精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問27
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問題
第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問27 (訂正依頼・報告はこちら)
精神保健福祉士が行うノーマライゼーションの理念に即した活動に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
- グループホームで生活する精神障害者が町内会のイベントに参加し運営を担えるよう、コーディネートを行った。
- 日常生活場面での会話を苦手としている精神障害者に社会生活技能訓練(SST)を行い、コミュニケーション能力の改善を図った。
- 雇用契約時に提示された勤務時間が守られていない事業所に対し、被雇用者である精神障害者の代わりに苦情を申し出た。
- 民生委員からの情報提供を受け、精神科病院への受診に結びついていないと考えられる精神障害者宅を訪問した。
- 金銭管理に不安のある判断能力が不十分な精神障害者に対し、日常生活自立支援事業の活用を勧めた。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.グループホームで生活する精神障害者が、障害をもたない人たちと同じように、町内会のイベントに参加し、運営を担えるようにコーディネートを行うことは、ノーマライゼーションの理念に即した活動といえます。
2.精神障害者にSSTを行うことは、治療や訓練といえるため、ノーマライゼーションの理念に即した活動とはいえません。
3.雇用契約に対する苦情を障害者の代わりに申し出ることは、権利擁護であり、ノーマライゼーションの理念に即した活動とはいえません。
4.精神科病院への受診に結びついていないと考えられる精神障害者宅を訪問することは、アウトリーチであり、ノーマライゼーションの理念に即した活動とはいえません。
5.日常生活自立支援事業の活用を勧めることは、福祉サービスの活用であり、ノーマライゼーションの理念に即した活動とはいえません。
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02
そこで・・・
〇1 .精神障害がある人が、住み慣れた地域で障がいのない人と同様の活動に参加していくのは、ノーマライゼーションの考え方に即しています。
× 2 .社会生活技能訓練(SST)は有効な支援法ですが、障害者に行動変容の機会を与えるということで、ノーマライゼーションに直接寄与している1の選択肢の方が直接的で適しています。
× 3 .発言力や機会の乏しい障害者が不利益を被ることに対して、「代弁」という機能により、障害者の権利擁護に関する内容です。
× 4. 精神保健福祉士等が訪問(アウトリーチ)し、受診の機会を与える機能です。 .
× 5 .都道府県社会福祉協議会(指定都市も含む)を実施主体とする日常生活自立支援事業です。対象者本人を主体とするもので、社会に対するノーマライゼーションとはまた別のものです。
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03
「グループホームで生活する精神障害者が町内会のイベントに参加し運営を担えるよう、コーディネートを行った。」
(説明)ノーマライゼーションは、「障害のある人もない人も、互いに支え合い、地域で生き生きと明るく豊かに暮らしていける社会を目指す(厚生労働省)」理念です。精神障害者が地域のイベントに参加するための支援はノーマライゼーションの理念に促していると言えます。
※厚生労働省「障害者の自立と社会参加を目指して」でノーマライゼーションについての説明があります。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/idea01/index.html
※精神保健福祉士が行うノーマライゼーションの理念に即した活動についての問題です。以下に、不適切だったものの解説を行います。
2 . 不正解です。
「日常生活場面での会話を苦手としている精神障害者に社会生活技能訓練(SST)を行い、コミュニケーション能力の改善を図った。」
(説明)社会生活技能訓練は認知行動療法に基づいたリハビリテーション技法であり、治療の一種です。本人が解決能力を身につけて行くことを支援するものなので、ノーマライゼーションとは異なります。
3 . 不正解です。
「雇用契約時に提示された勤務時間が守られていない事業所に対し、被雇用者である精神障害者の代わりに苦情を申し出た。」
(説明)本案件のような”精神保健福祉士が、精神障害者のような社会的立場の弱い者の代わりに、その権利を守り、要望などを代弁する機能”をアドボカシー(権利擁護)と言います。
4 . 不正解です。
「民生委員からの情報提供を受け、精神科病院への受診に結びついていないと考えられる精神障害者宅を訪問した。」
(説明)行政や病院等精神保健福祉士の所属機関から地域へ出向き支援することをアウトリーチと言います。民生委員の相談内容は医療受診に関してのようですので、地域生活支援の理念であるノーマライゼーションに即してるとは言い難いです。
5 .不正解です。
「金銭管理に不安のある判断能力が不十分な精神障害者に対し、日常生活自立支援事業の活用を勧めた。」
(説明)日常生活自立支援事業は、平成19年度に事業名称が変更される以前は「地域福祉権利擁護事業」と言っていました。地域生活を送る上で、障害者の権利を守る意図がある事業です。
日常生活自立支援事業(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/chiiki-fukusi-yougo/index.html
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