hear(~が聞こえる)や see(~が見える)といった動詞のことを
知覚動詞といいます。
知覚動詞には,
・知覚動詞+目的語+原形不定詞(to がつかない!)
・知覚動詞+目的語+現在分詞(-ing)
・知覚動詞+目的語+過去分詞(-ed)
というよく似た3種類の構文があります。
これらの構文において
目的語と〈原形不定詞・現在分詞・過去分詞〉との間には
意味上の主語と動詞の関係が存在します。
例えば,
I saw him running. (私は彼が走っているところを見た。)
であれば,He was running. (彼は走っていた。)という内容が成立し,
I saw him scolded by his teacher.
(私は彼が先生に叱られているところを見た。)
であれば,He was scolded by his teacher (彼は先生に叱られた。)という
内容が成立します。
さて,ここで各選択肢を見てみると,
4. の have stopped 以外の
stop(原形不定詞),stopping(現在分詞),stopped(過去分詞)
ならば文法的には無理なく,上の構文を作ることができそうです。
しかし,現実的に可能かというとそれは別問題です。
まず,We heard a car stopped. は
A car was stopped. (車は止められた。)という言い方はしますが
We heard … という言い方は普通しません。
次に,We heard a car stopping. という文は
可能ではありますが,かなり特殊な状況においてのみ可能です。
それはどういう状況かというと,
車が猛スピードでぶっ飛ばしていて急ブレーキをかけて停まろうとし,
そのブレーキ音を最初から最後まで聞くのが不可能な状況下にあるときです。
(制動距離がキロ単位の新幹線あたりならまだ普通にありそうです。)
実は,原形不定詞と現在分詞のどちらを使えばいいかを考える際の
ポイントはこの「最初から最後まで(一部始終)」です。
最初から最後まで知覚する(見る・聞くなど)場合は原形不定詞を
知覚しない場合は現在分詞を使います。
話を問題に戻すと,
常識的に車のブレーキ音は最初から最後まで聞けることが大半なので,
原形不定詞が選択肢の【1】番が正解ということになります。
We heard a car stop in front of our building.
(私達は車が私達の建物の前に停まるのが聞こえました。)