第一種衛生管理者の過去問
令和4年10月公表
労働生理 問3
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問題
第一種 衛生管理者試験 令和4年10月公表 労働生理 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
体温調節に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 体温調節中枢は、脳幹の延髄にある。
- 暑熱な環境においては、内臓の血流量が増加し体内の代謝活動が亢(こう)進することにより、人体からの熱の放散が促進される。
- 体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みを同調性といい、筋肉と神経系により調整されている。
- 計算上、体重70kgの人の体表面から10gの汗が蒸発すると、体温が約1℃下がる。
- 発汗のほかに、皮膚及び呼気から水分を蒸発させている現象を不感蒸泄(せつ)という。
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この過去問の解説 (3件)
01
人体の体温調節の仕組みに関する問題です。
体温調節中枢があるのは、間脳の視床下部です。
よって、誤った選択肢です。
暑熱な環境においては、人体からの熱の放散を促進して体温を下げる必要があります。
そのため、内臓の血流量が減少し体内の代謝活動を抑制します。
よって、誤った選択肢です。
体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みは、恒常性といいます。
よって、誤った選択肢です。
計算上、体重70kgの人の体温を約1℃下げるには、体表面から100gの水分の蒸発が必要です。
よって、誤った選択肢です。
説明文の通りです。
正しい選択肢です。
労働生理は全般的に出題パターンがある程度決まっています。
過去問をしっかりとやり込むことが一番の対策です。
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02
体温調節は難しい言葉が出ますが、体がやっているのは熱の発生と放散の調整です。
それは暑いとき、寒いときに異なる調整方法を取りますが、全体的に何をしているか理解できれば、ほぼ解答が可能です。
× 体温を調整する中枢は、脳幹の延髄ではなく、間脳の視床下部にあります。
× 暑熱な環境においてではなく、寒冷環境では、内臓の血流量が増加し体内の代謝活動が亢(こう)進することにより、人体からの熱の放散を押さえます。
暑熱な環境では、血流量が低下して体内の代謝活動を抑制し、体から熱がつくられないように抑制します。
× 体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みを、同調性ではなく恒常性といい、筋肉と神経系により調整されています。
× 計算上、体重70kgの人の体表面から10gではなく100gの汗が蒸発すると、気化熱が奪われ、体温が約1℃下がります。
〇 正しいです。
不感蒸泄の量は、安静している成人で、約900 mlです。
それに対して、目に見える汗は有感蒸泄です。
<参考>
➀ 体温が上がるわけ
・食事などで取った栄養素が酸化燃焼や分解することで熱が発生します。
・ふく射・蒸発・伝導などの過程で放熱が起こります。
② 体温調整
・体が低温状態になって体温が正常値以下になると、皮膚の血管を収縮させることで血の流れを押さえ、対外放散熱量を減らして体内代謝を上げます。
・体温が高温の環境に置かれたり、労働や運動で体温が異常に上がると、皮膚の血管を拡張させ、血量を増やして発汗させて熱の放射量を増加させます。要は、体内の代謝活動を押さえて熱の発生を減らします。
③ 汗をかくこと
・温熱発汗は体熱を放散させ、精神的な発汗は精神的な緊張など起こり、労働をしているとこの両方が出てきます。
・温熱発汗は手のひらや足底以外の全身に現れ、特に顔面・頸部が多いです。
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03
労働生理、体温調節に関する問題です。
体温調節は熱中症などとも関連する重要な項目です。
誤りです。
×脳幹の延髄→〇間脳の視床下部
体温調節中枢は、間脳の視床下部にあります。
誤りです。
×暑熱な環境→〇寒冷な環境
暑熱環境などで体温が上昇しすぎる時には、発汗量を増やすことにより熱の放散を促進します。
気温が低いなど寒冷な環境にある時には、設問文のように体内の代謝活動を亢進して熱を産生します。
誤りです。
×同調性→〇恒常性
体温を一定に保とうとする生体の仕組みは「恒常性(ホメオスタシス)」と言います。
誤りです。
×10g→100g
体重70kgの人が約100gの汗が蒸発すると、体温を1℃下げることが出来ます。
設問の通りです。
人は、発汗や排泄以外に呼気や皮膚表面から水分を蒸発させています。
これを不感蒸泄と言います。
発汗や排泄は自分で感じることが出来ますが、普段生活をしている中で自分の吐いた息(呼気)や皮膚表面からどのくらい水分が出ているかを感じることは難しいですよね。
「不感」蒸泄とはこのことを言います。
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