問題
最も考えられる疾患はどれか。
「マクマレーとラックマンが陰性」ということで、半月板損傷や、前十字靭帯損傷などの外傷が除外できます。
「手指の関節腫脹や朝のこわばりはない」ということから、関節リウマチも否定できます。
以上から、消去法でも変形性関節症が残りますが、
「60歳女性」「階段昇降で痛みが増悪」「正座が困難」というキーワードからでも、変形性膝関節症という推測は立ちます。
中高齢者の膝の痛みで運動時に最も痛むのは、変形性膝関節症の特徴です。変形性膝関節症は加齢とともに関節軟骨が変性し摩耗していく疾患で、関節の疼痛、腫脹、変形、可動域制限などが生じます。
半月板損傷の徒手検査であるマクマレーテストが陰性なので除外できます。
靭帯損傷の徒手検査であるラックマンテストが陰性なので除外できます。
関節リウマチの特徴である、関節腫脹やこわばりの所見がないことからから除外できます。
階段昇降で増悪、正座が困難という所見から、これが正解であると考えられます。
他に膝関節の疾患として、痛風、偽痛風、化膿性関節炎、離断性骨軟骨炎、側副靭帯損傷、ジャンパー膝、オスグッド病、シンスプリント、腸脛靭帯炎、鵞足炎などがあります。
症例の60歳の女性は、階段昇降で増悪するに右膝痛があり、
正座も困難な状況です。
前十字靭帯損傷は、
膝関節にある前十字靭帯が損傷することにより、
膝痛や膝の不安定感が生じる疾患です。
ラックマンテストが陰性とのことですので、
前十字靱帯損傷の可能性は低いものと考えられます。
前十字靭帯損傷は、
膝関節にある前十字靭帯が損傷することにより、
膝痛や膝の不安定感が生じる疾患です。
ラックマンテストが陰性とのことですので、
前十字靱帯損傷の可能性は低いものと考えられます。
関節リウマチは、
免疫の異常により関節に炎症が生じる疾患です。
手指に関節腫脹や、朝のこわばりはなく、
関節リウマチである可能性は低いと考えられます。
変形性膝関節症では、
加齢などにより、関節軟骨の弾力性が低下し、
すり減ってくることから、
膝痛などの症状が生じます。
症例の女性の年齢や症状から、
これが正解であると考えられます。
膝の解剖について振り返っておきましょう。