管理業務主任者の過去問
平成30年度(2018年)
問10

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問題

管理業務主任者試験 平成30年度(2018年) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

マンションの管理費の滞納等に関して、管理業務主任者(マンション管理適正化法第2条第9号に規定する者をいう。以下同じ。)が管理組合の管理者等に対して行った次のア〜エの説明のうち、誤っているものの組み合わせはどれか。

ア  滞納管理費の額が60万円以下のときは、民事訴訟法に定める「少額訴訟」の手続によらなければなりません。

イ  管理費を滞納している区分所有者が死亡した場合、当該区分所有権を取得する相続人が決定していなくても、すべての相続人に対し、その法定相続分に応じて滞納管理費を請求することができます。

ウ  専有部分の売買契約によって、区分所有権を取得した買主は、売主が滞納していた管理費の支払債務を負いますが、売主の支払債務がなくなるわけではありません。

エ  区分所有者が破産手続開始の決定を受けたときは、当該区分所有者は、破産手続開始決定の日の翌日以降の管理費の支払債務を負わなくてよいことになります。
  • ア・ウ
  • ア・エ
  • イ・ウ
  • イ・エ

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この過去問の解説 (3件)

01

誤っているものの組み合わせは
【2】ア・エ です。

ア:不適切です。
60万円以下の場合は少額訴訟制度が利用できますが、必ずしもそれを利用する必要はありません。

イ:適切です。
該当するすべての相続人に対して、法定相続分の割合に応じた滞納管理費の請求が可能です。

ウ:適切です。
滞納管理費は特定承継人である新たな買主が支払債務を負います。
現実的には難しいと思われますが、売主である前所有者も支払債務を負います。
免除されているわけではありません。

エ:不適切です。
破産に伴う管理費については、免責の決定を受けたときに破産手続開始決定前の管理費の支払債務が免除されます。

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02

少額訴訟の特則を知っているかがポイントです。民事訴訟法,区分所有法,破産法などの条文が問われますが,本試験においては,テキストに載っている範囲で覚えれば十分です。 

選択肢1. ア・ウ

ア・・誤りです。

 民事訴訟法368条1項本文では,「訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の

 支払の請求を目的とする訴えについて,少額訴訟による審判及び裁判を求める

 ことができる。」旨規定しています。

 したがって,少額訴訟は当事者である原告が求めることができる(任意)ので

 あり,必要的に求めなくてはいけないということではありません。 

ウ・・正しいです。

 いわゆる区分所有法(建物の区分所有等に関する法律。以下「区分所有法」

 といいます。)8条では,「債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても

 行うことができる。」と規定しています。

 買主は,特定承継人にあたりますので,売主が滞納していた管理費の支払義務

 を負います。  

選択肢2. ア・エ

ア・・誤りです。

 民事訴訟法368条1項本文では,「訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の

 支払の請求を目的とする訴えについて,少額訴訟による審判及び裁判を求める

 ことができる。」旨規定しています。

 したがって,少額訴訟は当事者である原告が求めることができる(任意)ので

 あり,必要的に求めなくてはいけないということではありません。 

エ・・誤りです。

 免責許可の決定が確定したときは,原則として「破産手続開始の決定前の

 原因に基づく債務(管理費)の支払義務を免れる」ことになります。

 (破産法253条,2条5項)。

 破産手続開始の決定前の原因に基づく債務を免れるに過ぎず,破産手続開始

 の決定日の翌日以降の債務を免れるわけではないので,注意してください。

選択肢3. イ・ウ

イ・・正しいです。

 民法上,相続人は,原則として全ての債権債務を承継しますので,全ての

 相続人が滞納管理費を相続します。

ウ・・正しいです。

 いわゆる区分所有法(建物の区分所有等に関する法律。以下「区分所有法」

 といいます。)8条では,「債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても

 行うことができる。」と規定しています。

 買主は,特定承継人にあたりますので,売主が滞納していた管理費の支払義務

 を負います。 

選択肢4. イ・エ

イ・・正しいです。

 民法上,相続人は,原則として全ての債権債務を承継しますので,全ての

 相続人が滞納管理費を相続します。

エ・・誤りです。

 免責許可の決定が確定したときは,原則として「破産手続開始の決定前の

 原因に基づく債務(管理費)の支払義務を免れる」ことになります。

 (破産法253条,2条5項)。

 破産手続開始の決定前の原因に基づく債務を免れるに過ぎず,破産手続開始

 の決定日の翌日以降の債務を免れるわけではないので,注意してください。

まとめ

選択肢のエが少し難しいかもしれませんが,言い回しがわかりにくいだけです。

落ち着いて問題文を読めば,大丈夫です。もし,本番で選択肢に迷ったら,絶対にこれは違うと思われる選択肢から検討しましょう。

合っていると思われる選択肢を選ぶより,間違っていると思われる選択肢を選ぶ方が正答率が高まる傾向にあるからです。

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03

この問題では、マンションの管理費滞納に関連する管理業務主任者が行う説明の正誤について問われています。

具体的には、少額訴訟の手続き、相続人への滞納管理費請求、専有部分の売買における滞納管理費の支払責任、そして区分所有者の破産手続きにおける管理費の支払責任に関する記述が取り上げられています。

選択肢2. ア・エ

ア 誤り

解説:少額訴訟の手続きは、滞納管理費の額が60万円以下の場合に利用できるものの、必ずしもその手続きを利用しなければならないわけではありません。

イ 正しい

解説:管理費の滞納者が死亡した場合、相続人が特定されていなくても、すべての相続人に対して法定相続分に応じて滞納管理費の請求が可能です。

ウ 正しい

解説:専有部分の売買により区分所有権が移転した場合、新たな買主は滞納していた管理費の支払い義務を負いますが、これにより売主の支払い義務が消滅するわけではありません。

エ 誤り

解説:区分所有者が破産手続開始の決定を受けた場合でも、破産手続開始決定の日の翌日以降の管理費の支払い義務を免れるわけではありません。

免責決定があった場合には、破産手続開始前の管理費の支払い義務が免除される場合があります。

ついては、誤りの選択肢は「ア・エ」となります。

まとめ

マンション管理における法的な側面や責任の理解が問われています。

特に、滞納管理費の請求に関連する法的手続きや相続人への請求、専有部分の売買に伴う責任の移転、そして破産手続きにおける管理費の支払い義務についての知識が必要です。

これらの知識は、マンション管理組合の適切な運営と滞納管理費の回収に関連して重要です。

適切な法的知識を有することは、管理組合や管理業者にとって、円滑な運営と法的トラブルの回避に寄与します。

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