産業廃棄物の処理について
医療業界では様々な廃棄物が発生します。点滴のアンプルやガーゼ、インスリンの注射に用いる針や血糖測定の際のチップなど、これらの廃棄物の分類と処理について、ここではまとめておきましょう。
- 更新日:2018年02月21日
廃棄物の種類
大きく分けて、一般家庭から出る廃棄物、事業者による事業活動から出る廃棄物の2つに分類されます。
- 一般廃棄物
- 産業廃棄物
「一般廃棄物」は一般家庭から出る廃棄物であり、「産業廃棄物」は事業活動により出る廃棄物です。
さらに詳しい分類を以下で解説します。
一般廃棄物とは
一般廃棄物は一般家庭から出た廃棄物です。
処理の責任者は各市町村
とされています。
一般廃棄物は家庭から出た廃棄物だけに限りません。さらに以下に分類されます。
- 事業系一般廃棄物
- 家庭廃棄物
- 特別管理一般廃棄物
事業系一般廃棄物とは
事業活動により生じた廃棄物のうち、産業廃棄物に指定されている品目以外に生じた廃棄物。
産業廃棄物に関しては後述しますが、事業所から生じた廃棄物のすべてが産業廃棄物なるわけではありません。
一般の会社から生じた廃棄物すべてが産業廃棄物となってしまっては、ゴミであふれてしまいますので、一般廃棄物として扱われるものもあることを覚えておきましょう。
家庭廃棄物とは
家庭から生じた廃棄物全般を示します。私たちが一般に捨てているゴミだと思ってください。
特別管理一般廃棄物とは
一般廃棄物のうち、爆発性・毒性・感染性など、人の健康または生活環境を害するおそれのある廃棄物のことを示します。
例えば 血液の付着したガーゼ、脱脂綿などがあげられます。
産業廃棄物とは
産業廃棄物とは事業者による事業活動から出る廃棄物のうち、金属くず、ガラスくず、ゴムくず、汚泥などの廃棄物処理法に指定されている20品目をいいます。
事業者から出た廃棄物すべてが産業廃棄物なのではなく、指定された20品目であることを覚えておきましょう。
処理の責任者は事業者
とされています。
産業廃棄物にはさらに分類されているものがあります。
特別管理産業廃棄物とは
産業廃棄物のうち、爆発性・毒性・感染性など、人の健康または生活環境を害するおそれがあって、特別な管理が必要な廃棄物のことを示します。
産業廃棄物20品目のうち、特に注意が必要な廃棄物ということになります。
例えば、アンプル、使用済みの注射針、手術使用の手袋などとなります。
医療用廃棄物と感染性廃棄物
産業廃棄物と類似した用語として、医療用廃棄物と感染性廃棄物があります。それぞれ似ていますが違います。
医療用廃棄物とは、医療機関において医療行為によって生じた廃棄物のことです。
医療機関とは、病院・薬局・診療所・研究施設・家畜動物病院などを示します。
医療用廃棄物は、医療機関が自己責任で廃棄することが義務づけられています。
医療用廃棄物は、以下の2種に分類されます。
- 産業廃棄物
- 特別管理産業廃棄物
感染性廃棄物は、医療用廃棄物のうち人体に感染の可能性のある廃棄物とされます。
形状や状態によっては感染性廃棄物とはされません。
例えば 血液の付着したガーゼ(滅菌済)ならば感染性廃棄物ではなく非感染性廃棄物となります。
この場合のガーゼは産業廃棄物や特別管理産業廃棄物には分類されませんが、医療行為によって生じた廃棄物である医療用廃棄物であるため、医療機関の管理のもと廃棄される必要があります。

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