めるにあたっては、持分の価格に従いその過半数をもってこれを決することができる」としています。したがって、本記述は誤りです。

イ 判例(最判昭和53.4.14)は、「共有者が選定した権利行使者は、ある事項について共有者間に意見の相違があっても、自己の判断に基づいて議決権を行使することができる」としています。したがって、本記述は正しいです。

ウ 株主総会の決議不存在確認の訴え(会社法830条)については、条文上提訴権者の制限はありませんが、原則どおり原告適格が必要です。そして判例(最判平成2.12.4)は、「相続により株式を共有する共同相続人は、株主の権利の行使者として指定を受け、その旨を株式会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、株主総会決議不存在確認の訴えの原告適格を有しない」としています。もっとも、同判例は、「共同相続人の有する株式が発行済株式の全部に相当し、共同相続人のうちの一人を取締役に選任する旨の株主総会決議がされたとして登記されている場合には、特段の事情が存在し、他の共同相続人は、当該指定及び通知を欠く場合であっても、この決議の不存在確認の訴えを提起する原告格を有する」としています。したがって、本記述は誤りです。

エ 上記アの解説でも述べましたが、会社法106条ただし書は、共有者が権利を行使する者を定めていない場合であっても、株式会社の側から権利の行使に同意することを一般的に認めています。したがって、少なくとも、「共有者全員が議決権を共同して行使する場合」に株式会社が議決権の行使を認めることができるとする本記述は正しいです。

オ 判例(最判昭和52.11.8)は、「株式を未成年の子とその親権者が共有する場合において、親権者が未成年の子を代理して株主の権利を行使すべき者を指定する行為は、親権者自身を指定するときでも、親権者と子との間の利益相反行為(民法826条)にはあたらない」としています。したがって、本記述は正しいです。

2
正解 2

ア 誤り
判例(最判平成9年1月28日)は、「持分が数人の共有に属する場合、社員の権利を行使すべき者は、その共有持分の価格に従い過半数をもって定める。」としています。

イ 正しい
判例(最判昭和53年4月14日)は、「持分が数名の共有に属する場合に、その共有者が社員の権利を行使すべき者一人を選定し、それを会社に届け出たときは、共有者の議決権の正当な行使者は、右被選定者となるのであって、(中略)ある事項について共有者の間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使しうると解すべきである。」としています。

ウ 誤り
判例(最判平成2年12月4日)は、「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、「株主の権利を行使すべき者」の指定を受けていない場合には、特段の事情がない限り、株主総会決議不存在確認の訴えにつき原告適格を有しない。」としています。
また、同判例は、ここでいう「特段の事情」として、「株式が会社の発行済株式の全部に相当し、共同相続人のうちの一人を取締役に選任する旨の株主総会決議がされたとしてその旨登記されているとき」を挙げており、この場合は、他の共同相続人につき、右決議の不存在確認の訴えにつき原告適格を有するとしています。

エ 正しい
判例(最判平成11年12月14日)は、「株式が数人の共有に属する場合において、株主の権利を行使すべき者の指定を欠くときは、共有者全員が議決権を共同して行使する場合を除き、会社の側から議決権の行使を認めることはできない。」としています。

オ 正しい
判例(最判昭和52年11月8日)は、本肢と同様の事案において、「株式が未成年の子とその親権者を含む数人の共有に属する場合において、親権者が未成年の子を代理して株主の権利を行使すべき者を指定する行為は、これを親権者自身とするときであっても、利益相反行為に当たらない。」としています。

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