管理栄養士の過去問 第33回 臨床栄養学 問126

正解は【1】です。
この問題は「誤っているもの」を選択します。
間違えないようにしましょう。

＜脂質異常症の食事管理＞
◆高LDLコレステロール血症
・飽和脂肪酸をエネルギー比：7%未満
・コレステロール：200㎎/日未満
・トランス不飽和脂肪酸の摂取を減らす
・水溶性食物繊維の摂取を増やす
・植物ステロールの摂取を増やす

◆高トリグリセリド血症
・炭水化物エネルギー比をやや低くする
・n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取を増やす
・アルコールの過剰摂取を制限する
・高カイロミクロン血症を併発している場合は、脂肪エネルギー比を15%以下とし、中鎖脂肪酸・n-3系多価不飽和脂肪酸を主に用いる

◆低HDLコレステロール血症
・トリグリセリドに異常がない場合、飲酒制限の必要なし
・トランス脂肪酸の過剰摂取を制限する
・n-6系多価不飽和脂肪酸の過剰摂取を制限する


1 . 高カイロミクロン血症では、脂質のエネルギー比率を20〜30％Eとする。
×高カイロミクロン血症の場合は、脂肪エネルギー比を15%以下とします。

2 . 高LDL-コレステロール血症では、飽和脂肪酸の摂取を控える。
○飽和脂肪酸は、肉の脂身、乳脂肪、卵黄に含まれます。

3 . 低HDL-コレステロール血症では、トランス脂肪酸の摂取を控える。
○トランス脂肪酸は、マーガリンや菓子パンなどに含まれます。

4 . 高トリグリセリド血症では、アルコール摂取量を25g/日以下とする。
○

5 . 高トリグリセリド血症では、果糖を含む加工食品の摂取を減らす。
○果糖の過剰摂取はトリグリセリドの上昇につながります。

正解：１

１：高カイロミクロン血症では、脂質のエネルギー比率を20〜30％Eとする。
→誤りです。
脂質異常症では脂質エネルギー比率を20～25％としますが、高カイロミクロン血症がみられる場合には、急性膵炎予防のため脂質エネルギー比率を15％以下とします。

２：高LDL-コレステロール血症では、飽和脂肪酸の摂取を控える。
→正しいです。
飽和脂肪酸のエネルギー比率を7%未満とします。

３：低HDL-コレステロール血症では、トランス脂肪酸の摂取を控える。
→正しいです。

４：高トリグリセリド血症では、アルコール摂取量を25g/日以下とする。
→正しいです。
高トリグリセリド血症では、トリグリセリドの原料となるアルコールや糖質に注意が必要です。

５：高トリグリセリド血症では、果糖を含む加工食品の摂取を減らす。
→正しいです。

１．高カイロミクロン血症では、脂質のエネルギー比率を15％E以下とするので誤りです。

2 .高LDL-コレステロール血症では、飽和脂肪酸の摂取を控えるので〇です。

3 . 低HDL-コレステロール血症では、トランス脂肪酸の摂取を控えるので〇です。

4 . 高トリグリセリド血症では、アルコール摂取量を25g/日以下とするので〇です。

5 . 高トリグリセリド血症では、果糖を含む加工食品の摂取を減らすので〇です。