一言でいうと、「中小企業の経営をサポートする国家資格」です。経営コンサルタントの国家資格としては、日本では中小企業診断士だけです。企業の経営相談に乗ったり、補助金申請のアドバイスをしたり、経営計画を一緒に考えたりと、かなり幅広い活躍ができます。
中小企業診断士 過去問
解説あり
試験最新情報
令和7年度(2025年) 第1次試験日
2025年8月2日(土) ~ 8月3日(日)
試験日まで、124日
中小企業診断士試験の過去問と解説を令和6年度(2024年)〜平成27年度(2015年)まで無料で公開しています。全問正解するまで過去問を解き続けることで、過去問題が脳に定着し、合格が近いものとなります。中小企業診断士試験の合格に向け、過去問ドットコムをぜひお役立てください!
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中小企業診断士について
中小企業診断士とは
中小企業診断士の仕事内容
中小企業診断士の仕事は大きく分けて4つの分野があります。
① 経営コンサルティング(企業の課題解決)
企業が抱える問題を分析し、解決策を提案します。
経営戦略、マーケティング、財務改善など
② 企業支援制度の活用サポート
国や自治体の支援制度を活用するお手伝いもします。
特に補助金・助成金の申請サポートは重要な仕事のひとつです。
③ セミナー・研修の講師
診断士は「教える仕事」もたくさんあります。
経営者向けのセミナー、商工会議所で起業支援の研修、企業の社員向けにビジネススキルの研修
④ 独立・副業でのコンサル活動
診断士の資格を取ると、独立コンサルタントとして活動する道も開けます。
経営コンサルティングの個人事務所を開業、企業と契約して経営アドバイスを提供
中小企業診断士の仕事は、「企業の問題を解決する」ことがメインですが、内容はコンサル、補助金サポート、講師業、独立…と幅広いので、自分に合った働き方ができるのも魅力です。
中小企業診断士の役割
中小企業診断士の役割は「企業の課題を見つけて解決策を提案すること」です。
特に、日本の企業の約99%を占める中小企業がメインのクライアントとなります。中小企業にとって、「売上を伸ばしたい」「経営を安定させたい」「会社を未来につなぎたい」という悩みはつきものですが、そんなときに企業のパートナーとして力を発揮するのが中小企業診断士です。
中小企業診断士になるためには
中小企業診断士になるまでのステップは次の通りです。
①一次試験(マーク式・7科目)
②二次試験(記述式+口述試験)
③実務補習または実務従事
・実務補習:指導員のもとで実務を学ぶ15日間の研修(実際の企業を診断してレポートを作成)
・実務従事:企業のコンサル業務に15日間携わる(診断士事務所などで実務経験を積む)
一次試験は独学でも合格可能(特に科目合格を狙う場合)ですが、二次試験は対策が難しいので予備校の利用を検討してもよいでしょう。
オンライン講座や通信講座も充実しているので、自分のライフスタイルに合った勉強法を選ぶことが大事です。
勉強方法
資格取得に必要な勉強時間
士業系の国家資格の中では難関資格 と言われています。
合格率は、一次試験が20~25%、二次試験が18~20%で、
最終合格率(両方合格する確率)は約4~7%となります。
一次試験は科目合格制度があるため、「何年かかけて合格する人」も含めての合格率です。
一般的に、合格に必要な勉強時間は 1,000時間~1,200時間 と言われています。
社会人が働きながら勉強する場合、1日2~3時間確保しても1年~1年半はかかる計算になります。
効率的な学習方法
【一次試験】
科目合格制度があり、苦手科目は次年度に回すことができます。
① 「科目ごとの優先順位」を決める
7科目全部満点を取る必要はない ので、科目ごとに「得点を稼ぐ科目・落とさない科目・最小限の努力で乗り切る科目」を決めましょう。
科目 | 優先度 | 理由 |
---|---|---|
財務・会計 | ★★★★☆ | 診断士の基礎。計算が得意なら高得点も狙える |
企業経営理論 | ★★★★☆ | 二次試験にも直結。マーケティング・組織論は暗記で対応可能 |
運営管理 | ★★★★☆ | 暗記が多いが、比較的得点しやすい |
経済学 | ★★★☆☆ | 基礎をしっかりやれば得点源となる |
経営法務 | ★★☆☆☆ | 法律知識は過去問パターンで攻略 |
経営情報システム | ★★☆☆☆ | IT系が苦手でも過去問で対応可 |
中小企業政策 | ★★☆☆☆ | 暗記科目なので直前対策で良い |
② 過去問を使って、出題パターンを把握する
まずは過去問をざっと解いて「どんな問題が出るか」把握し、繰り返し過去問を解きましょう。
【二次試験】
事例ごとに、「どんなパターンの解答を書くか」を決めておくとよいでしょう。
「書き方の型」を作っておけば、試験本番でもスムーズに答案が書けます。
中小企業診断士の関連資格
関連資格
