運行管理者(貨物)の過去問
平成28年度 第1回
実務上の知識及び能力 問38
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問題
平成28年度 第1回 運行管理者試験(貨物) 実務上の知識及び能力 問38 (訂正依頼・報告はこちら)
運行管理者の業務上の措置等に関する次の記述のうち、適切なものを選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
- 運行管理者は、運転者に対し乗務前の点呼を実施したところ、当該運転者から「乗務する事業用トラックのワイパーブレードの劣化により払拭状態が不良である」との報告を受けた。運行管理者は、本日の天気は晴れとの予報なので、運行には差し支えないと考え、整備管理者に確認を求めず出庫させた。
- 運行管理者は、貨物自動車運送事業法その他の法令に基づく運転者の遵守すべき事項に関する知識のほか、事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転に関する技能及び知識について、運転者に対する適切な指導及び監督をしなければならない。ただし、その実施については、個々の運転者の運転に関する技能あるいは過去の運転の経験等に応じて適切な時期に行えばよく、必ずしも継続的、計画的に行わなくてもよい。
- 4年前まで他の一般貨物自動車運送事業者において事業用自動車の運転者として常時選任されていた者を一般貨物自動車運送事業の運転者として常時選任するために新たに雇い入れた。このため、運行管理者は初任運転者に対する適性診断を受診させるとともに、特別な指導を当該運転者に行った後、大型トラックに乗務させた。
- 運行管理者は、乗務終了後の点呼において乗務記録を回収したところ、運転者が記載した筆跡がいつもと異なることに気づいたため、当該運転者に状況を確認した。本人からは、最近ときどき手にしびれが出るが大事ではないとのことであったので、念のためその状況を家族に連絡したが、医師の診断を受けるようにとの指導は行わなかった。
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この過去問の解説 (3件)
01
1. 2. 4. は不適切です。
1.不適切です。
ワイパーの払拭状態の不良がある場合は、日常点検の結果、不良が
あるため、その安全運行できるかの判断は、整備管理者が判断を
行わなければなりません。
日常点検に基づく運行の可否の決定は整備管理者が決定します。
確認を求めずに出庫は不適切です。
2.不適切です。
運転者に対する指導及び監督の実施については、国土交通省の指導もあり、
継続的・計画的に行う必要があります。経験ある運転者であっても
加齢や体力の衰え、健康状態また法令の変更もあり、指導は全運転者へ
教育を継続的に行う必要があります。
3.適切です
初任運転者は、雇い入れた会社で初めてトラックに乗務する前、
過去3年間他の会社でも選任された運転者でないものです。問題文では、
前の会社で選任運転手ではあったがそれから4年たっているため、
今回雇い入れ時に初任運転者の特別教育を行うことは適切です。
4.不適切です。
手にしびれが出ている状態で、安全運転をできる状態ではないため、
運行を止め、すぐに医師の診療、治療を受ける必要があります。
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02
③が解答となります。
1 .運行管理者は、運転者に対し乗務前の点呼を実施したところ、当該運転者から「乗務する事業用トラックのワイパーブレードの劣化により払拭状態が不良である」との報告を受けた。運行管理者は、本日の天気は晴れとの予報なので、運行には差し支えないと考え、整備管理者に確認を求めず出庫させた。
→青字部分に誤りがあります。
運転者よりトラックの異常個所の報告があった際は、整備管理者と確認の上
出庫の判断をします。(必要に応じてはトラックの変更等も検討します)
問題の事例のようにトラックにおける異常については
整備管理者の元で使用の可否を決めるため、安易に判断しないようにします。
2 .運行管理者は、貨物自動車運送事業法その他の法令に基づく運転者の遵守すべき事項に関する知識のほか、事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転に関する技能及び知識について、運転者に対する適切な指導及び監督をしなければならない。ただし、その実施については、個々の運転者の運転に関する技能あるいは過去の運転の経験等に応じて適切な時期に行えばよく、必ずしも継続的、計画的に行わなくてもよい。
→青字部分に誤りがあります。
運転者への教育は「全運転者」に「継続的・計画的」に行う必要があります。
これらは法令で定められている項目でもあり、
また運転手が順守すべき知識・法令なども改定されていく事から、
常に新しい知識を持っている必要があります。
実務上「全従業員に一斉に教育」というのは現実的に難しいと思われるため、
期間を定めたり定期的な社内講習等を設けて実施すると良いと思います。
3 .4年前まで他の一般貨物自動車運送事業者において事業用自動車の運転者として常時選任されていた者を一般貨物自動車運送事業の運転者として常時選任するために新たに雇い入れた。このため、運行管理者は初任運転者に対する適性診断を受診させるとともに、特別な指導を当該運転者に行った後、大型トラックに乗務させた。
→正しいです。
【初任運転者における指導について】
・初任診断は「運転者として常時選任するために新たに雇入れた者」であり
その貨物自動車運送事業者(=入社した会社)において
「初めて事業用自動車に乗務する3年前に初任診断を受診したことが
無いもの」が対象となります。
つまり3年以上前に受けた初任診断は無効となるため、
事前に初任診断を受け教育をしたのちに、
事業用トラックに乗務させる必要があります。
※やむを得ない事情がある場合には乗務後1か月以内に
受診が必要となります。
4 .運行管理者は、乗務終了後の点呼において乗務記録を回収したところ、運転者が記載した筆跡がいつもと異なることに気づいたため、当該運転者に状況を確認した。本人からは、最近ときどき手にしびれが出るが大事ではないとのことであったので、念のためその状況を家族に連絡したが、医師の診断を受けるようにとの指導は行わなかった。
→青字部分に誤りがあります。
運転手の変化というのは日常の様々な面で感じることができます。
「表情」「口数」「筆跡」
「本人は自覚しているが会社に話しづらい(言いたくない)」
これらは、見逃してしまうと重大な病気・事故に繋がる恐れがあります。
問題文では明らかな兆候が見られるため、
本人との対話の上医療機関への受診を進める必要があります。
また病気に関しては本人だけの問題ではなくなるため、
ご家族や身近な方への案内も重要となります。
ただしプライバシーや本人への配慮も忘れないように注意が必要です。
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03
運行管理者の業務について適切な処置について問題を見ながら解説していきます。
適切ではありません。
ワイパーの劣化による不良は、日常点検に関わるものです。
日常点検の結果に基づく運行の可否の決定は整備管理者が行います。
整備管理者に確認を求め、運行の可否を整備管理者が決定する必要があります。
適切ではありません。
運転者に対する指導や監督の実施については、国土交通省告示に基づき、継続的・計画的に行わなければいけません。
適切です。
適切ではありません。
手に痺れが出ている状態のまま運転業務を継続させていくことは、安全を確保する上で危険を伴うので、運転者に対し医師の診断を受けるように指導するべきです。
運行管理者の業務をしっかりと把握して、輸送に安全に取り組めるように努めましょう。
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