中小企業診断士の過去問 平成28年度(2016年) 経営法務 問14
この過去問の解説 (2件)
【正解3】
[1]不適切
注文書に注文が撤回可能である旨の記載がある場合、注文者は注文を撤回することが可能です。
[2]不適切
インターネットショッピングでEC(電子商取引)事業者が顧客からの購買申込みを承諾する通知を電子メールで送信したが、顧客から購買申込みを撤回する電子メールによる通知がされた場合、契約の成否は承諾の通知の発信がなされたとき(顧客がメールを開封することまでは必要ない)とされています。
[3]適切
隔地者に対する契約の申込みは、申込みの発信後その到達前に申込者が死亡した場合でも有効ですが、申込みの相手方が承諾の発信前に申込者の死亡を知った場合には、申込みは効力を失います。
[4]不適切
株式会社の代表者同士の対面交渉において承諾期間を定めずに契約の申込みがされた場合、相手方が直ちに承諾しない場合、申込みは効力を失います。
契約の成立に関する問題です。
注文書に注文は撤回可能である旨の記載がある場合、注文者は注文を撤回することができます。
説明するまでもないことですが、あえて回りくどく説明すると次のようになります。
注文書に注文は撤回可能である旨の記載があるということは、受注側が注文を撤回することを受容しているということです。注文者が注文を撤回することができないのであれば、わざわざ受注側が注文書に注文が撤回可能であると記載することの意味がありません。
意思表示は「到達主義」を原則としており、契約の成否は承諾の通知の到達と申込撤回の通知の到達の先後により決せられます。
正解の選択肢となります。
株式会社の代表者同士ですので、この両者は商人であると判断できます。
また、書面ではなく、対面交渉であるという点もポイントです。
商人同士が対面交渉において契約の申込みを行った場合、相手方が直ちに承諾しなかった時は申込みの効力は失われます。
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