診断士は幅広い分野の知識が必要な資格なので、関連資格を組み合わせると、より強いスキルが身につきます。
① 財務・会計系の資格
・簿記(2級、1級):企業の財務分析や資金繰りアドバイス
・FP(ファイナンシャル・プランナー):事業承継や資金調達のアドバイス
② 経営・コンサル系の資格
・MBA(経営学修士):経営学の専門知識を学ぶ学位
・経営革新等支援機関(認定支援機関):補助金・助成金の申請サポート
③ IT・デジタル系の資格
・ITパスポート:デジタルマーケティングや業務効率化のコンサル
④ 法務系の資格
・ビジネス実務法務検定:企業の契約・法務相談
試験の概要
試験実施都道府県・試験会場
【1次試験】
全国10の主要都市で実施されています。
札幌、仙台、東京、名古屋、金沢、大阪、広島、四国、福岡、那覇
試験会場は毎年変更される可能性がありますので、最新の情報は必ず公式サイトで確認してください。
例として、令和6年度は以下のようになっています。
札幌地区:TKP札幌駅カンファレンスセンター
東京地区:東京流通センター 第二展示場E・Fホール、大正大学、亜細亜大学、日本大学経済学部(本館・3号館)、拓殖大学文京キャンパス、千葉商科大学
大阪地区:コングレコンベンションセンター、新梅田研修センター
【2次試験】
以下の7地区で行われます:
札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡
最新の情報は必ず公式サイトで確認してください。
試験日時
1次試験は、例年8月上旬の土曜日と日曜日の2日間にわたって実施されます。
(1日目)
9:50~10:50:経済学・経済政策
11:30~12:30:財務・会計
13:30~15:00:企業経営理論
15:40~17:10:運営管理
(2日目)
9:50~10:50:経営法務
11:30~12:30:経営情報システム
13:30~15:00:中小企業経営・中小企業政策
二次試験は、筆記試験が 例年10月下旬の日曜日 に実施されます。
(時間割)
事例 I:9:40~11:00
事例 II:11:40~13:00
事例 III:14:00~15:20
事例 IV:16:00~17:20
口述試験が 例年1月下旬の日曜日 に実施されます。
具体的な日程は年度によって異なるため、最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。
試験科目
【一次試験】
① 経済学・経済政策(50点/60分)
内容:マクロ経済・ミクロ経済の基本
「GDP」「インフレ」「需給曲線」「ゲーム理論」など
② 財務・会計(50点/60分)
内容:企業のお金の流れを理解する科目
「貸借対照表(B/S)」「損益計算書(P/L)」「キャッシュフロー」など
③ 企業経営理論(100点/90分)
内容:経営戦略・マーケティング・組織論
ドラッカーやポーターの経営戦略理論、4P・3C分析などのマーケティング理論
④ 運営管理(100点/90分)
内容:生産管理(工場運営)+店舗管理(流通・小売業)
「トヨタ生産方式」「IE(インダストリアルエンジニアリング)」「ABC分析」「動線計画」など
⑤ 経営法務(50点/60分)
内容:会社法・知的財産権・契約法など
「株主総会」「企業のM&A」「特許・商標・著作権」など
⑥ 経営情報システム(50点/60分)
内容:IT・情報管理の基礎
「クラウド」「セキュリティ」「データベース」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」など
⑦ 中小企業経営・中小企業政策(100点/90分)
内容:中小企業の現状+政策支援制度
「中小企業の統計データ」「補助金・助成金の制度」「経営支援機関」など
【二次試験】
①事例Ⅰ(組織・人事):組織構造・人事制度・リーダーシップなどの改善提案
②事例Ⅱ(マーケティング・流通):企業の売上アップのための戦略を考える
③事例Ⅲ(生産・技術):製造業の業務改善やコスト削減の提案
④事例Ⅳ(財務・会計):企業の財務分析と経営改善策の提案
受験手数料
中小企業診断士試験の受験手数料は、以下の通りです。
一次試験:14,500円
二次試験:17,800円
これらの金額は、受験科目数に関わらず一律となっています。
ただし、令和7年度より受験申請方法がインターネットによる申請へ変更される予定です。
詳細が決まり次第、「一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会」公式サイトで公表されます。
合格発表
一次試験:9月上旬(第1週~第2週)
試験実施の約1ヶ月後に合格発表があります。
「日本中小企業診断士協会連合会」の公式サイトでの発表と、受験者には「合格通知(または不合格通知)」が郵送されます。
二次試験(筆記):1月中旬(第2週~第3週)
筆記試験から約2ヶ月半後に結果が発表されます。
