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精神保健福祉士の過去問 第19回(平成28年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問52

問題

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次の事例を読んで、問いに答えなさい。

〔事 例〕
Lさん(62歳、男性)は幼い頃に両親を亡くし、20歳代前半で統合失調症を発症した。精神科病院の入院を何度か経てQ市のY救護施設に入所してから、既に20年が経過している。Lさんは目立った症状もなく、施設の日課に沿って生活し、料理プログラムでは手際の良さを見せた。一方、プログラムとして食材の購入に出かけた際に、購入リストにある食材が見つからなくても店員に尋ねることができないことが目立った。また、プログラム以外では自室で好きな音楽を聴いて過ごすことが多く、他の利用者との交流はほとんどなかった。Y救護施設のM生活指導員(精神保健福祉士)は、Lさんには地域で暮らす力があると思い、面接を重ねた。そして、Lさんが面接に慣れてきた時点で、今後の希望や地域で暮らすことについて投げかけてみた。しかし、Lさんは、「施設を出て生活するなんて考えたこともない」「外の人はみんな冷たい」「特にしたいこともない」と言うばかりだった。
(※1)

ある日、M生活指導員は、長期入院を経てアパートで暮らすピアサポーターを施設に招き入所者との懇談会を開催した。懇談会に参加したLさんは、ピアサポーターの話を真剣な面持ちで聞き入っていた。
(※2)

その後、Lさんは漠然と地域で暮らしたいと思うようになり、面接でその思いを表現するようになった。そこで、M生活指導員はLさんの思いを実現するために、Y救護施設が確保したアパートの空き室での宿泊体験を提案した。宿泊体験の結果、Lさんは買物やゴミ出しがうまくできないこと、お金を計画的に使うのが難しいこと、日常の小さな困りごとを相談できる人がそばにいないと不安を感じることが分かった。M生活指導員は、Lさんが施設を退所し、地域での生活に必要な支援体制を整えるべく、関係者に呼びかけてケア会議を開催した。
(※3)


(※1)の時点のM生活指導員のLさんに対する働きかけとして、適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
「一人で自炊ができるよう、プログラムの回数を増やしてみませんか」
   2 .
「周りの人の目は気にしないで、もっと一人で外に出かけると良いですよ」
   3 .
「Lさんの好きな歌手のコンサートがあるので、一緒に行きませんか」
   4 .
「人とうまく会話できるよう、SSTで練習しましょう」
   5 .
「グループホームの利用に向けて、具体的な計画を立ててみませんか」
( 第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問52 )
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この過去問の解説 (3件)

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×1 .料理プログラムでは手際が良いが、反面買い物時コミュニケーションが取れないことを考えると、ただ料理のプログラムの回数を増やしても問題が解決しそうもありません。 

×2 . 本人は外に出て特にしたいことがあるわけでもないし、生活状態が固定しているので、このような声掛けがあれば外に出かけるようになるとは思われません。

○3 . Lさんは音楽好きで、普段やりたいことがないというLさんを誘って外に出る機会を作るのにはよいきっかけと思われます。

×4 .人とのかかわりが苦手なLさんであるが、現在、本人のニーズがあるわけではなくので、SST(社会生活技能訓練)を提案しても、あまり乗り気になるとも思えないです。 

×5 .本人に施設を出たいという希望があるわけではなく、施設で現在生活することが出来ているので、グループホームを勧める段階ではないです。

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正解は3です。

1.「施設を出て生活するなんて考えたこともない」というLさんに、「自炊ができるように」と働きかけを行うことは適切ではありません。

2.「外の人はみんな冷たい」「特にしたいこともない」と感じているLさんが一人で外に出かけることはハードルが高いと思われ、適切な働きかけとはいえません。

3.自室で好きな音楽を聴いていることに着目し、一緒にコンサートに誘うことは、外の生活に興味をもつきっかけにもなり、一人ではないという安心感も与えるため、適切な働きかけといえます。

4.外で「特にしたいこともない」というLさんにとっては、会話の練習をすることはあまり興味を示さないと思われるため、適切な働きかけとはいえません。

5.Lさんは地域で暮らす力があると思われるため、この時点でグループホームに向けた計画を立てることは適切な働きかけとはいえません。

3

本設問は、施設に長期間入所しているLさんが、地域生活に戻る事が出来るよう支援する方法について問う問題となっています。

選択肢1. 「一人で自炊ができるよう、プログラムの回数を増やしてみませんか」

不適切です。Lさんは一人暮らしをすることに対して意欲的であるわけではなく、一人で自炊できるようになりたいという希望を持っている訳でもありません。プログラムの回数を増やす事は現時点で働きかける内容ではないと考えられます。

選択肢2. 「周りの人の目は気にしないで、もっと一人で外に出かけると良いですよ」

不適切です。外の人が怖いと感じているLさんに対して一人で出かける事を勧めるのは、Lさんにとってはハードルが高く実践は難しいと考えられます。また、Lさんは外に出掛けたいのに出掛けられないという訳ではありませんので、この働きかけは適切とは言えません。

選択肢3. 「Lさんの好きな歌手のコンサートがあるので、一緒に行きませんか」

適切な内容です。Lさんはプログラム以外では自室で音楽を聴いている事が多いと事例内に書かれています。Lさんが好きな歌手のコンサートに誘う事で、外に出るきっかけを作れる可能性が高いと考えられます。また、知っている人と一緒に外に出る事で安心感を得る事にも繋がります。

選択肢4. 「人とうまく会話できるよう、SSTで練習しましょう」

不適切です。Lさんは興味を持っている事が無く、誰かと関わりを持ちたいという希望を持っている情報も見られません。SSTでの練習に誘っても興味を持ってもらえる可能性は低いと考えられます。

選択肢5. 「グループホームの利用に向けて、具体的な計画を立ててみませんか」

不適切です。Lさんは現在の施設から出て生活する事を希望しておらず、グループホームの利用を希望している言葉も聞かれていません。グループホームの利用に向けての計画を立てる事は適切な支援内容とは言えません。

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