運行管理者(貨物)の過去問
平成26年度 第2回
実務上の知識及び能力 問44
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問題
平成26年度 第2回 運行管理者試験(貨物) 実務上の知識及び能力 問44 (訂正依頼・報告はこちら)
交通事故及び緊急事態が発生した場合における運行管理者又は事業用自動車の運転者の措置に関する次の記述のうち、適切なものを選びなさい。
- 大型トラックに荷物を積載して運送中の運転者から、営業所の運行管理者に対し「 現在走行している地域一帯に大雪注意報が発令されており、雪が強く降り続いて視界が悪くなってきたので一時運転を中断している。」との連絡があった。連絡を受けた運行管理者は、「 営業所では判断できないので、運行する経路を運転者自ら判断し、また、運行することが困難な状況に至った場合は、適当な待避場所を見つけて運転者自らの判断で運送の中断等を行うこと 」を指示した。
- 運転者は、中型トラックで走行中にオートバイと接触事故を起こした。オートバイの運転者が足を負傷し自力で動けなかったので、当該運転者を救護するため歩道に移動させた。その後、事故現場となった当該道路における危険を防止する必要があると考え、双方の事故車両を道路脇に移動させ、発炎筒を使用して後続車に注意を促すとともに、救急車の手配と警察への通報を行い、運行管理者に連絡し、到着した警察官に事故について報告した。
- 運転者は、大型トラックで踏切を通過する際、後輪が脱輪して運行不能となり、踏切内で立ち往生してしまった。このため、当該運転者は直ちに踏切支障報知装置の非常ボタンを押すとともに、発炎筒を使用して列車の運転士等に踏切内に当該トラックが立ち往生していることを知らせた。その後、当該トラックを踏切の外に移動させるための措置を講じた。
- 運転者は、中型トラックで高速道路を走行中、大地震が発生したのに気づき当該トラックを路側帯に停車させ様子を見ていた。この地震により高速道路の車両通行が困難となったので、当該運転者は、運行管理者に連絡したうえで、エンジンキーを持ってドアをロックして当該トラックを置いて避難した。
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この過去問の解説 (3件)
01
運行経路や運行の中断を、運転者に判断させる事は指示してはいけません。
2正
正しい判断です。
また、運行管理者はこういった不測の事態に備え、
発炎筒等の使い方を予め指導しておかなければなりません。
3正
正しい判断です。
接触事故を避けるためにも、始めに非常ボタンを押しましょう。
4誤
その車両が緊急車両や避難する人の邪魔になった場合に備え、車両を動かせるようにエンジンキーは挿したままでドアはロックしてはいけません。
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02
(異常気象時等における措置)
第十一条 貨物自動車運送事業者は、異常気象その他の理由により輸送の安全の確保に支障を生ずるおそれがあるときは、乗務員に対する適切な指示その他輸送の安全を確保するために必要な措置を講じなければならない。
第二節 乗務員が遵守すべき事項
(乗務員)
第十六条 貨物自動車運送事業者の乗務員は、事業用自動車の乗務について、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
一 酒気を帯びて乗務しないこと。
二 過積載をした事業用自動車に乗務しないこと。
三 事業用自動車に貨物を積載するときは、第五条に定めるところにより積載すること。
四 事業用自動車の故障等により踏切内で運行不能となったときは、速やかに列車に対し適切な防護措置をとること。
(地震発生時等における運転者のとるべき措置)
トラック協会 災害発生時のマニュアル 参照
大地震が発生した場合、運転者は次のような措置を採るようにしましょう。
ーー車を運転中に大地震が発生したときーー
急ハンドル、急ブレーキを避けるなど、できるだけ安全な方法により道路の左側に停止させてください。
停止後は、カーラジオ等により地震情報や交通情報を聞き、その情報や周囲の状況に応じて行動してください。
引き続き車を運転するときは、道路の損壊、信号機の作動停止、道路との障害物などに十分注意してください。
車を置いて避難するときは、できるだけ道路外の場所に移動してください。
やむを得ず道路上に置いて避難するときは、道路の左側に寄せて駐車し、エンジンを止め、エンジンキーは付けたままとし、窓を閉め、ドアはロックしないでください。
駐車するときは、避難する人の通行や災害応急対策の実施の妨げとなるような場所には駐車しないでください。
車を運転中以外の場合に大地震が発生したとき
津波から避難するためやむを得ない場合を除き、避難のために車を使用しないでください。
津波から避難するためやむを得ず車を使用するときは、道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障害物などに十分注意しながら運転してください。
設問の解説
設問1:誤り。
「運行管理者は、異常気象その他の理由により輸送の安全の確保に支障を生ずるおそれがあるときは、乗務員に対する適切な指示その他輸送の安全を確保するために必要な措置を講じなければならない。」
