問題
セミ・ダイナミック補正とは、プレート運動に伴う[ ア ]地殻変動による基準点間のひずみの影響を補正するため、国土地理院が電子基準点などの観測データから算出し提供している[ イ ]を用いて、基準点測量で得られた測量結果を補正し、[ ウ ](国家座標)の基準日(元期)における測量成果を求めるものである。[ イ ]の提供範囲は、全国(一部離島を除く)である。
三角点や公共基準点を既知点とする測量を行う場合であれば、既知点間の距離が短く相対的な位置関係の変化も小さいため、地殻変動によるひずみの影響はそれほど問題にならない。しかし、電子基準点のみを既知点として測量を行う場合は、既知点間の距離が長いため地殻変動によるひずみの影響を考慮しないと、近傍の基準点との間に不整合を生じる。例えば、地殻変動による平均のひずみ速度を約0.2ppm/yearと仮定した場合、電子基準点の平均的な間隔が約25kmであるため、電子基準点間には10年間で約[ エ ]mmの相対的な位置関係の変化が生じる。
このような状況で網平均計算を行っても、精度の良い結果は得られないが、セミ・ダイナミック補正を行うことにより、測量を実施した今期の観測結果から、[ ウ ](国家座標)の基準日(元期)において得られたであろう測量成果を高精度に求めることができる。