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運行管理者(貨物)の過去問 平成28年度 第2回 実務上の知識及び能力 問57

問題

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運行管理者が、次の大型トラックの事故報告に基づき、この事故の要因分析を行ったうえで、同種事故の再発を防止するための対策として、最も直接的に有効と考えられる組合せを、下の枠内の選択肢(1〜8)から1つ選びなさい。なお、解答にあたっては、<事故の概要>及び<事故関連情報>に記載されている事項以外は考慮しないものとする。


<事故の概要>
運転者及び交替運転者は、事故日前日の23時50分に営業所に隣接した車庫にて電話点呼を受けたのち、アルミサッシ類を積み置きしてあった車両総重量19トンの大型トラックにて出庫した。翌日(事故日)の23時30分に片側2車線の高速道路にて前方を走行していた大型トラックの後方約70メートルを時速90キロメートルで追従走行していたところ、前方の大型トラックが急に追い越し車線に進路変更したため、走行車線前方に横転していた車両の発見が遅れ、ハンドル操作で右に回避しようとしたが間に合わず当該横転車両に衝突した。この衝突の衝撃により当該横転車両に乗っていた運転者は車外に放り出され、頭部挫傷により死亡した。


<事故関連情報>
〇この運行は、2人乗務により荷主から直接運送の依頼を受けた長距離定期運行として行っているものであり、この事故惹起運転者も過去において何度も同経路の運行を行っていた。
〇この2名の運転者は、事故日前日の23時50分に運行管理者の電話による点呼を受けた後、初めに当該運転者が運転して出庫した。当該運転者は、途中15分の休憩をはさみ翌日7時10分に交替運転者に運転を代わり、運転席後方のベットにて休息した。17時に起床して、19時に再び運転を交替し、途中10分の休憩を取った後、23時30分に事故を起こした。
〇当該運転者は、事故日前1ヵ月間の勤務において、4時間を超える連続運転及び1日最大拘束時間等について「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準」という。)に違反した運行を複数回行っていた。また、運行記録計のデータからも、この間に数回の速度超過が確認された。
〇当該営業所においては、補助者は選任されておらず、運行管理者1名により運行管理業務を行っていた。
〇当該営業所では、lヵ月に1回、従業員全員が参加する安全会議を実施していた。
O事業者は、健康診断及び適性診断を定期的に実施し、すべての運転者に受診させていた。当該運転者も、健康診断を年2回、適性診断を毎年受診しており、適性診断結果に基づき運行管理者から指導を受けていた。


<事故の再発防止対策>
ア  運転者に対し、過労が運転に及ぼす危険性を認識させ、疲労を感じたときは、適切な休憩を取るなどの対応を指導する。
イ  深夜・早朝においても、対面による点呼を確実に実施できる運行管理者等を配置し、高速道路においても、安全運行に関し運転者に常時適切な指示を行える体制を整える。
ウ  漫然運転や脇見運転による追突事故を防止する観点から、衝突被害軽減ブレーキ装着車の導入を促進する。
工  連続運転時間などが改善基準に違反しない乗務計画を作成し、運転者に対する適切な運行指示を徹底する。
オ  運転者に対し、偏荷重が生じないような貨物の積載方法及び運搬中に荷崩れが生じないような貨物の固縛方法を指導する。
カ  運行管理者は、安全を確保するために必要な運転に関する知識・技能を習得させるため、運転者に対する指導・監督を継続的、計画的に実施し、適切な車間距離の確保、危険を予測し適切に回避するための運転、制限速度をした安全な運行等を徹底させる。
キ  運転者に対し、疾病が交通事故の要因となるおそれがあることを事例で示し説明すること等により理解させ、定期的な健康診断の結果に基づいて適切な健康管理を行うことを指導する。
ク  運転者に対し、夜間の高速道路においては、運転操作が単調になる等、脇見運転や漫然運転の危険性が高くなることを、安全会議などで周知・徹底する。
問題文の画像
   1 .
ア・イ・ウ・キ
   2 .
ア・ウ・カ・キ
   3 .
ア・エ・オ・カ
   4 .
ア・イ・オ・カ
   5 .
イ・エ・カ・ク
   6 .
イ・オ・キ・ク
   7 .
ウ・エ・オ・ク
   8 .
ウ・エ・キ・ク
( 平成28年度 第2回 運行管理者試験(貨物) 実務上の知識及び能力 問57 )
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この過去問の解説 (3件)

