管理業務主任者の過去問 平成30年度(2018年) 問11
この過去問の解説 (3件)
催告の方法は書面でも口頭でもよく、書面は内容証明郵便に限定されません。
2:不適切です。
遅延損害金の定めがない場合には、民法の法定利率に基づく遅延損害金を請求することができます。
3:適切です。
設問文言のとおりです。
4:不適切です。
滞納している区分所有者が行方不明の場合は、公示送達の方法による訴訟の提起ができます。
民法の時効など滞納に関する規定を知っているかが問われています。
それほど難しい内容ではありませんので,間違えた場合には,テキスト等で確認しましょう。
なお,選択肢1については,2020年4月に民法の大改正が行なわれていますので,出題当時は「中断」でしたが,正しくは「完成猶予」です。
適切ではありません。
現行民法(2020年改正以後)では,そのような規定はありません。
実務上は,内容証明郵便によることが多いですが,普通郵便などの書類でも催告に該当します。
ただ,いつ相手方に到達したか正確な日時を知るために内容証明郵便によることが多いという実情があるだけです。
適切ではありません。
民法419条1項本文では「金銭の給付を目的とする債務の不履行については,その損害賠償の額は,債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。」と規定しています。
なお,同項但書では「約定利率が法定利率を超えるときは,約定利率による。」と規定していますので,合わせておさえておきましょう。
適切です。
破産法では,債務者が破産した場合には,破産開始手続開始の決定がされた後は,破産管財人等が管理及び処分をすることになっています。
先取特権は,民法上,法定担保物権と呼ばれ,法律が規定する担保物権なので,破産手続開始決定に関係なく実行できます。それで,「先取特権の実行を除き」と問題文に書いてあるのです。
しかし,ここまでの知識は難しいですし,覚えなくても他の選択肢が誤っているので,本肢が正解とだけわかれば大丈夫です。
「原則は,破産手続に参加しないと配当を受けられない」と覚えるだけでいいです。
適切ではありません。
相手方が行方不明の場合,民事訴訟法110条ないし113条に規定する「公示送達」という手段によって,滞納している区分所有者に対し,訴えを提起できます。
公示送達とは,裁判所の前にある掲示板に書類(ここでは,訴状)を貼り出す手続です。
原告が裁判所書記官に申立てを行ない,書記官が貼り出す手続をします。
実務に就いた場合に重要な手続ですので,覚えておきましょう。
この問題は、マンションの管理費滞納に関する対策と法的手続きについての知識を問うものです。
具体的には、催告の方法、遅延損害金の請求、破産手続きにおける管理費の回収、および滞納者が行方不明の場合の対応に関する記述が取り上げられています。
不適切
解説:催告は内容証明郵便に限定されません。書面や口頭でも有効ですが、内容証明郵便を使用することで、送付した日付と内容が正式に記録され、法的手続きにおける証拠としての価値が高まります。
不適切
解説:管理規約に遅延損害金の定めがない場合でも、民法に定められた法定利率に基づき遅延損害金を請求することが可能です。
適切
解説:区分所有者が破産手続開始の決定を受けた場合、管理組合は先取特権の実行を除いて破産手続に参加し、滞納管理費の回収を図る必要があります。
不適切
解説:行方不明の区分所有者に対しては、公示送達の手続きを用いて訴訟を提起することが可能です。
マンション管理組合が直面する可能性のある法的な問題に対処するための適切な知識が求められています。
特に、管理費滞納に関連する問題は、マンション管理の運営において頻繁に発生するため、これらの対策に関する知識は重要です。
適切な法的手段を講じることで、滞納問題を効率的に解決し、マンションの健全な管理を維持することができます。
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