第二種衛生管理者の過去問
平成29年10月公表
労働生理 問25

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問題

第二種 衛生管理者試験 平成29年10月公表 労働生理 問25 (訂正依頼・報告はこちら)

体温調節に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 体温調節中枢は、小脳にあり、産熱と放熱とのバランスを維持し体温を一定に保つよう機能している。
  • 体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みを同調性といい、筋肉と神経系により調整されている。
  • 寒冷にさらされ体温が正常より低くなると、皮膚の血管が拡張して血流量を増し、皮膚温を上昇させる。
  • 計算上、体重70kgの人の体表面から10gの汗が蒸発すると、体温が約1℃下がる。
  • 発汗のほかに皮膚及び呼気から水分が失われる現象を不感蒸泄という。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解 5

1 体温の調節中枢は、視床下部にあります。小脳(運動調整機能があります)ではありません。誤りになります。

2 この記述は、ホメオスタシス(生体恒常性)のことを述べています。誤りになります。

3 皮膚センサーが働き低温になりますと、皮膚の血管を収縮させるよう命令します。本記述は誤りになります。

4 体重70㎏のひとの体表面から100gの汗が蒸発するとなります。10gではありません。よって、本肢は誤りになります。

5 不感蒸泄の定義ですね。因みに、1日約850gの水分が蒸発するとのことです。本肢が正しいです。

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02

正しいものは5です。
文のとおりです。

他の選択肢については以下のとおりです。
1.文中の「小脳」が誤りで、正しくは「視床下部」です。

2.文中の「同調性」が誤りで、正しくは「恒常性」です。

3.寒冷にさらされ体温が正常より低くなると、皮膚の血管が「収縮」して、熱放散をしないように働き、身体内部の状態を一定に保つようになります。よって、本文は誤りです。

4.水の気化熱は1ml(=1g)で約0.58kcalです。1℃下げるのに相当する熱量は約58kcalです。これは計算上、体重70kgの人の体表面から100gの汗が蒸発した場合と一致します。10gではなく、100gですから本文は誤りです。

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03

正解5

1.×
体温調節中枢は間脳の視床下部にあります。

2 .×
誤りです。体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みのことを恒常性といいます。これは自律神経系と内分泌系により調整されています。

3.×
誤りです。寒冷な環境では皮膚の血管は収縮し、血液量は減少して皮膚温は低下します。

4.×
計算上、体重70kgの人の体表面から100gの汗が蒸発すると、気化熱が奪われて体温が1度下がります。

【詳しい解説】水(汗)が100g蒸発するときの気化熱は約58kcalです。一方、人の比熱(1kgの人の体温を1度変化させるのに必要な熱量)は0.83kcalです。

70kgの人の場合、体温を1度変化させるには0.83×70 = 58.1kcal が必要になります。
これは水が100g蒸発するときの気化熱の値とほぼ同じになります。

以上から、理論上は体重70kgの人から100gの汗が蒸発すると体温が1度下がることになります。

5.◯
正しい記載です。人間は発汗のほかに、常時、呼気や皮膚表面からも水分を蒸発させており、この蒸発のことを不感蒸泄といいます。

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