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正解は、5. イ.エ.カ.ク. になります。

問題文より最も直接的に有効と考えられる組み合わせを選択にて、
一部悩む部分がありますが、怪しいものは△で読み進める方がいいかもしれません。

ア. 直接的に有効? △
事故日前1か月間の勤務状況において、連続運転時間、1日最大拘束時間
などにおいて改善基準違反が複数回確認されている点がありますが、
疲労状態であったかは、問題文だけでは不明です。
疲労を軽減することは事故防止につながりますが、事故原因との直接的に
有効な防止策となるかは、他の有効手段があるように思われます。
一度保留し他を読み進めます。
イ. 直接的に有効です。 ○
点呼の確実な実施は、事故防止に直接的有効です。
事故を発生させた乗務員(交代運転手も含む)は、点呼を行っていますが、
点呼が営業所に隣接した車庫からの電話による点呼を行っており、
対面点呼を実施していない。点呼の実施状況が違反の状態となっています。
ウ. 直接的に有効ではないです。 ×
今回の事故の状況を見る限り、事故原因が漫然運転や脇見運転によるものでは
ないため、この事故にかんしての事故防止は、
ウの内容は直接的に有効ではありません。
エ. 直接的に有効です。 ○
事故当日の運行状況を見ると、
19時に運転を交代し、23時30分事故発生(走行中)、またこの間の
休憩が10分しかとっていないことを見ると、4時間
20分の
連続運転であり、4時間を超える改善基準違反状態です。
改善基準に違反しない運行計画を作成し、実施させることは、
この事故防止に直接的に有効です。
オ. 直接的に有効ではないです。 ×
今回の事故の状況を見る限り、事故原因が偏荷重や荷物の荷崩れ、
固縛方法によるものではないため、この事故にかんしての事故防止は、
オの内容は直接的に有効ではありません。
カ. 直接的に有効です。 ○
当日の運行状況を見ると、高速道路での時速90km/h、車間距離も70mと
どちらも安全に十分配慮しているとは言えない状態です。
大型車の高速道路での最高速度は80km/hです。
車間距離の一般的なトラック協会などの推奨する安全距離は速度と
同じ距離です。80km/hであれば80mです。
安全運行のための車間距離の確保・速度遵守などは
今回の事故防止に直接的有効です。
キ. 直接的に有効ではないです。 ×
今回の事故の状況を見る限り、事故原因が疾病によるものではないため、この事故にかんしての事故防止は、
キの内容は直接的に有効ではありません。
健康診断も適正に年2回実施されています。
ク. 直接的有効です。
事故の発生が23時30分であり深夜となっており、夜間運転の危険を
教育することは、今回の事故防止に直接的有効です。

以上から、先に確実に誤っている内容 ウ、オ、キ
を除外すると、
自然に5.が選択されます。
アの△とした点も、当日の運行状況が疲労状態であるという確証がないため、
その防止策としての直接的な事故防止策からは外れるという考えで
いいかと思われます。

付箋メモを残すことが出来ます。
8

⑤イ・エ・カ・ク が解答となります。

事故の詳細と選択肢にあげられている改善基準を1つずつ比べていくことが正答に近づくポイントになります。

ア  運転者に対し、過労が運転に及ぼす危険性を認識させ、疲労を感じたときは、適切な休憩を取るなどの対応を指導する。

→最適に有効とは言えません。

 1か月前から改善基準違反が見られているとあり、速度超過なども

 確認されていますが、今回の運行では2名での乗務であり、

 途中交代も出来ているため、今回の事故に対する最適な対応とは言えません。 

イ  深夜・早朝においても、対面による点呼を確実に実施できる運行管理者等を配置し、高速道路においても、安全運行に関し運転者に常時適切な指示を行える体制を整える。

→適切な対応となります。

 点呼は原則として対面で行うこととなります。

 今回は点呼が電話で済まされているため、運行管理者(補助者)から

 適切な点呼を受けられず、運行の指示や運転者の体調管理などの確認が

 不足しているため、対策としては有効になります。

ウ  漫然運転や脇見運転による追突事故を防止する観点から、衝突被害軽減ブレーキ装着車の導入を促進する。

→最適に有効とは言えません。

 今回の事故は漫然運転・脇見運転が直接的な原因ではないため、

 衝突被害軽減ブレーキ装着車の導入は直接的な対策にはなりません。

 

工  連続運転時間などが改善基準に違反しない乗務計画を作成し、運転者に対する適切な運行指示を徹底する。

→適切な対策となります。

 事故1か月前にも連続運転時間による改善基準違反が見られており、

 今回の事故にも4時間以上の運転が見られるため、早急な対策が

 必要となります。

オ  運転者に対し、偏荷重が生じないような貨物の積載方法及び運搬中に荷崩れが生じないような貨物の固縛方法を指導する。

→最適に有効とは言えません。

 今回の事故では荷物の積載方法や荷崩れが原因ではないため、

 直接的な対策にはなりません。

カ  運行管理者は、安全を確保するために必要な運転に関する知識・技能を習得させるため、運転者に対する指導・監督を継続的、計画的に実施し、適切な車間距離の確保、危険を予測し適切に回避するための運転、制限速度をした安全な運行等を徹底させる。

→適切な対策となります。

 今回は前車が急ハンドルを切ったことに対応が完全に出来なかった事も

 事故要因となっています。

 そのため、正しい車間距離や時速がどのくらいかという事を、

 当該運転者に限らず事業所内で共有することが必要です。 

 

キ  運転者に対し、疾病が交通事故の要因となるおそれがあることを事例で示し説明すること等により理解させ、定期的な健康診断の結果に基づいて適切な健康管理を行うことを指導する。

