技術士の過去問
令和元年度(2019年)再試験
適性科目 問36
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問題
技術士 第一次試験 令和元年度(2019年)再試験 適性科目 問36 (訂正依頼・報告はこちら)
日本学術会議は、科学者が、社会の信頼と負託を得て、主体的かつ自律的に科学研究を進め、科学の健全な発達を促すため、平成18年10月3日に、すべての学術分野に共通する基本的な規範である声明「科学者の行動規範について」を決定、公表した。
その後、データのねつ造や論文盗用といった研究活動における不正行為の事案が発生したことや、東日本大震災を契機として科学者の責任の問題がクローズアップされたこと、いわゆるデュアルユース問題について議論が行われたことから、平成25年1月25日、同声明の改訂が行われた。次の「科学者の行動規範」に関する( ア )~( エ )の記述について、正しいものは ○ 、誤っているものは × として、最も適切な組合せはどれか。
( ア )「科学者」とは、所属する機関に関わらず、人文・社会科学から自然科学までを包含するすべての学術分野において、新たな知識を生み出す活動、あるいは科学的な知識の利活用に従事する研究者、専門職業者を意味する。
( イ )科学者は、常に正直、誠実に行動し、自らの専門知識・能力・技芸の維持向上に努め、科学研究によって生み出される知の正確さや正当性を科学的に示す最善の努力を払う。
( ウ )科学者は、自らの研究の成果が、科学者自身の意図に反して悪用される可能性のある場合でも、社会の発展に寄与すると判断される場合は、速やかに研究の実施、成果の公表を積極的に行うよう努める。
( エ )科学者は、責任ある研究の実施と不正行為の防止を可能にする公正な環境の確立・維持も自らの重要な責務であることを自覚し、科学者コミュニティ及び自らの所属組織の研究環境の質的向上、並びに不正行為抑止の教育啓発に継続的に取組む。
その後、データのねつ造や論文盗用といった研究活動における不正行為の事案が発生したことや、東日本大震災を契機として科学者の責任の問題がクローズアップされたこと、いわゆるデュアルユース問題について議論が行われたことから、平成25年1月25日、同声明の改訂が行われた。次の「科学者の行動規範」に関する( ア )~( エ )の記述について、正しいものは ○ 、誤っているものは × として、最も適切な組合せはどれか。
( ア )「科学者」とは、所属する機関に関わらず、人文・社会科学から自然科学までを包含するすべての学術分野において、新たな知識を生み出す活動、あるいは科学的な知識の利活用に従事する研究者、専門職業者を意味する。
( イ )科学者は、常に正直、誠実に行動し、自らの専門知識・能力・技芸の維持向上に努め、科学研究によって生み出される知の正確さや正当性を科学的に示す最善の努力を払う。
( ウ )科学者は、自らの研究の成果が、科学者自身の意図に反して悪用される可能性のある場合でも、社会の発展に寄与すると判断される場合は、速やかに研究の実施、成果の公表を積極的に行うよう努める。
( エ )科学者は、責任ある研究の実施と不正行為の防止を可能にする公正な環境の確立・維持も自らの重要な責務であることを自覚し、科学者コミュニティ及び自らの所属組織の研究環境の質的向上、並びに不正行為抑止の教育啓発に継続的に取組む。
- ア:○ イ:○ ウ:○ エ:○
- ア:× イ:○ ウ:○ エ:○
- ア:○ イ:× ウ:○ エ:○
- ア:○ イ:○ ウ:× エ:○
- ア:○ イ:○ ウ:○ エ:×
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この過去問の解説 (3件)
01
科学者の行動倫理については、昨今様々な問題が多発しているため、技術士としても改めて正しい知識を身に付けておく必要があることから、試験でも問題としてよく出されます。当該声明は
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-s168-1.pdf
で閲覧できますので、しっかり目を通しておきましょう。
(ア)5ページ参照。「「科学者」とは、所属する機関に関わらず、人文・社会科学から自然科学までを包含するすべての学術分野において、新たな知識を生み出す活動、あるいは科学的な知識の利活用に従事する研究者、専門職業者を意味する。」との記述があります。
(イ)6ページ参照。「科学者は、常に正直、誠実に判断、行動し、自らの専門知識・能力・技芸の維持向上に努め、科学研究によって生み出される知の正確さや正当性を科学的に示す最善の努力を払う。」との記述があります。
(ウ)6ページ参照。「科学者は、自らの研究の成果が、科学者自身の意図に反して、破壊的行為に悪用される可能性もあることを認識し、研究の実施、成果の公表にあたっては、社会に許容される適切な手段と方法を選択する。」とありますので、誤った記述となります。
(エ)6ページ参照。「科学者は、責任ある研究の実施と不正行為の防止を可能にする公正な環境の確立・維持も自らの重要な責務であることを自覚し、科学者コミュニティ及び自らの所属組織の研究環境の質的向上、ならびに不正行為抑止の教育啓発に継続的に取り組む。」との記述があります。
よって、正解選択肢は、4.となります。
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02
イ.正しい
ウ.悪用される可能性がある場合では積極的に努めるべきではないので、誤りです。
エ.正しい
よって答えは4です。
参考になった数11
この解説の修正を提案する
03
<正解>4
[解説]
科学者の行動規範に関する正誤の組合せ問題です。
(ア)から(エ)の正誤は、以下のとおりとなります。
(ア)正しい記述です。
「科学者」とは、所属する機関に関わらず、
人文・社会科学から自然科学までを包含するすべての学術分野において、
新たな知識を生み出す活動、
あるいは科学的な知識の利活用に従事する研究者、専門職業者を意味します。
よって、正しい記述です。
(イ)正しい記述です。
科学者は、常に正直、誠実に行動し、
自らの専門知識・能力・技芸の維持向上に努め、
科学研究によって生み出される知の正確さや
正当性を科学的に示す最善の努力を払うことが求められます。
よって、正しい記述です。
(ウ)誤った記述です。
科学者は、自らの研究の成果が、
科学者自身の意図に反して悪用される可能性のある場合、
研究の実施、成果の公表にあたっては、
社会に許容される適切な手段と方法を選択することが求められています。
よって、「社会の発展に寄与すると判断される場合は、
速やかに研究の実施、成果の公表を積極的に行うよう努める。」
という記述は、誤りです。
(エ)正しい記述です。
科学者は、責任ある研究の実施と
不正行為の防止を可能にする公正な環境の確立・維持も
自らの重要な責務であることを自覚し、
科学者コミュニティ及び自らの所属組織の
研究環境の質的向上、並びに不正行為抑止の
教育啓発に継続的に取組むことが求められます。
よって、正しい記述です。
これらを踏まえて、各選択肢を検討すると以下のとおりとなります。
1 (ウ)が〇となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
2 (ア)が×(ウ)が○となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
3 (イ)が×(ウ)が○となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
4 (ア)から(エ)の全てが合致しているため、
適切な組み合わせとなります。
5 (ウ)が〇、(エ)が×となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
よって、4が正解となります。
[参考]
日本学術会議「科学者の行動規範」
声明「科学者の行動規範-改訂版-」
https://www.scj.go.jp/ja/scj/kihan/
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