精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問57
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問題
第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問57 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問いに答えなさい。
〔事 例〕
A精神保健福祉士がキャンパスソーシャルワーカーとして勤務するZ大学の地域で、震度6強の地震が発生した。Z大学の構内には大きな被害がなく、地震発生当日から出勤可能な教職員による建造物の確認や、学生への連絡が始まった。A精神保健福祉士も出勤可能であったため、日頃から相談を受けていた学生たちに連絡を取った。
(※1)
地震発生後1週間で大学は再開し、A精神保健福祉士の所属する学生支援センターでは、学生の長期的支援の必要性からメンタルサポートチームを立ち上げた。チームはA精神保健福祉士に加え、大学に籍を置く医師(精神科医)、保健師、臨床心理士がメンバーとなり、活動を開始した。
(※2)
その後、A精神保健福祉士は、地震前から欠席が多く、これまで支援してきたBさん(19歳、男性)に連絡を取った。今回の地震によりBさんと両親の住む自宅は半壊し、避難所に家族と一緒に身を寄せていた。面談はBさんと母親の希望もあり、避難所の空きスペースを使い、両親同席のもと行われた。Bさんはやや疲れた様子であったが、現状を丁寧に話した。面談の中で、父親が被災前からうつ病を患っていたことが分かった。父親は職場の上司によるパワーハラスメントから病気を発症し、入院、休職した。退院後は通院し、服薬を継続していた。ところが今回の地震により、通院先だけでなく近隣の病院も被災し、医療が受けられず、薬が手に入らない状況である。Bさんと母親は、最近眠れずに表情も乏しい父親を心配していた。父親は、「もうだめだ」「何も考えられない」とA精神保健福祉士に言った。
(※3)
(※3)の時点のA精神保健福祉士による対応として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
A精神保健福祉士がキャンパスソーシャルワーカーとして勤務するZ大学の地域で、震度6強の地震が発生した。Z大学の構内には大きな被害がなく、地震発生当日から出勤可能な教職員による建造物の確認や、学生への連絡が始まった。A精神保健福祉士も出勤可能であったため、日頃から相談を受けていた学生たちに連絡を取った。
(※1)
地震発生後1週間で大学は再開し、A精神保健福祉士の所属する学生支援センターでは、学生の長期的支援の必要性からメンタルサポートチームを立ち上げた。チームはA精神保健福祉士に加え、大学に籍を置く医師(精神科医)、保健師、臨床心理士がメンバーとなり、活動を開始した。
(※2)
その後、A精神保健福祉士は、地震前から欠席が多く、これまで支援してきたBさん(19歳、男性)に連絡を取った。今回の地震によりBさんと両親の住む自宅は半壊し、避難所に家族と一緒に身を寄せていた。面談はBさんと母親の希望もあり、避難所の空きスペースを使い、両親同席のもと行われた。Bさんはやや疲れた様子であったが、現状を丁寧に話した。面談の中で、父親が被災前からうつ病を患っていたことが分かった。父親は職場の上司によるパワーハラスメントから病気を発症し、入院、休職した。退院後は通院し、服薬を継続していた。ところが今回の地震により、通院先だけでなく近隣の病院も被災し、医療が受けられず、薬が手に入らない状況である。Bさんと母親は、最近眠れずに表情も乏しい父親を心配していた。父親は、「もうだめだ」「何も考えられない」とA精神保健福祉士に言った。
(※3)
(※3)の時点のA精神保健福祉士による対応として、適切なものを1つ選びなさい。
- 父親に大学へ相談に来るよう伝える。
- 避難所を担当している災害派遣精神医療チーム(DPAT)につなげる。
- 父親に労災認定請求の方法を教える。
- 家族全員で自宅に戻るよう促す。
- 避難所でBさんと母親に家族心理教育を行う。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.A精神保健福祉士はキャンパスソーシャルワーカーです。大学に相談に来るように伝えることは、大学の機能としてもA精神保健福祉士の役割としても適切とはいえません。
2.被災している事例の状況において、避難所を担当している災害派遣精神医療チームにつなげることは適切な対応です。
3.職場のパワハラから病気を発症したとはいえ、事例から労災認定請求の必要性が読み取れないため、適切な対応とはいえません。
4.自宅が半壊しているため、自宅に戻るように促すことは適切ではありません。
5.他の人も多数避難している避難所で家族心理教育を行うことは適切ではありません。
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02
○2 . 必要な精神医療を受けられない状態なので、避難所を担当している災害派遣精神医療チーム(DPAT)につなげることは有効です。
×3 .A福祉士は、大学の職員であるので、父親への労災関連までの助言は不適切です。
×4 .半壊の自宅に戻るように促すのは、危険です。
×5 .精神疾患の人の家族に、精神疾患の理解や接し方を教える家族心理教育です。現在は、通院、服薬が出来ないことが至急の問題であるので、不適切です。
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03
本設問は、キャンパスソーシャルワーカーやDPATの役割、現在クライエントが置かれている状況から必要な支援内容を読み取り解答する必要があります。
不適切です。A精神保健福祉士はキャンパスソーシャルワーカーであり、学生であるBさんの支援を担当します。父親を学校に呼び支援する役割までは担っていません。
適切な内容です。DPATは自然災害や列車事故等の集団災害などで発生する、災害ストレス等への対応やその他の精神保健医療ニーズに対応する事を目的に派遣されます。現在避難所で生活しているBさんの父親の精神面のケアが必要と考えられますので、避難所担当のDPATに繋げる事は適切な支援内容と言えます。
不適切です。労災認定の申請についての相談を希望している様子は見られていません。
不適切です。Bさん宅は地震により半壊しており、生活拠点を自宅に戻す事は危険です。
不適切です。家族心理教育は疾病に対する知識などを身につけてもらい、その疾病に対する理解を促したり、再入院を防ぐために実施される物です。家族に対して家族心理教育を実施するより、Bさんの父親の病状が落ち着くよう支援する事が先決と考えられます。
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