→直接的な対策にはなりません。

 当該運転者は年2回正しく健康診断が受けられており、それに伴う指導も

 受けています。

 事故自体も疾病が直接的な原因ではないため、対策としては

 相応しくはありません。

ク  運転者に対し、夜間の高速道路においては、運転操作が単調になる等、脇見運転や漫然運転の危険性が高くなることを、安全会議などで周知・徹底する。

→適切な対策となります。

 運転者は当該運行経路を何度か経験していますが、夜間の運転に対する

 慣れや経験済みの運行経路であることから脇見・漫然運転の傾向も

 出てしまうため、日中の運転時以上に集中力が必要となることを

 周知することが対策となります。

1

事故の再発を防止する対策として、問題をみながら解説します。

最も直接的に直接的に有効なものを考えるより『事故の原因とは直接的に関係のない内容のもの』を消していく方法が答えやすいポイントになります。

選択肢1. ア・イ・ウ・キ

誤りです。

ア:事故を起こした運転者は、事故を起こした当日に連続運転違反を行っていて、事故日前1ヶ月前の勤務においては連続運転時間や1日の最大拘束時間等について違反した運行を複数回行っていたので、疲労が蓄積した状態だったかもしれませんが、今回の事故に関しては運転者の疲労によるものであるとは読みきれず、同種事故の再発防止対策として直接的に有効であるとは言えません

ウ:今回の事故は漫然運転や脇見運転による事故ではありません

したがって、同種事故の再発防止対策として直接的に有効とは言えません。

キ:事故を起こした運転者は、健康診断を2回受けて受診しています。

よって運転者の疾病が事故の要因となったわけではありません

選択肢2. ア・ウ・カ・キ

誤りです。

ア:事故を起こした運転者は、事故を起こした当日に連続運転違反を行っていて、事故日前1ヶ月前の勤務においては連続運転時間や1日の最大拘束時間等について違反した運行を複数回行っていたので、疲労が蓄積した状態だったかもしれませんが、今回の事故に関しては運転者の疲労によるものであるとは読みきれず、同種事故の再発防止対策として直接的に有効であるとは言えません

ウ:今回の事故は漫然運転や脇見運転による事故ではありません

したがって、同種事故の再発防止対策として直接的に有効とは言えません。

キ:事故を起こした運転者は、健康診断を2回受けて受診しています。

よって運転者の疾病が事故の要因となったわけではありません

選択肢3. ア・エ・オ・カ

誤りです。

ア:事故を起こした運転者は、事故を起こした当日に連続運転違反を行っていて、事故日前1ヶ月前の勤務においては連続運転時間や1日の最大拘束時間等について違反した運行を複数回行っていたので、疲労が蓄積した状態だったかもしれませんが、今回の事故に関しては運転者の疲労によるものであるとは読みきれず、同種事故の再発防止対策として直接的に有効であるとは言えません

オ:今回の事故は、偏荷重による積載や運搬中の荷崩れが原因で生じた事故ではありません

よって同種事故の再発対策として直接的に有効とは言えません。

選択肢4. ア・イ・オ・カ

誤りです。

ア:事故を起こした運転者は、事故を起こした当日に連続運転違反を行っていて、事故日前1ヶ月前の勤務においては連続運転時間や1日の最大拘束時間等について違反した運行を複数回行っていたので、疲労が蓄積した状態だったかもしれませんが、今回の事故に関しては運転者の疲労によるものであるとは読みきれず、同種事故の再発防止対策として直接的に有効であるとは言えません

オ:今回の事故は、偏荷重による積載や運搬中の荷崩れが原因で生じた事故ではありません

よって同種事故の再発対策として直接的に有効とは言えません。

選択肢5. イ・エ・カ・ク

正しいです。

同種事故の再発防止対策として最も有効と言えるのはイ・エ・カ・クとなります。

選択肢6. イ・オ・キ・ク

誤りです。

オ:今回の事故は、偏荷重による積載や運搬中の荷崩れが原因で生じた事故ではありません

よって同種事故の再発対策として直接的に有効とは言えません。

キ:事故を起こした運転者は、健康診断を2回受けて受診しています。

よって運転者の疾病が事故の要因となったわけではありません

選択肢7. ウ・エ・オ・ク

誤りです。

ウ:今回の事故は漫然運転や脇見運転による事故ではありません

したがって、同種事故の再発防止対策として直接的に有効とは言えません。

オ:今回の事故は、偏荷重による積載や運搬中の荷崩れが原因で生じた事故ではありません

よって同種事故の再発対策として直接的に有効とは言えません。

選択肢8. ウ・エ・キ・ク

誤りです。

ウ:今回の事故は漫然運転や脇見運転による事故ではありません

したがって、同種事故の再発防止対策として直接的に有効とは言えません。

キ:事故を起こした運転者は、健康診断を2回受けて受診しています。

よって運転者の疾病が事故の要因となったわけではありません

まとめ

事故の再発防止対策について、有効なものを選ぶより事故の要因とは無関係な内容を選ぶことで、問題の解きやすさが比較的簡単になります

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