行政書士の過去問
平成30年度
法令等 問41-4

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問題

行政書士試験 平成30年度 法令等 問41-4 (訂正依頼・報告はこちら)

公務員の政治的自由に関する次の文章の空欄エに当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。

〔国家公務員法〕102条1項は、公務員の職務の遂行の政治的[ ア ]性を保持することによって行政の[ ア ]的運営を確保し、これに対する国民の信頼を維持することを目的とするものと解される。
他方、国民は、憲法上、表現の自由(21条1項)としての政治活動の自由を保障されており、この精神的自由は立憲民主政の政治過程にとって不可欠の基本的人権であって、民主主義社会を基礎付ける重要な権利であることに鑑みると、上記の目的に基づく法令による公務員に対する政治的行為の禁止は、国民としての政治活動の自由に対する必要やむを得ない限度にその範囲が画されるべきものである。
このような〔国家公務員法〕102条1項の文言、趣旨、目的や規制される政治活動の自由の重要性に加え、同項の規定が刑罰法規の構成要件となることを考慮すると、同項にいう「政治的行為」とは、公務員の職務の遂行の政治的[ ア ]性を損なうおそれが、観念的なものにとどまらず、現実的に起こり得るものとして[ イ ]的に認められるものを指し、同項はそのような行為の類型の具体的な定めを人事院規則に委任したものと解するのが相当である。・・・(中略)・・・。
・・・本件配布行為は、[ ウ ]的地位になく、その職務の内容や権限に[ エ ]の余地のない公務員によって、職務と全く無関係に、公務員により組織される団体の活動としての性格もなく行われたものであり、公務員による行為と認識し得る態様で行われたものでもないから、公務員の職務の遂行の政治的[ ア ]性を損なうおそれが[ イ ]的に認められるものとはいえない。そうすると、本件配布行為は本件罰則規定の構成要件に該当しないというべきである。(最二小判平成24年12月7日刑集66巻12号1337頁)
  • 従属
  • 平等
  • 合法
  • 穏健
  • 裁量
  • 実質
  • 潜在
  • 顕在
  • 抽象
  • 一般
  • 権力
  • 現業
  • 経営者
  • 指導者
  • 管理職
  • 違法
  • 濫用
  • 逸脱
  • 中立
  • 強制

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この過去問の解説 (3件)

01

いわゆる「堀越事件」からの出題です。
「堀越事件」では、被告の政党機関紙配布行為が、公務員の政治的中立性に抵触し、国家公務員法違反に当たるかが争点の1つになりました。

判例を要約すると、「配布行為は、管理職的地位になく、その職務や権限に裁量のない被告によってなされ、配布行為は公務員による行為と認識し得るものではなく、政治的中立性を損なう恐れが実質的に認められるものとは言えない」として、被告の行為
は、国家公務員法違反とはならないとしました。

エ:⑤裁量

ア:⑲中立
イ:⑥実質
ウ:⑮管理職

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02

正解は「5 裁量」
国家公務員法違反被告事件(最判H24.12.7)からの出題です。

文脈から選択肢を絞っていきましょう。
なお、省略されている部分には、以下のような記載があります。「公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるかどうかは,当該公務員の地位,その職務の内容や権限等,当該公務員がした行為の性質,態様,目的,内容等の諸般の事情を総合して判断するのが相当である。具体的には,当該公務員につき,指揮命令や指導監督等を通じて他の職員の職務の遂行に一定の影響を及ぼし得る地位(管理職的地位)の有無,職務の内容や権限における裁量の有無,当該行為につき,勤務時間の内外,国ないし職場の施設の利用の有無,公務員の地位の利用の有無,公務員により組織される団体の活動としての性格の有無,公務員による行為と直接認識され得る態様の有無,行政の中立的運営と直接相反する目的や内容の有無等が考慮の対象となるものと解される。」

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03

エ.5
本件配布行為は、管理職的地位になく、その職務の内容や権限に裁量の余地のない公務員にとって・・・となります。

この問題は堀越事件(最判平24.12.7)を素材にしていると考えます。

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