問題
ア 時効によって債権が消滅した場合において、その消滅時効期間が経過する以前にその債権の債務者が債権者に対する反対債権を有していたときは、その消滅時効期間が経過する以前に反対債権の弁済期が現実に到来していたかどうかにかかわらず、時効によって消滅した債権の債権者は、その債権を自働債権とし、その反対債権を受働債権として、相殺をすることができる。
イ 債務不履行に基づく損害賠償請求権を受働債権とする相殺は、その損害賠償請求権が人の生命又は身体の侵害によるものであっても、することができる。
ウ 債権が第三者に差し押さえられた場合において、被差押債権の債務者がその差押え前に被差押債権の債権者に対する反対債権を取得しており、その差押え後にその反対債権と被差押債権が相殺に適するようになったときは、その反対債権と被差押債権の弁済期の先後にかかわらず、被差押債権の債務者は、その反対債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができる。
エ 相殺は、双方の債務の履行地が異なるときであっても、することができる。
オ 債権につき、弁済期が到来していれば、その債権の債務者が同時履行の抗弁権を有していても、その債権の債権者は、その債権を自働債権として、相殺をすることができる。