二級ボイラー技士の過去問
令和元年10月公表
燃料及び燃焼に関する知識 問27
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問題
二級ボイラー技士試験 令和元年10月公表 燃料及び燃焼に関する知識 問27 (訂正依頼・報告はこちら)
重油燃焼によるボイラー及び附属設備の低温腐食の抑制方法として、誤っているものは次のうちどれか。
- 硫黄分の少ない重油を選択する。
- 燃焼ガス中の酸素濃度を下げ、燃焼ガスの露点を下げる。
- 給水温度を上昇させて、エコノマイザの伝熱面の温度を高く保つ。
- ガス式空気予熱器を用いて、蒸気式空気予熱器の伝熱面の温度が高くなり過ぎないようにする。
- 燃焼室及び煙道への空気漏入を防止し、煙道ガスの温度の低下を防ぐ。
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この過去問の解説 (3件)
01
設問は、重油燃焼によるボイラ及び附属設備の低温腐食の抑制方法について問われています。
低温腐食の原因は、重油中に含まれる硫黄分が燃焼することによって生成した硫酸が、低温によって結露して金属部分を腐食させることが原因です。
低温腐食を防ぐためには、
①硫黄分の少ない重油を選択する。
・硫黄酸化物が低温腐食の原因なので、硫黄分の少ない燃料を選択すると低温腐食を防ぐことになります。
②燃焼ガス中の酸素濃度を下げて、燃焼ガスの露点を下げる。
・これも硫黄酸化物を生成させにくくする手法です。
酸素濃度が低いと硫黄酸化物が生成しにくくなり、露点を下げると結露しにくくなります。
③給水温度を上昇させて、エコノマイザの伝熱面の温度を高く保つ。
・これは硫黄酸化物を結露させにくくする手法です。
エコノマイザの伝熱面温度を上昇させると、燃焼ガスが冷えにくくなるため、低温ガスの結露も起こりにくくなります。
④ガス式空気予熱器を用いて、蒸気式空気予熱器の伝熱面の温度が低くなり過ぎないようにする。
・蒸気式空気予熱器は、低温腐食防止の観点から空気温度を高めるために、ガス式空気予熱器の前段に設けられる場合があります。
ガス式空気予熱器の温度が低くなると、ガス内が結露して低温腐食する原因となります。
⑤燃焼室及び煙道への空気漏入を防止し、煙道ガスの温度の低下を防ぐ。
・冷たい空気が流入すると、燃焼室及び煙道内で温度低下して低温腐食する原因となります。
以上の説明より、選択肢4が誤っていることがわかります。
正答は「4」です。
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02
硫黄分が多いと、大気汚染問題につながります。
2.正しいです。
記載の通りです。間違えやすいので、覚えておきましょう。
3.正しいです。
温度が低いと低温腐食の原因になります。
4.誤っています。
蒸気式空気予熱器の伝熱面の温度が下がり過ぎないようにします。
5.正しいです。
記載の通りです。
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03
正解は「4」です。
低温腐食の抑制に関する問題です。
低温腐食とは,エコノマイザや空気予熱器の低温部で結露した硫黄分が硫酸(H2SO4)となり,エコノマイザや空気予熱器を腐食させる現象の事です。
1.正しいです。
低温腐食の主要因である硫黄分を少なくすることで抑制できます。
2.正しいです。
酸素濃度を低下させると,硫黄と酸素の反応がしにくくなり,低温腐食を抑制できます。
また,露点が低くなり結露しにくくなることも,低温腐食の抑制に繋がります。
3.正しいです。
温度を上昇させる事で硫黄分が結露しにくくなり,低温腐食を抑制できます。
4.誤りです。
必要により蒸気式空気予熱器を用いて,伝熱面の温度低下を防ぐ事で低温腐食を抑制できます。よって,記述は誤りです。
5.正しいです。
脱硫装置までは硫黄分を多く含んだ排ガスが流れるため,燃焼室~煙道までの空気漏入を防ぐこで,低温腐食を抑制できます。
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