「日本中小企業診断士協会連合会」の公式サイトでの発表と、合格者には郵送で通知されます。
二次試験(口述):2月上旬(第1週~第2週)
「日本中小企業診断士協会連合会」の公式サイトでの発表と、最終合格者には「合格証書」が郵送されます。
受験資格
特別な受験資格はありません。
学歴・年齢・職歴の制限なく、誰でも受験することができます。
出題方法
一次試験:全問マークシート式(4肢択一)
二次試験(筆記):すべて「事例形式」の記述式試験
二次試験(口述):試験官2~3人と面接(10分程度)
受験申請
中小企業診断士試験は、従来の専用払込用紙による方法を廃止し、令和7年度からインターネットによる受験申し込みに変更される予定です。
詳細が決まり次第、「一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会」公式サイトにて公表されます。
受験申請期間
一次試験:4月下旬から5月下旬まで
二次試験:8月下旬から9月中旬まで
具体的な日程は年度によって異なるため、最新の情報は公式サイトや試験案内でご確認ください。
受験票の発送
試験の約1か月前 を目途に発送が開始されます。
発送日から1週間以上経過しても受験票が届かない場合は、試験実施機関にお問い合わせください。
免除制度
免除制度は、主に以下の2つに分かれます。
① 科目合格による免除制度(一次試験)
中小企業診断士の一次試験は7科目ありますが、60%以上の得点を取った科目は翌年に免除されます。
「科目合格」の有効期限は1年間のみです。
② 他の資格・試験合格者向けの免除制度
特定の資格や試験に合格していると、一次試験の一部科目が免除される制度があります。
免除対象者 | 免除科目 |
---|---|
公認会計士試験合格者 | 財務・会計、経営法務 |
税理士試験合格者(簿記論・財務諸表論) | 財務・会計 |
中小企業診断士の登録養成課程修了者 | 一次試験全科目免除 |
経済産業大臣が認める試験合格者 | 一部科目免除の可能性 |
免除制度を利用するには、試験申し込み時に申請が必要です。
免除制度の対象資格は年度によって変更される可能性がありますので、必ず最新の情報を確認しましょう。
試験範囲が広い診断士試験ですが、免除制度を活用すれば、負担を減らして効率よく合格を目指せます。
合格情報
合格基準
一次試験(マーク式)と二次試験(記述+口述)の2段階構成になっています。
それぞれの試験の合格基準は以下の通りです。
試験 | 出題形式 | 合格基準 |
---|---|---|
一次試験 | マークシート(選択式) | 総得点60%以上、かつ1科目40%以上 |
二次試験(筆記) | 記述式(論述) | 総得点60%以上(基準の詳細は非公開) |
二次試験(口述) | 面接(質疑応答) | 不合格者はほぼゼロ(99%以上合格) |
免状の交付
免状交付の流れ
① 最終合格者発表(例年2月上旬)
合格した人は、「中小企業診断士としての登録手続きを進める権利」を得ます。
② 「実務補習」または「実務従事」(15日間)の修了
診断士として登録するには、以下のいずれかを修了する必要があります。
【実務補習(15日間)】
・診断士の先輩(指導員)のもと、実際の企業の経営診断を体験する
・企業の課題分析・改善策提案のレポート作成などを行う
・費用がかかる(15日間コースで20万円前後)
【実務従事(15日間)】
・企業の経営コンサル業務を15日間経験する
③ 免状の交付申請
実務補習または実務従事を修了すると、「免状の交付申請」が可能になります。
(申請の流れ)
・「中小企業診断士登録申請書」を記入
・必要書類(身分証明書・実務補習の修了証など)を添付
・申請手数料を支払う(登録料約3万円)
・申請後、審査が行われ、数週間後に免状が交付
ここまで終わると、正式に「中小企業診断士」を名乗ることができます。
合格率の推移
【一次試験】
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2023年 | 18,621人 | 5,521人 | 29.6% |
2022年 | 17,345人 | 5,019人 | 28.9% |
2021年 | 16,057人 | 5,839人 | 36.4% |
2020年 | 11,785人 | 5,005人 | 42.5% |
2019年 | 14,691人 | 4,444人 | 30.2% |
【二次試験】
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2023年 | 8,241人 | 1,555人 | 18.9% |
2022年 | 8,712人 | 1,625人 | 18.7% |
2021年 | 8,757人 | 1,600人 | 18.3% |
2020年 | 6,388人 | 1,174人 | 18.4% |
2019年 | 5,954人 | 1,088人 | 18.3% |