運行経路や運送の中断等を運転者に判断させることは不適切な対応です。
設問2:正しい。
「運転者は、中型トラックで走行中にオートバイと接触事故を起こした。オートバイの運転者が足を負傷し自力で動けなかったので、当該運転者を救護するため歩道に移動させた。その後、事故現場となった当該道路における危険を防止する必要があると考え、双方の事故車両を道路脇に移動させ、発炎筒を使用して後続車に注意を促すとともに、救急車の手配と警察への通報を行い、運行管理者に連絡し、到着した警察官に事故について報告した。」
運転者のとった措置は適切です。
設問3:正しい。
「運転者は、大型トラックで踏切を通過する際、後輪が脱輪して運行不能となり、踏切内で立ち往生してしまった。このため、当該運転者は直ちに踏切支障報知装置の非常ボタンを押すとともに、発炎筒を使用して列車の運転士等に踏切内に当該トラックが立ち往生していることを知らせた。その後、当該トラックを踏切の外に移動させるための措置を講じた。」
運転者のとった措置は適切です。
設問4:誤り。
「大地震が発生した場合において車を置いて避難するときは、できるだけ道路外の場所に移動しておくこと。やむを得ず道路上に置いて避難するときは、道路の左側に寄せて駐車し、エンジンを止め、エンジンキーは付けたままとし、窓を閉め、ドアはロックしないこと。」
エンジンキーを持ってドアをロックして当該トラックを置いて避難したことは不適切な対応です。
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03
②・③が解答となります。
1 .大型トラックに荷物を積載して運送中の運転者から、営業所の運行管理者に対し「 現在走行している地域一帯に大雪注意報が発令されており、雪が強く降り続いて視界が悪くなってきたので一時運転を中断している。」との連絡があった。連絡を受けた運行管理者は、「 営業所では判断できないので、運行する経路を運転者自ら判断し、また、運行することが困難な状況に至った場合は、適当な待避場所を見つけて運転者自らの判断で運送の中断等を行うこと 」を指示した。
→誤った対応となります。
運行の中断、退避場所等の指示は運行管理者が行います。
運転者より走行ができない旨の連絡があった際にはただちに、安全に
退避ができる場所や場合によっては運行の中止を判断することが求められます。
2 .運転者は、中型トラックで走行中にオートバイと接触事故を起こした。オートバイの運転者が足を負傷し自力で動けなかったので、当該運転者を救護するため歩道に移動させた。その後、事故現場となった当該道路における危険を防止する必要があると考え、双方の事故車両を道路脇に移動させ、発炎筒を使用して後続車に注意を促すとともに、救急車の手配と警察への通報を行い、運行管理者に連絡し、到着した警察官に事故について報告した。
→正しい対応となります。
事故が起こった際の対応としては
・負傷者の救護(必要であれば救急車の手配もします)
・道路の安全を確保(二次被害を防ぐ対策)
★自走ができる車は道路端に寄せる
★三角表示板や発煙筒で後続車へ「何らかの理由により止まっている」
という様子を伝える
・警察への通報、報告
実際の事故現場では、被害者も動揺してしまっていたりパニックになって
しまう方もいらっしゃいます。
事業用自動車に乗る方は「プロ」としての面もあるため落ち着いて行動が
できるようにKYTトレーニングも用いてシミュレーションをしておきましょう。
3 .運転者は、大型トラックで踏切を通過する際、後輪が脱輪して運行不能となり、踏切内で立ち往生してしまった。このため、当該運転者は直ちに踏切支障報知装置の非常ボタンを押すとともに、発炎筒を使用して列車の運転士等に踏切内に当該トラックが立ち往生していることを知らせた。その後、当該トラックを踏切の外に移動させるための措置を講じた。
→正しいです。
踏切で立ち往生した場合も「落ち着いて行動する」ことが大切です。
踏切の端には「非常停止ボタン」があります。
これを押すことで鉄道会社にも連絡がいきます。
その後は発煙筒にて後続車へ意思表示をして、
トラックを移動させるための措置を講じます。
「発煙筒」の設置されている場所・使い方など意外と思い出せないことが
多かったりします。
また近年では発煙筒もLED仕様となっているため従来とは少し異なるものも
あります。
こういったものは実際に目に触れて覚えることも有効ですので、
社内の教育に取り入れるのもよいと思います。
4 .運転者は、中型トラックで高速道路を走行中、大地震が発生したのに気づき当該トラックを路側帯に停車させ様子を見ていた。この地震により高速道路の車両通行が困難となったので、当該運転者は、運行管理者に連絡したうえで、エンジンキーを持ってドアをロックして当該トラックを置いて避難した。
→誤った対応となります。
【大地震が発生した際の対応】
・大地震が発生した際は、急ブレーキや急ハンドルにならないよう注意し
できる限り安全に、道路の左端に車を寄せます。
・情報収集ができればラジオやインターネットなどで状況判断、道路状況を
把握し次の行動をとります
・避難するために車を離れる際は「エンジンは止める」
「エンジンキーはつけたまま」「窓を閉める」「ドアはロックしない」状態で
避難を行います。
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