FP3級の過去問 2021年1月 学科 問42

投資信託の分配金には、「普通分配金」と「特別分配金」があります。

普通分配金は元本を上回る分配金(課税される)、特別分配金は元本を下回る分配金(課税されない元本払戻し部分)です。

問題文の例で計算すると、分配落ち前基準価格14,000円 − 分配落ち後基準価格13,800円 = 200円 です。

つまり200円元本が減っているため、収益分配金300円のうち、元本払戻し部分は200円で、普通分配金が100円となり、正解は2となります。

購入時の基準価額は1万4,000円でしたが、分配落ち後の基準価額が1万3,800円になり、200円下がってしまいました。

この200円下がった分は、収益分配金で受け取った利益から補填するといったイメージです。

200円は元本払戻金に、100円は普通分配金となります。

よって、正解は「2」です。

正解は｢① 100円　② 200円｣です｡

追加型投資信託では､各投資家によって元本が異なるため､投資家ごとに実際に買い付けた価格を個別元本とみなし､税金の計算を行います｡

個々の元本超過分が課税対象となります｡

決算時に運用実績により支払われる収益分配金は､課税対象となる｢普通分配金｣と非課税となる｢元本払戻金(特別分配金)｣に区分されます｡

＜ケース１：分配落ち後の基準価額 ≧ 個別元本　の場合＞

全額が｢普通分配金｣として課税されます｡

分配金受け取り後の個別元本は修正されません｡

＜ケース２：分配落ち後の基準価額 ＜ 個別元本　の場合＞

個別元本と分配落ち後の基準価額の差額は｢元本払戻金｣として非課税となります｡

収益分配金の残額は｢普通分配金｣として課税されます｡

元本払戻金の支払いを受けると､その金額分､個別元本が減額修正されます｡

設問の場合、

分配落ち後の基準価額は個別元本を下回っていますので､その差額が元本払戻金となります。よって、

　元本払戻金 = 14,000円(購入価格:個別元本) − 13,800円(分配落ち後の基準価額) = 200円

となります｡

収益分配金の残額が｢普通分配金｣となりますので､

　普通分配金 = 300円(収益分配金) − 200円(元本払戻金) = 100円

となります｡

分配落ち後の個別元本は､元本払戻金を受け取っているため修正され､

　14,000円(個別元本) − 200円(元本払戻金) = 13,800円

となります｡