あん摩マッサージ指圧師の過去問 第29回(2021年) 午前 問30
この過去問の解説 (3件)
椎体路は骨格筋に運動命令を伝える下行性伝導路の事です。
1 .大脳皮質運動野は、椎体路の起点であり、正答となります。
2 .大脳基底核は、運動の調節を主る赤核などがあり椎体外路となります。
3 .小脳は、身体の平衡や姿勢の保持など運動の調節に関与しており、椎体外路となります。
4 .網様体は、網様体脊髄路という姿勢などの調節に関与する錐体外路となります。
正解は1です。
「錐体路」とは、神経の通る道のうち随意運動神経が通る道です。
錐体路は大脳皮質運動野の神経繊維が集まったもので、皮質脊髄路と皮質核路などを含んで「錐体路系」と呼ばれます。
「錐体外路」は、錐体路系以外の随意運動神経が通る道の総称です。大脳基底核、小脳、視床下部などがこれにあたります。
1、大脳皮質運動野
上記により、これが正解です。
2、大脳基底核は、体の動きをスムーズに動かすための調整をする機能を持った錐体外路にあたります。
3、小脳は、平衡感覚や筋肉運動の調節をする機能を持った錐体外路にあたります。
4、網様体には呼吸や血圧を調整するための中枢が存在し、意識の維持に関わる神経細胞です。
錐体路・錐体外路のどちらにも当てはまりません。
また、網様体脊髄路は錐体外路にあたり、姿勢や歩行の動作を調節します。この起始部分は網様体に存在します。
錐体路の経路は、
先ず、
大脳皮質の運動野から、
内包の後脚を通り、
中脳の大脳脚を通って、
橋縦束を通ります。
次に、
延髄の錐体に入りますが、
この延髄下方で、
大部分の線維が反対側へ交叉します。
その後、
脊髄の側索を下行して行き、
脊髄の前角細胞で、
はじめてニューロンを交代して、
目的の筋肉へ辿り着きます。
重要なポイントとして、
延髄下方で、大部分の線維が交叉することと、
大脳皮質から、目的の筋肉まで、
ニューロンを一回しか交代しないという点を
しっかり覚えておきましょう。
解説が空白の場合は、広告ブロック機能を無効にしてください。
また、広告右上の×ボタンを押すと広告の設定が変更できます。