問題
a. 器械定数及び反射鏡定数の誤差
b. 変調周波数の誤差
c. 位相測定の誤差
d. 致心誤差
e. 気象測定の誤差
距離測定における誤差に関する問題です。
測定距離に比例する誤差
・気象に関する誤差
・変調周波数による誤差
測定距離に比例しない誤差
・器械定数誤差
・反射鏡(プリズム)誤差
・位相差測定の誤差
・致心誤差
問題文に当てはめると
a. 器械定数及び反射鏡定数の誤差
比例しない
b. 変調周波数の誤差
比例する
c. 位相測定の誤差
比例しない
d. 致心誤差
比例しない
e. 気象測定の誤差
比例する
よってb.eが比例する誤差となり
問の答えは 4 となります。
トータルステーションによる距離測定に影響する誤差に関する問題です。
a.比例しない。器械定数及び反射鏡定数は、製造過程などから生じた器械固有の独自の誤差で、器械について一定です。
b.比例する。TSより発せられる光の強弱を与える周波数を「変調周波数』と呼びます。これは基準発振器から発射されています。変調周波数の誤差は、この基準周波数の誤差であり、光の波長が変化するため、測定距離が長くなれば、この観測誤差は大きくなります。
c.比例しない。TSは光を波に変え、プリズムにより反射され戻った特に生じる位相差を測定し計算する仕組みです。位相測定の誤差は、この位相差を測定する時に生じる誤差であり、観測距離ではなく、器械によって異なります。
d.比例しない。測点間の距離を観測するために、中心を測点鉛直線上に一致させるための求心装置が備え付けています。この致心装置はTSやプリズムの鉛直軸が測点鉛直線からズレているために生じる誤差であり、測定距離には依存しません。
e.比例する。気象測定の誤差は次式で計算されます。したがって、測定距離に比例します。
ΔD=(10Δt-0.3ΔP+0.04Δe)×D×10^-6
t:気温(℃)、P:気圧、D:距離、e:湿度
よって、距離に比例する誤差の組み合わせはb, eになります。