管理栄養士の過去問
第33回
臨床栄養学 問125
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問題
第33回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問125 (訂正依頼・報告はこちら)
55歳、男性。身長170cm、体重65kg、BMI22.5kg/m2、普通の労作。血糖コントロール不良により強化インスリン療法(毎食前超速効型インスリンと就寝前持続型インスリンを注射)が導入された2型糖尿病患者の栄養管理に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
- エネルギー摂取量は、30〜35kcal/kg標準体重/日とする。
- 炭水化物エネルギー比率は、50〜60%Eとする。
- 食事はインスリン注射後、直ちに摂取する。
- 低血糖発作時には、ブドウ糖を摂取する。
- シックデイ時には、水分の摂取量を制限する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:エネルギー摂取量は、30〜35kcal/kg標準体重/日とする。
→正しいです。
出題の患者は、“普通の労作”となっていますので、エネルギー摂取量は、30〜35kcal/kg標準体重/日で適切です。
軽い労作では25~30kcal/kg標準体重/日、重い労作では35kcal/kg標準体重/日〜が適切なエネルギー摂取量です。
2:炭水化物エネルギー比率は、50〜60%Eとする。
→正しいです。
炭水化物は摂取エネルギーの50~60%、たんぱく質は標準体重1kg当たり1.0~1.2g、残りを脂質で摂取します。
3:食事はインスリン注射後、直ちに摂取する。
→正しいです。
出題の患者が使用している「超速効型インスリン」は、注射してから10~20分と早い時間で効果が現れるため、食事の直前に注射します。
4:低血糖発作時には、ブドウ糖を摂取する。
→正しいです。
低血糖では、冷や汗、手足の震え、動悸、意識障害などの症状があらわれます。
症状を感じたらブドウ糖を摂取し安静にします。
5:シックデイ時には、水分の摂取量を制限する。
→誤りです。
発熱、下痢、嘔吐などによる体調不良、または食欲不振のため食事ができない時をシックデイといいます。
シックデイ時には、脱水を防ぐために十分な水分の摂取が必要です。
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02
この問題は「誤っているもの」を選択します。
間違えないように気を付けましょう。
1 . エネルギー摂取量は、30〜35kcal/kg標準体重/日とする。
○エネルギー摂取量は適正体重を維持できる量とします。
2 . 炭水化物エネルギー比率は、50〜60%Eとする。
○炭水化物はエネルギー摂取量の 50%〜60%を超えない範囲とします。
3 . 食事はインスリン注射後、直ちに摂取する。
○毎食前超速効型インスリンは、食事の直前に注射をします。
4 . 低血糖発作時には、ブドウ糖を摂取する。
○低血糖発作時には、ブドウ糖・砂糖、もしくはこれらを含む飲料を摂取します。
5 . シックデイ時には、水分の摂取量を制限する。
×糖尿病患者が感染症などにより発熱、下痢、嘔吐を起こしたり、食欲不振のため食事が摂れなかったりする症状をシックデイと呼びます。シックデイの時には次の点に留意が必要です。
①できるだけ食べやすい形状(お粥や麺類など)でエネルギー・炭水化物を補給し、最低でも1日100g以上の炭水化物を摂取することを目標とします。
②水分は少なくとも 1,000 mL/日以上は補給します。(みそ汁や野菜スープなどミネラルを含むものが望ましいです。)
<参考>
日本糖尿病学会「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」
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03
1.エネルギー量は過不足なく摂取することが必要なため、エネルギー摂取量は30〜35kcal/kg標準体重/日とします。
2 . 炭水化物の制限は必要ないので、健康な人と同じく、炭水化物エネルギー比率は、50〜60%Eとします。
3 . この症例は、毎食前超速効型インスリンであり、食事はインスリン注射後直ちに摂取することが必要です。
4 . 低血糖発作時には、吸収の早いブドウ糖を摂取します。
5 . シックデイ時には、水分を最低でも1000mlの摂取が望ましいとされていて、水分摂取量を制限するのは誤りです。
よって、誤りは5です。
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