第三種電気主任技術者の過去問
平成29年度(2017年)
電力 問33
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問題
第三種 電気主任技術者試験 平成29年度(2017年) 電力 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
回路図のような単相2線式及び三相4線式のそれぞれの低圧配電方式で、抵抗負荷に送電したところ送電電力が等しかった。
このときの三相4線式の線路損失は単相2線式の何[%]となるか。最も近いものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
ただし、三相4線式の結線はY結線で、電源は三相対称、負荷は三相平衡であり、それぞれの低圧配電方式の1線当たりの線路抵抗r、回路図に示す電圧Vは等しいものとする。また、線路インダクタンスは無視できるものとする。
このときの三相4線式の線路損失は単相2線式の何[%]となるか。最も近いものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
ただし、三相4線式の結線はY結線で、電源は三相対称、負荷は三相平衡であり、それぞれの低圧配電方式の1線当たりの線路抵抗r、回路図に示す電圧Vは等しいものとする。また、線路インダクタンスは無視できるものとする。
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この過去問の解説 (3件)
01
P=2rI^2
単相4線式の線路損失P´も同様に
P´=3rI´^2
と計算できます。2つの線路損失を比較すると
P´/P=3rI´^2/2rI^2
P´/P=3I´^2/2I^2
送電電力が等しいので
VI=3VI´
I=3I´
この条件を代入します。
P´/P=3I´^2/2I^2
P´/P=3I´^2/2×3I´^2
P´/P≒0.167
以上により、選択肢【1】が正解となります。
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02
配電線路の電力損失に関する計算問題となります。
単相2線式と三相4線式の損失を比較する形となりますが、まずは電線1本あたりの線路損失の公式を以下に記します。(問題文よりインダクタンスは無視できるので抵抗のみの負荷と考えた場合)
・P[W]=I2×R‥①
※P:線路損失[W]、I:線電流[A]、R:線路抵抗[Ω]
以上より、それぞれの線路損失は以下となります。
・単相2線式‥P[W]=2I2×R
・三相4線式‥P[W]=3I2×R
※電線1本あたりなので単相2線式は2本だから2となりますが、三相4線式の配電線は回路図からも分かるように4本あるので4としたい所ですが、3になります。問題の条件を整理すると、三相4線式は三相対称電源であり、平衡負荷でY結線となっていると与えられています。これは何を意味しているかというと電源線4本のうちの1線(中性線)には電流が流れていない事を意味しています。つまり中性線には電流が流れていないので損失は生まれません。なので3となります。さらにこの回路は電源側も負荷側もY結線になるので負荷に流れる電圧は相電圧となります。なので√3ではなく、3I2×Rとなります。
次に、問題の条件としてそれぞれの送電電力は等しいとなっております。
単相2線式に流れる電流をI1とし、三相4線式の電流をI2とすると以下の関係が成り立ちます。
・VI1=3VI2‥②
以上を踏まえた上で、比較をしていきますがここで注意するのが比較対象する際の分母と分子を間違えない事が重要となります。
この問題は三相4線式の線路損失は単相2線式の何[%]かを求めますので、分母は単相2線式、分子は三相4線式となります。
・3I2×R/2I2×R‥③
さらにこの③式にそれぞれの線電流を代入します。
・3I22×R/2I12×R‥④
②式を展開するとI1=3I2となります。これを④式の分母に代入します。
・3I22×R/2×3I22×R=3/18=1/6=0.167
問題文より、上記の数値を[%]に変換します。
・0.167×100=16.7[%]
以上となります。
解説の冒頭の内容の数値と一致するので適切です。
解説の冒頭の内容の数値と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の内容の数値と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の内容の数値と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の内容の数値と一致しないので不適切です。
三相4線式の問題は、あまり出題されておらずなじみが薄いかと思いますが、問題の条件を改めて整理すると、三相3線式と相違がないので、問題を読み解く力も日々の学習で身につけていきましょう。
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03
電力 h29 問11
二つの回路の電力Pが等しい
回路中のrによる銅損を比較せよ
比較の方法は単相2線式を基準(分母)に取る。
という問題です。
銅損は下記のように表せます。
P(銅損)=rI^2
I:皮相電流
単相2線式の電力
P=VI(単)
三相4線式
P=3VI(三)
I(三):一相分の電流、つまり線電流です。
三相交流の電力は√3vicosθとかで覚えている人がいると思いますが以下の通りです。
スターの場合
線間電圧=√3相電圧
線電流=相電流
皮相電力=√3線間電圧×線電流
=√3×√3相電圧×相電流
=3相電圧×相電流
デルタの場合
線間電圧=相電圧
線電流=√3相電流
同様なので省略
電力が等しいので
P=VI(単)
P=3VI(三)
の二つの式を結びます。
VI(単)=3VI(三)
I(単)=3I(三)
単相2線式の銅損P(単銅損)
P(単銅損)=2rI(単)^2
=2r×9I(三)^2
=18rI(三)^2
三相4線式の銅損P(三銅損)
P(三銅損)=3rI(三)^2
比較
P(三銅損)/P(単銅損)
=3rI(三)^2/18rI(三)^2
=3/18=1/6
≒0.167
正答です。
殆ど理論の問題で電力要素は少ないと思います。
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