問題
【死亡・重傷事故の特徴】
平成28年中の最大積載量5トン以上のトラックによる死亡・重傷事故381件について、車両の走行等の態様別にみると、直進時が73%、右折時が13%、左折時が9%となっている。
<左折時の事故>
左折時の事故のうち70%が自転車との事故で、バス・タクシーと比べて巻き込み事故が多い。
【事故の主な要因】
・徐行・一時停止の不履行、目視不履行
・左折前の確認のみで、左折時の再度の確認の不履行
・前方車両への追従
・大回りで左折する際の対向車等への意識傾注
・車体が大きく死角が多い
【事故防止のための指導】
( C )
【事業者及び運行管理者が実施すべき事故低減対策のポイント】
ア 右折するときは、対向車に注意して徐行するとともに、右折したその先の状況にも十分注意を払い走行するよう運転者に対し指導する。
イ 運転中は前方不注視となるのを防ぐため、喫煙や携帯電話の使用などは停車してから行うよう運転者に対し指導する。
ウ 右折するときは、対向車の速度が遅い場合などは自車の速度を落とさず交差点をすばやく右折するよう運転者に対し指導する。
工 大型車などは、内輪差が大きく、左側方の自転車や歩行者を巻き込んでしまう危険があることから、慎重に安全を確認してから左折するよう運転者に対し指導する。
オ 右折時に対向車が接近しているときは、その通過を待つとともに、対向車の後方にも車がいるかもしれないと予測して、対向車の通過後に必ずその後方の状況を確認してから右折するよう運転者に対し指導する。
カ 運転者の飲酒習慣を把握し、必要と考えられる運転者に対し、運転者の画像が確認できるアルコールチェッカーを運行時に携帯させ、随時運転者の飲酒状況をチェックできるようにする。
キ 衝突被害軽減ブレーキを装着したトラックの運転者に対しては、当該装置は、いかなる走行条件においても、前方の車両等に衝突する危険性が生じた場合には、確実にレーダー等で検知したうえで自動的にブレーキが作動し、衝突を確実に回避できるものであることを十分理解させる。
ク 二輪自動車は車体が小さいため速度を誤認しやすいことから、右折の際は、対向する二輪自動車との距離などに十分注意するよう運転者に対し指導する。
ケ 左折するときは、あらかじめ交差点の手前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って徐行するよう運転者に対し指導する。
コ 伝票等の確認は、走行中はわき見が原因で事故につながる可能性が高いことから、安全な場所に移動し停止した後に行うよう運転者に対し指導する。
サ 交差点を左折するときに、その進路の前方にある横断歩道を横断しようとする歩行者がいる場合は、当該横断歩道を徐行し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行するよう運転者に対し指導する。
シ 左折する際は、左折前の確認に加えて、左折時にも再度歩行者や自転車等がいないかをミラーや直視で十分確認するように運転者に対し指導する。