問題
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次の二つの見解は、会社法第355条に規定する取締役の忠実義務に関するものである。
第1説 取締役の忠実義務は、取締役の善管注意義務を敷えんし、かつ、一層明確にしたにとどまり、通常の委任関係に伴う善管注意義務と別個の義務ではない。
第2説 取締役の忠実義務は、会社と取締役との間に認められる信認関係に由来し、取締役は会社に最大の誠実を尽くすべきであるとする特殊な義務であり、取締役の善管注意義務とは別個の異質な義務である。
次のアからオまでの記述のうち「この見解」が第1説を指すものの組合せとして最も適切なものは、後記1から5までのうち、どれか。
ア この見解によれば、取締役の忠実義務は、取締役の判断が公正かつ誠実にされるために、取締役が会社以外の利益により動かされることを防ぐ趣旨の義務であるとされる。
イ この見解に対しては、我が国の私法体系が過失責任を原則とすることを理由に、適切でないとの批判がされる。
ウ この見解によれば、会社法第355条の意義は、委任関係に伴う善管注意義務を取締役について強行規定とする点にあるとされる。
エ この見解によれば、取締役が忠実義務に違反した場合に、会社は、当該取締役に対し会社が受けた損害だけでなく、当該取締役が得た利得の全部の返還を請求することができるとされる。
オ この見解は、取締役が忠実義務に違反したか否かについて、行為当時の状況に照らし合理的な情報収集、調査、検討等がされたか、その状況や取締役に要求される能力水準に照らし不合理な判断がされなかったか等を基準に判断されるべきであるとの考え方と親和的である。
(参考)
会社法
第355条 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。
第1説 取締役の忠実義務は、取締役の善管注意義務を敷えんし、かつ、一層明確にしたにとどまり、通常の委任関係に伴う善管注意義務と別個の義務ではない。
第2説 取締役の忠実義務は、会社と取締役との間に認められる信認関係に由来し、取締役は会社に最大の誠実を尽くすべきであるとする特殊な義務であり、取締役の善管注意義務とは別個の異質な義務である。
次のアからオまでの記述のうち「この見解」が第1説を指すものの組合せとして最も適切なものは、後記1から5までのうち、どれか。
ア この見解によれば、取締役の忠実義務は、取締役の判断が公正かつ誠実にされるために、取締役が会社以外の利益により動かされることを防ぐ趣旨の義務であるとされる。
イ この見解に対しては、我が国の私法体系が過失責任を原則とすることを理由に、適切でないとの批判がされる。
ウ この見解によれば、会社法第355条の意義は、委任関係に伴う善管注意義務を取締役について強行規定とする点にあるとされる。
エ この見解によれば、取締役が忠実義務に違反した場合に、会社は、当該取締役に対し会社が受けた損害だけでなく、当該取締役が得た利得の全部の返還を請求することができるとされる。
オ この見解は、取締役が忠実義務に違反したか否かについて、行為当時の状況に照らし合理的な情報収集、調査、検討等がされたか、その状況や取締役に要求される能力水準に照らし不合理な判断がされなかったか等を基準に判断されるべきであるとの考え方と親和的である。
(参考)
会社法
第355条 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。
1 .
アエ
2 .
アオ
3 .
イウ
4 .
イエ
5 .
ウオ
( 平成26年度 司法書士試験 午前の部 問31 )