1級建築施工管理技士 過去問
解説あり

試験最新情報

令和7年度(2025年) 第一次検定日(予想)
2025年7月20日(日)

試験日まで、152

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1級建築施工管理技士について

1級建築施工管理技士とは

建築施工管理技士は建設業界で働いている人にとっては、いわば施工管理のプロフェッショナルの証ともいえる資格です。

建築工事を計画通りに進め、安全で高品質な建物を作るための知識と経験が求められます。

 

建築施工管理技士の1級は、2級よりも大規模な工事を扱えるのが特徴です。

特に、建設業法に基づく「監理技術者」になれる点が大きなメリットで、公共工事や大規模なプロジェクトに関わる際には、必要不可欠な資格となります。

1級建築施工管理技士の仕事内容

1級建築施工管理技士は、建築現場の指揮官のような存在です。

建築工事をスムーズに進めるために、工程・品質・安全・コストなどを管理し、工事が計画通りに進行するように調整します。

特に、1級の資格を持っていると大規模な建築工事を担当でき、公共工事や高層ビルなどのプロジェクトに関わることができます。

 

具体的な仕事内容

 

1. 工程管理(スケジュール管理)

工事には着工から竣工(完成)までの計画があり、「いつ・何を・どの順番で行うか」を決めて管理します。

職人さんや協力会社と調整しながら、納期に間に合うようにスケジュールを組みます。

 

2. 品質管理(建物の仕上がりチェック)

建築工事には、法律や施工基準があり、「設計図どおりの品質で建てられているか」をチェックするのも重要な仕事です。

 

3. 安全管理(事故を防ぐための対策)

建設現場は高所作業や重量物の運搬など、事故が起こりやすい環境です。

安全な作業環境を作るのも建築施工管理技士の役割です。

 

4. コスト管理(予算内で工事を完成させる)

工事には予算があり、材料費や人件費を計算しながら、「決められた予算の範囲内で建築を完成させる」のも大切な仕事です。

 

5. 関係者との調整(円滑なコミュニケーション)

現場のリーダーとして、職人・設計士・施主(お客様)・行政機関など、多くの関係者とやり取りをします。

 

 

1級建築施工管理技士の役割

1級建築施工管理技士は、建築工事の現場を統括し、安全かつ高品質な建物を完成させるための指揮官 です。

「施工管理」の専門家として、工事全体をコントロールし、関係者と調整しながらプロジェクトを成功へと導く役割を担います。

1級を取得すると 「監理技術者」 になれるため、大規模な公共工事や重要な建築プロジェクトに関わることができます。

1級建築施工管理技士になるためには

1級建築施工管理技士になるには、受験資格を満たした上で、試験に合格する必要があります。

試験は 「学科試験」  、「実地試験」 に分かれており、両方をクリアすることで資格を取得できます。

 

1. 受験資格を満たす

誰でもすぐに受験できるわけではなく、建築施工の実務経験 が必要です。

学歴によって必要な経験年数が異なります。

学歴必要な実務経験年数
大学(指定学科卒業)3年以上
大学(指定学科以外)4年6ヶ月以上
短大・高専(指定学科卒業)5年以上
短大・高専(指定学科以外)7年6ヶ月以上
高校(指定学科卒業)10年以上
高校(指定学科以外)11年6ヶ月以上
学歴なし15年以上

 

2. 学科試験に合格する

学科試験は選択式(マークシート方式) で、幅広い知識が問われます。

 

3. 実地試験に合格する

実地試験は記述式 で、施工管理の実務経験をもとにした問題が出題されます。

 

