行政書士の過去問
平成30年度
法令等 問15
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問題
行政書士試験 平成30年度 法令等 問15 (訂正依頼・報告はこちら)
行政不服審査法の定める審査請求に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア:審査請求は、代理人によってもすることができ、その場合、当該代理人は、各自、審査請求人のために、原則として、当該審査請求に関する一切の行為をすることができるが、審査請求の取下げは、代理人によってすることはできない。
イ:審査庁となるべき行政庁は、必ず標準審理期間を定め、これを当該審査庁となるべき行政庁および関係処分庁の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。
ウ:審理員は、審査請求人または参加人の申立てがあった場合において、審理の進行のため必要と認めるときに限り、当該申立てをした者に、口頭で意見を述べる機会を与えることができる。
エ:審査請求人が死亡したときは、相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継する。
オ:審査請求人以外の者であって、審査請求に係る処分または不作為に係る処分の根拠となる法令に照らし当該処分につき利害関係を有するものと認められる利害関係人は、審理員の許可を得て、当該審査請求に参加することができる。
ア:審査請求は、代理人によってもすることができ、その場合、当該代理人は、各自、審査請求人のために、原則として、当該審査請求に関する一切の行為をすることができるが、審査請求の取下げは、代理人によってすることはできない。
イ:審査庁となるべき行政庁は、必ず標準審理期間を定め、これを当該審査庁となるべき行政庁および関係処分庁の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。
ウ:審理員は、審査請求人または参加人の申立てがあった場合において、審理の進行のため必要と認めるときに限り、当該申立てをした者に、口頭で意見を述べる機会を与えることができる。
エ:審査請求人が死亡したときは、相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継する。
オ:審査請求人以外の者であって、審査請求に係る処分または不作為に係る処分の根拠となる法令に照らし当該処分につき利害関係を有するものと認められる利害関係人は、審理員の許可を得て、当該審査請求に参加することができる。
- ア・イ
- ア・エ
- イ・ウ
- ウ・オ
- エ・オ
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この過去問の解説 (4件)
01
誤り。
行政不服審査法第12条2項は、
「代理人は・・(中略)・・審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。」
と規定しています。
イ
誤り。
法第16条は、審査庁となるべき行政庁に、
標準審理期間を定める努力義務を課しているにとどまります。
ウ
誤り。
審理手続において原則的には書面主義を取ります。
しかし、法第31条は、
審査請求人又は参加人の申立てがあった場合には、
審理員は申立人に、
口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない、
と定めています。
エ
正しい。
法第15条1項は、
「審査請求人が死亡した時は、
相続人その他法令により審査請求の目的である
処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継する。」
と定めています。
オ
正しい。
法第13条1項は、
「利害関係人(審査請求人以外の者であって
審査請求に係る処分又は不作為に係る処分の
根拠となる法令に照らし
当該処分につき利害関係を有する者と認められるものをいう。)は、
審理員の許可を得て、
当該審査請求に参加することができる。」
と定めています。
よって、エ及びオが正しく、本問は5が正答になります。
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02
代理人は当該審査請求に関する一切の行為をすることができます(12条2項本文)が、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限りすることができます(12条2項ただし書)。
イ誤
行政庁は、通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めると共に、これを定めたときは公にしてかなければなりません。(16条)
ウ誤
審査請求人または参加人の申立てがあった場合には、審理員は、当該申立てをした者に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければなりません(31条1項本文)。
エ正
相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継します(15条1項)。
オ正
利害関係人は、審理員の許可を得て、当該審査請求に参加することができます(13条1項)。
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03
ア× 特別の委任があれば可能です(同法12条)。「審査請求は、代理人によってすることができる。2 前項の代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。」
イ× 標準審理期間を定めることは、努力義務に留まります(同法16条)。「第四条又は他の法律若しくは条例の規定により審査庁となるべき行政庁(以下「審査庁となるべき行政庁」という。)は、審査請求がその事務所に到達してから当該審査請求に対する裁決をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、当該審査庁となるべき行政庁及び関係処分庁(当該審査請求の対象となるべき処分の権限を有する行政庁であって当該審査庁となるべき行政庁以外のものをいう。次条において同じ。)の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。」
ウ× 審理員は、申立人に口頭で意見を述べる機会を与えることが困難な場合を除き、同機会を与ええなければならないと規定されています(同法31条1項)。「審査請求人又は参加人の申立てがあった場合には、審理員は、当該申立てをした者(以下この条及び第四十一条第二項第二号において「申立人」という。)に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、当該申立人の所在その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合には、この限りでない。」
エ〇 同法15条1項の通りです。「審査請求人が死亡したときは、相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継する。」
オ〇 同法13条1項の通りです。「利害関係人(審査請求人以外の者であって審査請求に係る処分又は不作為に係る処分の根拠となる法令に照らし当該処分につき利害関係を有するものと認められる者をいう。以下同じ。)は、審理員の許可を得て、当該審査請求に参加することができる。」
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04
審査請求は、代理人によってすることができます。
また、本人から特別の委任を受けた場合は、請求を取下げることができます(行審法12条)。
イ:誤り
審査庁となるべき行政庁は、標準審理期間を定めた場合は、これを当該審査庁となるべき行政庁および関係処分庁の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければなりません(行審法16条)。
したがって、必ず標準処理期間を定めなければならないものではありません。
ウ:誤り
「審査請求人又は参加人の申立てがあった場合には、審理員は、申立てをした者(に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない(行審法31条1項)」と規定されています。
エ:正しい
「審査請求人が死亡したときは、相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継」します(行審法15条1項)。
オ:正しい
審査請求人以外のもので、処分に対し、利害関係が認められる者は、審理員の許可を得て、利害関係人として審査請求に参加することができます(行審法13条1項)。
したがって、エ・オが正しい記述で、⑤が正解です。
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