行政書士の過去問
令和2年度
一般知識等 問47

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

行政書士試験 令和2年度 一般知識等 問47 (訂正依頼・報告はこちら)

普通選挙に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
  • アメリカでは、女性参政権に反対した南軍が南北戦争で敗れたため、19世紀末には男女普通選挙が実現した。
  • ドイツでは、帝政時代には男子についても普通選挙が認められていなかったが、ワイマール共和国になって男女普通選挙が実現した。
  • 日本では、第一次世界大戦後に男子普通選挙となったが、男女普通選挙の実現は第二次世界大戦後である。
  • スイスでは、男子国民皆兵制と直接民主主義の伝統があり、現在まで女子普通選挙は行われていない。
  • イギリスでは、三次にわたる選挙法改正が行われ、19世紀末には男女普通選挙が実現していた。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解 3

1.妥当でない
 アメリカで男女普通選挙が実現したのは、1920年の20世紀です。


2.妥当でない
 ドイツの帝政時代、男子には普通選挙が認められていました。
 その後のワイマール共和国になってからは男女普通選挙が実現しました。


3.妥当
 日本で男子普通選挙が始まったのは、1925年ですので、第一次世界大戦後です。
 また、男女普通選挙が実現したのは、1945年ですので、第二次世界大戦後です。


4.妥当でない
 スイスでは、1991年から全土で女性参政権が認められていますので、現在では女子普通選挙が行われています。


5.妥当でない
 イギリスでは選挙法改正が5次にわたって行われています。
 また、1928年に男女普通選挙が実現していますので、20世紀初めです。

参考になった数14

02

答え…3

1. 妥当でない
【アメリカ】
1920年…男女普通選挙が実現しました。


2. 妥当でない
【ドイツ】
・帝政時代…男子については普通選挙が認められていました。
・ワイマール共和国時代…男女普通選挙が実現しました。


3. 妥当
その通りです。
【日本】
1925年…普通選挙法が成立しました。
(納税要件が撤廃され、満25歳以上のすべての男子に選挙権が認められました。)
1945年…女性参政権が認められました。


4. 妥当でない
【スイス】
1971年…連邦レベルで、女性の参政権が認められました。
1990年…州レベルで、女性参政権が認められました。


5. 妥当でない
【イギリス】
1928年…男女普通選挙が実現しました。

参考になった数5

03

この問題のポイントは、普通選挙の歴史です。

まず、普通選挙とは、その国の国籍を持っている成人であれば、選挙権を行使できる選挙形式です。

次は日本の普通選挙の歴史についてです。

日本の普通選挙の始まりは1889年、大日本帝国憲法と衆議院議員選挙法の公布の年で、直接国税15円以上納めてる25歳以上の男子に選挙権が与えられました。

その後1900年に直接国税10円以上に、1919年に直接国税3円以上に緩和され、1925年に第2次護憲運動が起こり、25歳以上の男子全員に選挙権が与えられました。

そして、第2次世界大戦後の1945年、選挙法の改正により、20歳以上の男女に選挙権があたえられました。

現在は、2016年の公職選挙法の改正により、年齢が20歳から18歳に変わりました。

最後は世界の普通選挙の歴史についてです。

普通選挙は1972年、フランスで男子普通選挙が実施されました。

世界で初めて女子に選挙権が与えられたのは、1928年イギリスで、21歳の女子ですが、移住地以外に財産を保有する者は複数選挙権を得る制度なので、平等選挙ではなかったです。

第2次世界大戦後、1945年、フランスで21歳の女子に選挙権が与えられ、1948年にはイギリスで移住地以外に財産を保有する者は複数選挙権を得る制度が廃止され、完全な普通選挙権制度が成立します。

以上の点をおさえて、解説をみていきましょう。

選択肢1. アメリカでは、女性参政権に反対した南軍が南北戦争で敗れたため、19世紀末には男女普通選挙が実現した。

アメリカで男女普通選挙が実現したのは、1920年(20世紀)です。

よって、アメリカでは20世紀初頭に男女普通選挙が実現したとなります。

選択肢2. ドイツでは、帝政時代には男子についても普通選挙が認められていなかったが、ワイマール共和国になって男女普通選挙が実現した。

ドイツでは帝政時代に男子の普通選挙が認められ、ワイマール共和国になって男女普通選挙が実現しました。

よって、ドイツでは、帝政時代には男子についても普通選挙が認められ、ワイマール共和国になって男女普通選挙が実現したとなります。

選択肢3. 日本では、第一次世界大戦後に男子普通選挙となったが、男女普通選挙の実現は第二次世界大戦後である。

日本で男子普通選挙が認められたのは1925年で、第一次世界大戦が終わったのは1918年です。

よって、日本では、第一次世界大戦後に男子普通選挙となったが、男女普通選挙の実現は第二次世界大戦後であるとなります。

選択肢4. スイスでは、男子国民皆兵制と直接民主主義の伝統があり、現在まで女子普通選挙は行われていない。

スイスでは、1991年にスイス全土で女性参政権が認められました。

よって、スイスでは、男子国民皆兵制と直接民主主義の伝統があり、現在では女子普通選挙は行われているとなります。

選択肢5. イギリスでは、三次にわたる選挙法改正が行われ、19世紀末には男女普通選挙が実現していた。

まずイギリスで、男女普通選挙が認められたのは、1928年です。

次にイギリスでは選挙法改正が行われたのは5回です。

よって、イギリスでは、五次にわたる選挙法改正が行われ、20世紀初頭には男女普通選挙が実現していたとなります。

まとめ

この問題で出てくる普通選挙や選挙の歴史は行政書士試験に問われることがよくあります。

また、選挙の形式も良く出てくるので、普通選挙とは何か、それ以外の選挙の形式をおさえることは勿論、普通選挙の歴史についても復習しましょう。

参考になった数2