4. 合格後、資格を取得する

学科試験・実地試験の両方に合格すると、1級建築施工管理技士の資格が取得できます。

合格後は監理技術者講習を受けることで、「監理技術者」として働くことも可能 になります。

勉強方法

必要な勉強時間

1級建築施工管理技士の試験に合格するには、学科試験と実地試験の両方を突破する必要があるため、しっかりとした学習計画が必要です。

一般的に必要な勉強時間の目安は以下のとおりです。

受験者のレベル学科試験実地試験合計勉強時間
初心者(施工管理未経験)300〜400時間100〜150時間400〜550時間
実務経験はあるが、試験対策は未経験200〜300時間80〜120時間280〜420時間
過去に受験経験があり基本知識はある100〜200時間50〜100時間150〜300時間

効率的な学習方法

試験には 「学科試験」「実地試験」 があります。

 

1.学科試験の勉強時間と対策

学科試験はマークシート方式 です。

基本的に「過去問演習」が最も効果的な学習法になります。

 

2.実地試験の勉強時間と対策

実地試験は記述式 です。

実地試験では、経験記述の問題 が大きなウェイトを占めます。

事前に自分の施工管理経験を整理し、スムーズに記述できるようにしておくこと が重要です。

1級建築施工管理技士の関連資格

1級建築施工管理技士のスキルアップにつながる関連資格

1級建築施工管理技士のスキルアップにつながる、以下のような関連資格があります。

 

1.監理技術者資格(国土交通大臣認定)

監理技術者がいないと請け負えない工事があるため、建設業界では非常に重要な資格です。

 

2.一級建築士 / 二級建築士
一級建築士は設計の最高峰資格で、二級建築士は小規模建築物の設計が可能です。
施工管理技士と建築士の両方を持つと、施工と設計の両面で活躍できます。

 

3.建築設備士(国土交通大臣認定)

建築設備(電気・空調・給排水設備など)の設計や管理に特化した資格です。
施工管理技士の知識にプラスして、設備関連の専門知識を身につけたい人におすすめです。

 

4.1級土木施工管理技士

道路・橋・トンネル・ダムなどの土木工事の施工管理を行う資格です。
建築と土木の両方の施工管理を学ぶことで、ゼネコンでの活躍の幅が広がります。

 

5.1級電気工事施工管理技士

電気工事の施工管理を行う資格です(ビル・工場・発電所の電気設備など)。
建築施工管理技士と組み合わせると、建築・電気工事の両方を管理できます。

 

6.1級管工事施工管理技士

給排水・空調設備の施工管理を行う資格です(建物内の水道・空調設備など)。
建築施工管理技士と合わせて取得すると、設備関連の施工管理にも対応できます。

 

7.1級造園施工管理技士

公園・庭園・屋上緑化などの造園工事の施工管理を行う資格です。
建築施工管理技士と合わせると、環境デザインや都市開発にも携われます。

 

8.建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)

ビルの衛生管理、空調設備の保守・管理を行う資格です。

大規模建築物の維持管理に関わりたい場合に役立ちます。

 

9.労働安全コンサルタント / 衛生管理者

建設現場の労働安全や衛生管理に特化した資格です。

施工管理技士が安全管理のスキルを高めるために取得することが多いです。

 

10.建設業経理士(1級・2級)

建設業の経理に特化した資格で、経営や財務管理の知識を深めることができます。
施工管理だけでなく、経営管理の視点を持ちたい人におすすめです。

 

11.宅地建物取引士(宅建)

建築業界で不動産関連の業務も行いたい場合に役立つ資格です。
施工管理+不動産の知識を身につけることで、建設業界での活躍の幅が広がります。

試験の概要

試験会場、都道府県

1級建築施工管理技士の試験は、全国の主要都市で実施されています。

主な試験地として、札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄の10都市が挙げられます。

 

試験会場の確保状況によっては、近隣の府県で実施される場合もあります。

そのため、受検票に記載された試験会場を必ず確認してください。

試験日時

1級建築施工管理技士の試験は、第一次検定(学科試験)と第二次検定(実地試験)に分かれています。

2025年(令和7年)の試験日程は以下のとおりです。

 

第一次検定(学科試験)

2025年7月20日(日)

・試験時間

午前の部:2時間30分

午後の部:2時間


第二次検定(実地試験)

