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精神保健福祉士の過去問 第21回(平成30年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問136

問題

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次の事例を読んで、問題について答えなさい。

〔事例〕
発達障害者支援センターのF精神保健福祉士は、Gさん(35歳、女性)から息子のHさん(7歳)のことで相談を受けた。Gさんの話は、「Hは、幼少期から人見知りやこだわりが強かったが、障害とは思っていなかった。保育園でもささいなことで泣き出していたが、園長から、『Hさんの個性として受けとめましょう』と言われていた。しかし、地元のV小学校に入学すると、音に過敏で先生の話が聞けない、ノートが取れない、場面の切替えができない、運動会に参加できないなど、様々なつまずきがみられた。そして、2年生になると授業についていけなくなり、登校を嫌がって自宅でテレビゲームばかりするようになった。そこで、専門医を受診したところ、自閉症スペクトラムと診断された」とのことである。Gさんには診断にショックを受けながらも、無理やり登校を強いてきたことを責める様子がみられた。そして、「私はこれからHにどのように接したらいいのでしょうか」とF精神保健福祉士に尋ねた。

V小学校には特別支援学級はなかったが、GさんもHさんも転校は望んでいなかった。そこで、F精神保健福祉士はV小学校と協議の場を設け、Hさんが安心して学校に通うための対応を提案した。(※2)

Hさんが4年生に進級した時に、特別支援学級が設置され、Hさんは通常の学級との併用を開始した。ところが、しばらくするとHさんは、「なぜ自分だけが他の教室に行くの?」と特別支援学級に行くのを拒み、通常の学級での個別の配慮も嫌がるようになった。Gさんは、Hさんの言動に驚く一方、Hさんが他の児童と自分を比べざるを得ない状況に心を痛めた。Gさんの思いを聞いたF精神保健福祉士は、この件についてV小学校と協議を重ねた。そして、Hさんと同じ配慮が望ましい児童が複数いることも分かり、同様の配慮を教室環境や授業展開に取り入れた。結果として、Hさんが落ち着いて学習できる環境は、他の児童の学習効果につながるものでもあった。また、この取組を通して、児童たちが、Hさんの困り事や支援の意義を理解できるようになったことは大きな成果であった。

次の記述のうち、F精神保健福祉士がV小学校に提案した内容(※2)として、適切なものを2つ選びなさい。
   1 .
Hさんが授業で理解できない内容は、繰り返して話す。
   2 .
学校行事では、Hさんへの事前の説明は控えて緊張を和らげる。
   3 .
Hさんが、授業中にタブレット端末を活用する。
   4 .
教室にはできるだけ多くの情報を掲示して見えるようにする。
   5 .
活動の目的ごとに、教室内のエリアを区分する。
( 第21回(平成30年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問136 )
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この過去問の解説 (3件)

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正解は3、5です。
障害特性によりノートが取れないと考えられるHさんに対する合理的配慮の一つとして、タブレット端末の活用が挙げられます。
活動の目的ごとに教室内のエリアを区分すると、場面の切り替えが目で見て分かりやすくなり、Hさんの苦手な場面の切り替えをサポートすると考えられます。

1. Hさんには、音に過敏で先生の話が聞けないという特性があります。このため、何度も繰り返したとしても聴覚情報から授業内容を理解することは困難であると考えられます。聴覚情報の代わりに、視覚情報として授業内容を提示するなどの対応が考えられます。

2. 自閉スペクトラム症の障害特性の一つとして、物事の見通しを持つことが困難であったり、見通しが持てないことに対して不安になりやすいという傾向があげられます。自閉スペクトラム症の主要症状である「想像力の障害」と関係していると考えられます。このため、事前の説明を控えるという方法は、Hさんの混乱や不安を増大させてしまいます。学校行事ではどのようなことが起こり、どのくらいで終わるのなどの情報を、いつでも確認できるような視覚情報で提示するなど、Hさんが新規場面に対して見通しを持ちやすくなるような支援が効果的であると考えられます。

4. 場面の切り替えが苦手なHさんは、教室に多くの情報が掲示されていると、授業中であっても掲示されたそれぞれの情報に興味が向かってしまい、授業に集中できないなどの可能性が考えられます。教室にはできるだけ余計な情報は掲示しないなどの対応が効果的であると考えられます。

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15
正解は3と5です。

1.Hさんは音に敏感であり、聴覚情報により授業の内容の理解を促すことは難しいと考えられます。聴覚情報過多になると、かえって混乱をきたす可能性もあります。視覚情報などを活用することが有用です。

2.Hさんへの事前の説明を控えることは、場面の切替えが苦手なHさんを緊張させることに繋がります。

3.先生の話を聞くことができなかったり、ノートがうまくとれないHさんに対して、タブレット端末を活用することは有用です。

4.場面の切替えが苦手なHさんにとって、多くの情報が目に入る状況は、最優先事項や次に始まることがわからなくなるおそれがあります。

5.活動の目的ごとにエリアを区分することによって、Hさんが場面の切替えをしやすくなるため、適切です。

11

正解は、3・5 です。

1 事例からHさんは「音に過敏で先生の話が聞けない」ことがわかります。理解できない内容を繰り返して話すことは不適切と言えます。

2 事例からHさんは「場面の切替えができない、運動会に参加できない」ことがわかります。そのため、説明を控えるよりも見通しなどを事前に視覚情報などで提示することの方が適切です。

3 事例からHさんは「ノートが取れない」ことがわかります。そのため、タブレット端末を利用した授業は効果的であることが予想されます。

4 多すぎる情報は逆にHさんを混乱させる可能性があるため、不適切です。

5 「場面の切替えができない」Hさんにとって、目的ごとに区分することは学校生活を送る手助けになります。

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