正解:1
(解説)
インシデントレポートの目的は、事故の再発防止に活用することであり、個人を罰するものではありません。インシデントが発生した事象における背景や問題点、課題を分析・共有し、改善することで医療事故を未然に防ぐという意義があります。よって、正解は「1」となります。
(補足)
他の選択肢については以下の通りです。
2.インシデントレポートについて法令で規定はありませんが、インシデントが発生した際、記憶が鮮明であるうちに作成・提出することが望ましいです。インシデントが発生してから時間が経過してしまってからでは、曖昧な内容の報告しかできず、事実が正確に捉えることができない可能性があります。
3.インシデントレポートは、書式が法令で決まっているわけではないため、書式は病院によって様々です。インシデントレポートの目的は、再発防止であるため、事実の正確な把握が最も重要な要素になります。
4.インシデントとは、誤った医療行為が患者に実施される前に発見した、または実施されたが患者に影響を及ぼすまでに至らなかった事例もあてはまります(医療事故の「患者への影響レベル基準」の中のレベル0~レベル2にあたります)。その事例の報告書がインシデントレポートであり、客観的な事実として事故に至る可能性があったという事実そのものを分析することで、事故を未然に防ぐことにつながります。