問題
強化すべき筋として最も適切なのはどれか。
「マクマレーとラックマンが陰性」ということから、半月板損傷や、前十字靭帯損傷などの外傷が除外でき、
「手指の関節腫脹や朝のこわばりはない」ということから、関節リウマチも否定できます。
「60歳女性」「階段昇降で痛みが増悪」「正座が困難」という事から、変形性膝関節症を疑えます。
膝の疾患の強化筋としては、大腿四頭筋となります。
マクマレーテスト・ラックマンテストが陰性であることから半月板損傷と前十字靭帯損傷は認められないことが考えられます。また、60歳女性、階段昇降時に膝の痛み、正座が困難であることから変形性膝関節症が疑われます。
前脛骨筋は、脛骨上方外側面から起始し、内側楔状骨、第1中足骨底に停止する筋肉で、足関節を背屈運動に関与します。
腓腹筋とヒラメ筋で構成されます。腓腹筋は、大腿骨内側・外側上果から起始します。ヒラメ筋は、脛骨と腓骨後面上部から起始します。腓腹筋とヒラメ筋はアキレス腱を介して踵骨隆起に停止します。腓腹筋は足関節の背屈や膝関節の屈曲、ヒラメ筋は足関節の屈曲に関与しています。
大腿四頭筋は、大腿直筋、内側広筋、中間広筋、外側広筋で構成されます。
大腿直筋は下前腸骨棘、内側広筋は粗線内側唇、中間広筋は大腿骨前面、外側広筋は粗線外側唇から起始します。4つの筋は膝蓋骨から膝蓋靱帯を経て、脛骨粗面で停止します。
大腿四頭筋は膝関節の安定性に関与する筋肉であるため、この筋を強化することにより、膝関節の負担が軽減されます。なので、これが正解であると考えられます。
大腿二頭筋は、長頭と短頭にわけられます。長頭は坐骨結節、短頭は粗線外側唇から起始し、腓骨頭で停止します。膝関節の屈曲・外旋に作用します。
大腿四頭筋は膝関節の安定性に関与する筋肉であり、変形性膝関節症によりこの大腿四頭筋が萎縮すると、膝関節が不安定性が増し、症状が増悪する可能性があります。大腿四頭筋の筋力強化法として、マッスルセッティング(パテラセッティング)があげられます。
症例の60歳の女性は、階段昇降で増悪するに右膝痛があり、
正座も困難な状況です。
前脛骨筋は、脛骨上方外側面を起始とし、
内側楔状骨、第1中足骨底で停止し、
足関節を背屈させます。
下腿三頭筋は、
腓腹筋とヒラメ筋で構成されます。
腓腹筋は、大腿骨内側上果と、
大腿骨外側上果を起始とし、
ヒラメ筋腱とともにアキレス腱を経て
踵骨隆起で停止します。
足関節の背屈や膝関節の屈曲に作用します。
ヒラメ筋は、脛骨と腓骨後面上部を起始とし、
腓腹筋腱とともにアキレス腱を経て、
踵骨隆起で停止します。
足関節の底屈に作用します。
大腿四頭筋は、大腿直筋、内側広筋、
中間広筋、外側広筋で構成されます。
大腿直筋は、下前腸骨棘、
内側広筋は、粗線内側唇、
中間広筋は、大腿骨前面
外側広筋は、粗線外側唇をそれぞれ起始としています。
4つの筋は結合して膝蓋骨に付着し、
膝蓋靱帯を経て、脛骨粗面で停止します。
この筋を強化することにより、
膝関節の負担が軽減されますので、
強化する筋として最も適切であり、
これが正解であると考えられます。
大腿二頭筋は、
坐骨結節と粗線外側唇を起始とし、
腓骨頭で停止します。
膝関節の屈曲・外旋や、
股関節の伸展に作用します。
膝の解剖について振り返っておきましょう。