正解は 2 です
呼吸困難とは、”困難”という文字の通り「呼吸が苦しい」という患者本人の主観的症状のことを指します。
その中には、動脈血酸素分圧(PaO2)や経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)などの客観的データは”含まれません”。
反対に、そういった客観的データが出ている状態のことは「呼吸不全」と呼びます。
そのため、今回の選択肢で呼吸困難として該当するのは 選択肢2.息苦しさの自覚 のみです。
呼吸困難と呼吸不全-斎藤 博久 (国立成育医療センター研究所免疫アレルギー研究部)
http://nrichd.ncchd.go.jp/imal/Publication/0605SaitoDyspnea_ShonikaShinryo.pdf
ちなみに呼吸困難の程度は主観的情報のため、看護記録に記載する際には以下のようなスケールを使用します。
【ヒュー・ジョーンズの分類】
Ⅰ度:同年代の健常者とほぼ同様の労作ができ、歩行・階段の昇降も健康者なみにできる
Ⅱ度:同年代の健常者とほぼ同様の労作ができるが、坂・階段の昇降は健康者並にできない
Ⅲ度:平地でさえ健康者なみには歩けないが、自分のペースでなら1.6km以上歩ける
Ⅳ度:休みながらでなければ50m以上歩けない
Ⅴ度:会話や着替えにも息切れがする、息切れのため外出できない
【MRCスケール】
Grade0:息切れを感じない
Grade1:強い労作で息切れを感じる
Grade2:平地を急ぎ足で移動する、または緩やかな坂を歩いて登るときに息切れを感じる
Grade3:息切れがあるせいで同年代の人よりも平坦な道を歩くのが遅い、 または自分のペースで数分間平地歩行したときに息継ぎのために休む
Grade4:息切れがひどくて外出できない、 または衣服の着脱でも息切れがする