2025年10月19日(日)

・試験時間

3時間

試験科目

1級建築施工管理技士の試験は、第一次検定(学科試験)第二次検定(実地試験) に分かれています。

 

1.第一次検定(学科試験)の科目

学科試験はマークシート方式 で行われ、以下の科目が出題されます。

試験科目内容
施工管理法施工計画・施工方法・品質管理・安全管理など
法規建築基準法、建設業法、労働安全衛生法など
共通工学建築材料、構造力学、建築環境工学など
施工管理実務現場の施工管理に関する知識

出題数:72問(60問を選択して解答)

 

2.第二次検定(実地試験)の科目

実地試験は記述式 で行われ、施工管理の実務に関する知識が問われます。

試験科目内容
施工経験記述自身の施工管理経験を論述する問題
仮設・安全管理工事現場の仮設計画・安全対策に関する問題
躯体施工建物の構造部分(鉄筋・コンクリート・木造)の施工管理
仕上げ施工仕上げ工事(内装・外装・設備)の施工管理
施工管理工程・品質・コスト管理に関する問題
法規建築関連法規に関する問題

出題数:6問(すべて必須解答)

受験手数料

1級建築施工管理技士の受検手数料は、第一次検定(学科試験) と 第二次検定(実地試験) のそれぞれに 12,300円 がかかります。

両方の検定を受検する場合、合計で 24,600円 の手数料が必要となります。

 

受検手数料の支払い方法は、クレジットカード決済やコンビニエンスストアでの支払いなどが選択可能です。

詳細な支払い手続きについては、受検申請時に提供される案内をご確認ください。

 

受検手数料は変更される場合がありますので、最新の情報は公式の試験実施機関のウェブサイトでご確認いただくことをおすすめします。

https://www.fcip-shiken.jp/ken1/

合格発表

1級建築施工管理技士の試験結果は、第一次検定(学科試験) と 第二次検定(実地試験) それぞれで発表されます。

 

2025年度の合格発表日は以下のとおりです。

 

第一次検定(学科試験)

試験日:2025年7月20日(日)

合格発表:2025年8月22日(金)

 

第二次検定(実地試験)

試験日:2025年10月19日(日)

合格発表:2026年1月9日(金)

 

合格発表は、建設業振興基金の公式サイトで、合格者の受検番号が公開される形で行われます。

https://www.fcip-shiken.jp/

 

合格発表後に合格通知が郵送されますので、そちらでも結果を確認できます。

合格発表の日程は年度によって異なる場合がありますので、最新の情報は公式サイトでご確認ください。

受験資格

1級建築施工管理技士の試験を受験するには、一定の学歴と実務経験が必要 です。

学歴ごとに必要な実務経験年数が異なります。

 

受験資格の基準

学歴必要な実務経験年数
大学(指定学科卒業)3年以上
大学(指定学科以外)4年6ヶ月以上
短大・高専(指定学科卒業)5年以上
短大・高専(指定学科以外)7年6ヶ月以上
高校(指定学科卒業)10年以上
高校(指定学科以外)11年6ヶ月以上
学歴なし15年以上

・指定学科について
建築施工に関する学科(建築学、土木工学、機械工学、電気工学 など)が該当します。

・実務経験について
建築工事の施工管理に関する業務経験が対象になります。(例:施工計画、品質管理、安全管理 など)

出題方法

1級建築施工管理技士の試験は、第一次検定(学科試験) と 第二次検定(実地試験) に分かれており、それぞれ出題形式が異なります

 

1.第一次検定(学科試験)の出題方法

マークシート方式(択一式)

 

2.第二次検定(実地試験)の出題方法

記述式(論述・計算問題含む)

受験申請

1級建築施工管理技士試験の受検申請方法は、受検する検定の種類や受検者の状況(新規受検か再受検か)によって異なります。

 

申請方法の概要

受検区分新規受検者再受検者
第一次検定のみインターネット申請インターネット申請
第一次・第二次検定同時受検書面申請インターネット申請または書面申請
第二次検定のみ書面申請インターネット申請または書面申請

