行政書士の過去問
平成26年度
法令等 問5
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問題
行政書士試験 平成26年度 法令等 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
投票価値の平等に関する次の記述のうち、判例に照らし、妥当なものはどれか。
- 議員定数配分規定は、その性質上不可分の一体をなすものと解すべきであり、憲法に違反する不平等を生ぜしめている部分のみならず、全体として違憲の瑕疵を帯びるものと解すべきである。
- 投票価値の不平等が、国会の合理的裁量の範囲を超えると判断される場合には、選挙は違憲・違法となるが、不均衡の是正のために国会に認められる合理的是正期間を経過していなければ、事情判決の法理により選挙を有効とすることも許される。
- 衆議院議員選挙については、的確に民意を反映する要請が強く働くので、議員1人当たりの人口が平等に保たれることが重視されるべきであり、国会がそれ以外の要素を考慮することは許されない。
- 参議院議員選挙区選挙は、参議院に第二院としての独自性を発揮させることを期待して、参議院議員に都道府県代表としての地位を付与したものであるから、かかる仕組みのもとでは投票価値の平等の要求は譲歩・後退を免れない。
- 地方公共団体の議会の議員の定数配分については、地方自治の本旨にもとづき各地方公共団体が地方の実情に応じ条例で定めることができるので、人口比例が基本的な基準として適用されるわけではない。
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この過去問の解説 (3件)
01
1 妥当
議員定数配分規定は全体で考えるべき規定であり、一部のみ違憲という事態にはなりません。
2 妥当でない
判例は「人口の異動は不断に生じ、したがって選挙区における人口数と議員定数との比率も絶えず変動するのに対し、選挙区割と議員定数の配分を頻繁に変更することは、必ずしも実際的ではなく、また、相当でもないことを考えると、右事情によって具体的な比率の偏差が選挙権の平等の要求に反する程度となったとしても、これによって直ちに当該議員定数配分規定を憲法違反とすべきものではなく、人口の変動の状態をも考慮して合理的期間内における是正が憲法上要求されていると考えられるのにそれが行われない場合に始めて憲法違反と断ぜられる」としているため、平等要求に反するとしても直ちに違憲・違法とはなりません。
また、合理的期間内では事情判決はできないので、その点でも間違っています。
3 妥当でない
衆議院議員の選挙は、人口の平等以外の要素を考慮することは可能で調和的な実現を期待しています。
4 妥当でない
参議院議員に都道府県代表としての地位を付与したとまでは言えません。
5 妥当でない
地方公共団体の議会議員の定数配分について人口比例が基本的な基準として適用されるため妥当ではありません。
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02
1妥当
その通り。議員定数配分規定は憲法に違反する場合は一部違憲ではなく全体として意見になります。
2妥当でない
投票価値に不平等があっても直ちに違憲、違法となるものではありません。不平等かつ国会の是正がない場合違憲、違法となります。
3妥当でない
もちろん、それ以外の要素を考慮します。
4妥当でない
参議院議員は都道府県の代表ではなく国民の代表です。
5妥当でない
地方公共団体の議員の定数は人口比例が基本的な基準です。
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03
1.正しい
文章の通りです。
2.誤り
判例は、不平等状態が生じても直ちに違憲になるわけではなく、合理的期間内における更正が行われていない場合に初めて違憲となるとしています。
3.誤り
人口比は最も重要な部分ですが、それ以外の要素を組み合わせて考えることも可能です。
4.誤り
参議院議員に都道府県の代表たる地位は付与されていません。
5.誤り
人口比例が基本的な基準となります。
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