正解:4
<解説>
ア:誤りです。
株式会社は、自己株式については、株主総会における議決権を有しません (会社法308条②)。
また、自己の社債についても、債権者集会における議決権を有しません(会社法723条②)。
したがって、本肢は誤りです。
イ:誤りです。
一部の募集株式について引受け及び払込みがされなかった場合には、その募集株式の株主となる権利を失います。
その他の引受け及び払込みがされたものについては、出資の履行をすることにより募集株式の株主となりますので、株式が発行されます。
(会社法208条⑤)
一部の募集株式の出資不履行により募集株式の全部が発行されないわけではありません。
また、募集社債は、原則として、総額について割当てを受ける者を定めていない場合であっても、割当てがされた募集社債を発行することができます。
ただし、総額について割当てを受ける者を定めた場合でなければ、社債の全部について発行しないと募集事項で定めることも可能です(会社法676条(11))。
したがって、本肢は誤りです。
ウ:正しいです。
募集株式は、他の株式会社と合同して発行することはできません。
これに対して、募集社債は、他の株式会社と合同して発行することができます(会社法676条(12)、会社法施行規則162条(2))。
したがって、本肢は正しいです。
エ:正しいです。
募集株式の引受人は、払込金額の払込みをする債務と株式会社に対する債権とを相殺することはできませんが(会社法208条③)、社債権者が、払込金額の払込みをする債務と株式会社に対する債権とを相殺することを禁止する規定はありません。
したがって、本肢は正しいです。
オ:誤りです。
募集株式については、数回に分けて金銭の払込みをさせる旨及び各払込みの期日における払込金額を定めることはできません(会社法208条①)。
これに対して、募集社債については、数回に分けて金銭の払込みをさせる旨及び各払込みの期日における払込金額を定めることができます(会社法676条(12)、会社法施行規則162条(1))。
したがって、本肢は誤りです。
以上により、正しいものは肢ウ・エであり、正解は4となります。