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司法書士の過去問 令和3年度 午後の部 問45

問題

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弁済供託に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

ア  家賃に電気料を含む旨の家屋の賃貸借契約がされている場合において、電気料を含む家賃を提供し、その全額の受領を拒否されたときは、賃借人は、電気料と家賃の合計額を供託することができる。
イ  賃借人が賃貸人から建物明渡請求を受け、目下係争中であるため、当該賃貸人において家賃を受領しないことが明らかであるときは、当該賃借人は、毎月末日の家賃支払日の前に当月分の家賃につき弁済供託をすることができる。
ウ  売買代金債務が持参債務である場合において、債権者が未成年者であって法定代理人を欠くときは、債務者は、受領不能を原因として弁済供託をすることができる。
エ  借地上の建物の賃借人は、借地人(建物の賃貸人)に代わって当該借地の地代を弁済供託することはできない。
オ  婚姻中にされた妻名義の銀行預金について、離婚後、夫であった者が預金証書を、妻であった者が印鑑をそれぞれ所持して互いに自らが預金者であることを主張して現に係争中である場合には、銀行は、債権者不確知を原因として供託をすることができる。
   1 .
アエ
   2 .
アオ
   3 .
イウ
   4 .
イエ
   5 .
ウオ
( 令和3年度 司法書士試験 午後の部 問45 )
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この過去問の解説 (3件)

6

正解 4

ア 正しい

先例(昭和37年6月19日民甲1622)は、「家賃に電気料を含む旨の家屋の賃貸借契約がされている場合、電気料を含む家賃を提供し、その全額の受領を拒否されたときは、賃借人は、電気料と家賃の合計額を供託することができる。」としています。

イ 誤り

単に明渡しを受けただけでは未だ債権者による受領拒否が明白でないとされており、債権者において受領拒否が明白であるといえるためには、明渡しを求められ現在訴訟中であったり、または、裁判所に訴訟が係属していなくても、当事者が明渡しに関して係争中であることが必要だとされています。

また、先例(昭和37年5月31日民甲1485)は、「賃料先払いの特約があったとしても、支払期日が到来していなければ、未だ賃料として支払うべき具体的な債務が発生していないということになり、その期限の利益を放棄して供託することはできない。」としています。

よって、本肢では、毎月末日の家賃支払日の前に当月分の家賃につき弁済供

託をすることはできません。

ウ 正しい

未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得る必要があります(民法5条1項)。

よって、未成年者が弁済を受領する場合には、その法定代理人の同意を得ることが必要であり、法定代理人を欠くときは受領不能にあたり、債務者は、受領不能を原因として弁済供託をすることができます。

エ 誤り

判例(最判昭63.7.1)は、「土地の賃借人が賃貸人に対して地代を支払わない場合、その借地上の建物の賃借人は、土地賃貸人との間に直接的な関係はないものの、土地賃借権が消滅するときは、建物賃借人は土地賃貸人に対して賃借建物から退去して土地を明け渡すべき義務を負う関係にあり、土地の地代の弁済によって土地賃借権が消滅するのを防止することに法律上の利益を有するから、建物賃借人はその土地の地代の弁済について法律上の利害関係を有する。」としています。

オ 正しい

先例(昭和40.5.27民甲1069)は、印鑑は妻が、証書は夫がそれぞれ所持し、離婚後、各自が預金者であると主張して現に係争中である場合について、いずれも債権者不確知を原因として供託を受理して差し支えないとしています。

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5

ア 〇 結論から申し上げますと、供託できます。

供託書の備考欄に当該特約及び家賃と電気料金の区分を明記することにより、電気料金を含む家賃として受領拒否を原因とする弁済供託をすることができます。

イ × 結論から申し上げますと、支払日前の供託は受理されません。

賃貸人が建物の明渡請求をして係争中であるために賃料を受領しないことが明らかであるときは、賃借人は当月分の賃料については、口頭の提供をすることなく不受領意思明確を登記原因として弁済供託をすることができます。

しかし、支払日前は供託することができません。

ウ 〇 本肢は民法の知識が使えます。

未成年者は弁済を受領することにより、その債権を失うこととなるので、法定代理人の同意を得ずに弁済を受領することができません。(民法5Ⅰ)

よって、債務者は受領不能を原因として供託をすることができます。

エ × 本肢を一言でまとめると、第三者弁済が有効なのだから供託もすることができます。ということです。

借地上の建物の賃借人はその敷地の地代の弁済について正当な利益を有します。

よって、借地上の建物の賃借人はその地代について供託することができます。

オ 〇 銀行についての考え方は、何でもできますし、訴訟で負けることはほぼありません。

とにかく銀行は強者のイメージを持ってください。

婚姻中にされた妻名義の銀行預金について、離婚後、夫であった者が預金証書を所持し、妻であったも者が印鑑を所持して互いに自らが預金者であることを主張して、現に係争中である場合には、銀行は、債権者不確知を原因として供託をすることができます。

3

正解は4です。

ア…正しいです。共同住宅において、電気・ガス・水道等の公共料金を家賃に含めて支払う特約があり、賃借人が契約に基づき公共料金を含むものとして家賃を提供しその受領を拒否されたときは、公共料金を含む家賃としてこれを供託することができます(昭37大阪法務局管内供託官吏合同決議)。

イ…誤りです。建物明渡請求があり、目下係争中であるときは、建物賃貸人の家賃を受領しない意思が明確であるとして、建物の賃借人は現実の提供および口頭の提供なくして家賃の弁済供託ができます(昭37・5・31民甲1485号回答)。しかし、家賃支払日に「毎月末日」の特約がある場合には、家賃債権は当月末日に発生します(昭36・4・4民事甲808号認可)。(なお、支払日に特に定めがない場合も毎月末に当月分の家賃が発生します(民法614条)。)この場合、賃料先払い特約がなければ、履行期が到来する前の賃料債権を供託することはできないことから(昭24・10・20民事甲2449号回答)、当月分の家賃は当月末日になるまで供託することはできません。

ウ…正しいです。未成年者であっても、単に権利を得、または義務を免れる行為は単独でできますが(民法5条1項参照)、「債務の弁済の受領」は債権の消滅を伴いますので、単独で行うことができません。持参債務においては、債権者または債権者に代わり受領の権限を有する者(=法定代理人等)が一時的に不在で弁済の受領ができない場合、債務者は受領不能を原因として弁済供託をすることができます(大判昭9・7・17)。

エ…誤りです。借地上の建物の賃借人は、その敷地の地代の弁済について、法律上の利益を有する者と認められています(最判昭63・7・1)。借地権の消滅に伴い、建物の賃借人に建物収去・土地明渡の義務が発生するからです。したがって、借地人(土地の賃貸人)の意思に反しても、借地上の建物の賃借人は地代の弁済供託ができます。

オ…正しいです。妻名義の銀行預金について、離婚後に、夫であった者が預金証書を所持し、妻であった者が印鑑を所持して、互いに自らが預金者であることを主張して現に係争中であるときは、銀行は、債権者不確知を原因として、供託をすることができます(昭40・5・27民事甲1069号回答、H16過去問)。

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