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第三種電気主任技術者の過去問 平成29年度(2017年) 電力 問32

問題

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交流の地中送電線路に使用される電カケーブルで発生する損失に関する記述として、誤っているものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
   1 .
電カケーブルの許容電流は、ケーブル導体温度がケーブル絶縁体の最高許容温度を超えない上限の電流であり、電カケーブル内での発生損失による発熱量や、ケーブル周囲環境の熱抵抗、温度などによって決まる。
   2 .
交流電流が流れるケーブル導体中の電流分布は、表皮効果や近接効果によって偏りが生じる。そのため、電カケーブルの抵抗損では、ケーブルの交流導体抵抗が直流導体抵抗よりも増大することを考慮する必要がある。
   3 .
交流電圧を印加した電カケーブルでは、電圧に対して同位相の電流成分がケーブル絶縁体に流れることにより誘電体損が発生する。この誘電体損は、ケーブル絶縁体の誘電率と誘電正接との積に比例して大きくなるため、誘電率及び誘電正接の小さい絶縁体の採用が望まれる。
   4 .
シース損には、ケーブルの長手方向に金属シースを流れる電流によって発生するシース回路損と、金属シース内の渦電流によって発生する渦電流損とがある。クロスボンド接地方式の採用はシース回路損の低減に効果があり、導電率の高い金属シース材の採用は渦電流損の低減に効果がある。
   5 .
電カケーブルで発生する損失のうち、最も大きい損失は抵抗損である。抵抗損の低減には、導体断面積の大サイズ化のほかに分割導体、素線絶縁導体の採用などの対策が有効である。
( 第三種 電気主任技術者試験 平成29年度(2017年) 電力 問32 )
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この過去問の解説 (2件)

1
選択肢【1】

正しい記述です。ケーブルによる地中送電での損失について、基本的な内容です。

選択肢【2】

正しい記述です。抵抗損に関する記述です。

選択肢【3】

正しい記述です。誘電体損に関する記述です。

選択肢【4】

シース損に関する記述です。
シース損を抑えるためには、導電率の高い金属シース材を使用するのではなく、導電率の低いCVTケーブル等を使用する方が良いです。これが間違いとなります。

選択肢【5】

正しい記述です。抵抗損に関する記述です。

以上により、選択肢【4】が正解とないます。

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電力 h29 問10

地中ケーブルの損失の問題です。

このケーブルの構造は内側から導体、絶縁体、金属シース(被覆)の3層構造です。

選択肢1. 電カケーブルの許容電流は、ケーブル導体温度がケーブル絶縁体の最高許容温度を超えない上限の電流であり、電カケーブル内での発生損失による発熱量や、ケーブル周囲環境の熱抵抗、温度などによって決まる。

これは銅損と呼ばれている損失です。

発生した熱をジュール熱と言って以下の式で表せます。

P=RI2

選択肢2. 交流電流が流れるケーブル導体中の電流分布は、表皮効果や近接効果によって偏りが生じる。そのため、電カケーブルの抵抗損では、ケーブルの交流導体抵抗が直流導体抵抗よりも増大することを考慮する必要がある。

表皮効果とは高周波電流が導体の表面に集中する現象を言います。

近接効果とは平行に並べた電線に電流を流すと同方向の場合外側に電流が集中して逆方向の場合内側に電流が集中する現象を言います。

近接効果はローレンツ力と逆になります。

選択肢3. 交流電圧を印加した電カケーブルでは、電圧に対して同位相の電流成分がケーブル絶縁体に流れることにより誘電体損が発生する。この誘電体損は、ケーブル絶縁体の誘電率と誘電正接との積に比例して大きくなるため、誘電率及び誘電正接の小さい絶縁体の採用が望まれる。

誘電体損についての記述です。

ケーブルの誘電体内で起こる損失です。

選択肢4. シース損には、ケーブルの長手方向に金属シースを流れる電流によって発生するシース回路損と、金属シース内の渦電流によって発生する渦電流損とがある。クロスボンド接地方式の採用はシース回路損の低減に効果があり、導電率の高い金属シース材の採用は渦電流損の低減に効果がある。

こちらが間違っている選択肢です。

抵抗値を下げるほど渦電流は大きくなり結果的に渦電流損が大きくなります。

クロスボンド接地方式とは送電線のねん架と似たような対策です。

選択肢5. 電カケーブルで発生する損失のうち、最も大きい損失は抵抗損である。抵抗損の低減には、導体断面積の大サイズ化のほかに分割導体、素線絶縁導体の採用などの対策が有効である。

素線絶縁導体とは大サイズ導体の交流抵抗を低減するために、導体を構成する各素線の表面に絶縁性の皮膜を形成させた導体です。(参考:一般社団法人 電気学会)

分割導体、素線絶縁導体は教科書に載っているような内容ではなく先端技術の話だと思います。

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