新規受検者:初めて受検する方や、過去に受検したが合格に至らなかった方。

再受検者:過去に同じ級・種目・試験区分で受検し、実務経験証明書等の提出を省略できる方。

受験申請受付期間

2025年度(令和7年度)の申請受付期間は以下の通りです。

 

1. 第一次検定(学科試験)

申請受付期間:2025年2月14日(金)~2月28日(金)

 

※第一次検定のみ受検の場合(インターネット申請)は、申請受付期間が2025年2月14日(金)~4月7日(月)となっています。

 

2. 第二次検定(実地試験)

申請受付期間:2025年2月14日(金)~2月28日(金)

 

詳細は、建設業振興基金の公式サイトでご確認ください。

https://www.fcip-shiken.jp/ken1/index.html

受験票の発送

受検票の発送時期は、試験の約3週間前とされています。

免除制度

1級建築施工管理技士試験には、特定の条件を満たすことで第一次検定(学科試験)が免除される制度があります。

 

・対象者

一級建築士試験の合格者

一級建築士試験に合格し、1級建築施工管理技士の受検資格を有する方は、第一次検定が免除され、第二次検定(実地試験)のみの受検が可能です。

前年度の第一次検定合格者

前年度に1級建築施工管理技士の第一次検定(学科試験)のみ合格した方は、翌年度の学科試験が免除され、第二次検定から受検できます。

 

免除制度や受検資格の詳細は、年度や個人の状況によって異なる場合があります。

最新の情報は、一般財団法人建設業振興基金の公式サイトでご確認ください。

https://www.fcip-shiken.jp/

合格情報

合格基準

合格基準は、第一次検定(学科試験) と 第二次検定(実地試験) でそれぞれ設定されています。

 

1.第一次検定(学科試験)

・合格基準

全体で60%以上の得点

施工管理法(応用能力)で60%以上の得点

具体的には、全体で60問中36問以上の正解が必要であり、特に「施工管理法(応用能力)」のセクションでは、10問中6問以上の正解が求められます。

 

2.第二次検定(実地試験)

・合格基準

60%以上の得点

第二次検定では、総合得点で60%以上の得点が合格基準とされています。

免状の交付

1級建築施工管理技士試験に合格された方は、合格証明書の交付を受けることができます

この合格証明書は、監理技術者資格者証の取得など、今後の業務において重要な役割を果たします。

 

・合格証明書の交付申請手続き

1.申請方法

合格通知書に添付されている「合格証明書交付申請書(ハガキ)」を使用して申請します。

申請期限が記載されていますので、その期間内に手続きを行ってください。

2.必要書類

「合格証明書交付申請書(ハガキ)」

2,200円分の収入印紙(申請書に貼付)

身分証明書のコピー(場合によっては不要)

3.提出先

申請者の現住所を管轄する国土交通省の各地方整備局の担当部署に郵送します。

 

最新の情報や詳細な手続きについては、国土交通省の各地方整備局や一般財団法人建設業技術者センターの公式サイトをご確認ください。

合格率の推移

第一次検定(学科試験)

年度受験者数合格者数合格率
令和6年37,651人13,624人36.2%
令和5年24,078人10,017人41.6%
令和4年27,253人12,755人46.8%
令和3年22,277人8,025人36.0%
令和2年22,742人11,619人51.1%

第二次検定(実地試験)

年度受験者数合格者数合格率
令和6年14,816人6,042人40.8%
令和5年14,391人6,544人45.5%
令和4年13,010人5,878人45.2%
令和3年12,813人6,708人52.4%
令和2年16,946人6,898人40.7%

 

第一次検定の合格率は約36%から51%の間で推移しており、第二次検定の合格率は約40%から52%の間で推移しています。

令和6年度は受験資格の見直しにより、第一次検定の受験者数が大幅に増加しましたが、合格率はやや低下しました。