<正解>3
[解説]
公益通報に関する正誤の組合せ問題です。
(ア)から(エ)の正誤は、以下のとおりとなります。
(ア)正しい記述です。
従業員が製品のユーザーや一般大衆に深刻な被害が及ぶと認めた場合には、
まずは、直属の上司にそのことを報告し、
自己の道徳的懸念を伝えるべきです。
なお、そのような行動をとらない限り、
内部告発の行為は明確に正当化されないと考えられています。
よって、正しい記述です。
(イ)誤った記述です。
直属の上司が、自己の懸念や訴えに対して何ら有効なことを行わなかった場合には、
従業員は内部的な手続や企業内での可能な手段を講じることが必要です。
よって、「即座に外部に現状を知らせるべきである。」という記述は、誤りです。
(ウ)誤った記述です。
内部告発者は、予防原則を重視し、その企業の製品あるいは業務が、
一般大衆、又はその製品のユーザーに、
深刻で可能性が高い危険を引き起こすと予見される場合には、
合理的で公平な第三者に確信させるだけの証拠を既に持っているか、
それを入手することが求められます。
よって、「合理的で公平な第三者に確信させるだけの証拠を持っていなくとも、
外部に現状を知らせなければならない。」という記述は、誤りです。
(エ)正しい記述です。
従業員は、外部に公表することによって
必要な変化がもたらされると信じるに足るだけの
十分な理由を持たねばならないと考えられます。
また、成功をおさめる可能性は、個人が負うリスクと
その人に振りかかる危険に見合うものでなければならないと考えられます。
よって、正しい記述です。
これらを踏まえて、各選択肢を検討すると以下のとおりとなります。
1 (ア)が×、(イ)が〇となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
2 (ウ)が○、(エ)が×となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
3 (ア)から(エ)の全てが合致しているため、
適切な組み合わせとなります。
4 (ア)が×、(ウ)が〇となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
5 (イ)が〇、(エ)が×となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
よって、3が正解となります。