運行管理者(貨物)の過去問
令和2年度 第1回
実務上の知識及び能力 問50

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問題

令和2年度 第1回 運行管理者試験(貨物) 実務上の知識及び能力 問50 (訂正依頼・報告はこちら)

平成 28年中のトラック(最大積載量 5 トン以上)による死亡・重傷事故について、事業用自動車の交通事故統計及び自動車事故報告規則により提出された事故報告書に基づき、下記のとおり、事故の特徴やその要因についての分析結果が導かれた。この分析結果をもとに、【事業者及び運行管理者が実施すべき事故低減対策のポイント】の中から【事故防止のための指導】として( C )に当てはまる最も直接的に有効と考えられる組合せを選択肢の中からそれぞれ1つ選びなさい。なお、解答にあたっては、下記に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

【死亡・重傷事故の特徴】
平成28年中の最大積載量5トン以上のトラックによる死亡・重傷事故381件について、車両の走行等の態様別にみると、直進時が73%、右折時が13%、左折時が9%となっている。

<左折時の事故>
左折時の事故のうち70%が自転車との事故で、バス・タクシーと比べて巻き込み事故が多い。

【事故の主な要因】
・徐行・一時停止の不履行、目視不履行
・左折前の確認のみで、左折時の再度の確認の不履行
・前方車両への追従
・大回りで左折する際の対向車等への意識傾注
・車体が大きく死角が多い

【事故防止のための指導】
( C )


【事業者及び運行管理者が実施すべき事故低減対策のポイント】
ア 右折するときは、対向車に注意して徐行するとともに、右折したその先の状況にも十分注意を払い走行するよう運転者に対し指導する。
イ 運転中は前方不注視となるのを防ぐため、喫煙や携帯電話の使用などは停車してから行うよう運転者に対し指導する。
ウ 右折するときは、対向車の速度が遅い場合などは自車の速度を落とさず交差点をすばやく右折するよう運転者に対し指導する。
工 大型車などは、内輪差が大きく、左側方の自転車や歩行者を巻き込んでしまう危険があることから、慎重に安全を確認してから左折するよう運転者に対し指導する。
オ 右折時に対向車が接近しているときは、その通過を待つとともに、対向車の後方にも車がいるかもしれないと予測して、対向車の通過後に必ずその後方の状況を確認してから右折するよう運転者に対し指導する。
カ 運転者の飲酒習慣を把握し、必要と考えられる運転者に対し、運転者の画像が確認できるアルコールチェッカーを運行時に携帯させ、随時運転者の飲酒状況をチェックできるようにする。
キ 衝突被害軽減ブレーキを装着したトラックの運転者に対しては、当該装置は、いかなる走行条件においても、前方の車両等に衝突する危険性が生じた場合には、確実にレーダー等で検知したうえで自動的にブレーキが作動し、衝突を確実に回避できるものであることを十分理解させる。
ク 二輪自動車は車体が小さいため速度を誤認しやすいことから、右折の際は、対向する二輪自動車との距離などに十分注意するよう運転者に対し指導する。
ケ 左折するときは、あらかじめ交差点の手前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って徐行するよう運転者に対し指導する。
コ 伝票等の確認は、走行中はわき見が原因で事故につながる可能性が高いことから、安全な場所に移動し停止した後に行うよう運転者に対し指導する。
サ 交差点を左折するときに、その進路の前方にある横断歩道を横断しようとする歩行者がいる場合は、当該横断歩道を徐行し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行するよう運転者に対し指導する。
シ 左折する際は、左折前の確認に加えて、左折時にも再度歩行者や自転車等がいないかをミラーや直視で十分確認するように運転者に対し指導する。
問題文の画像
  • ア ウ オ
  • ア ウ ク
  • ア オ ク
  • イ カ キ
  • イ カ コ
  • イ カ サ
  • エ ケ サ
  • エ ケ シ

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この過去問の解説 (3件)

01

⑧エ・ケ・シが解答となります。

エ 大型車などは、内輪差が大きく、左側方の自転車や歩行者を巻き込んでしまう危険があることから、慎重に安全を確認してから左折するよう運転者に対し指導する。

→トラックなどの大型車は左折時の内輪差が事故原因となります。

 自転車や歩行者は死角に入りやすい点も注意が必要です。

ケ 左折するときは、あらかじめ交差点の手前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って徐行するよう運転者に対し指導する。

→文面の通り、左折をする際にはできる限り道路の左側によります。

 これはバイクなどが無理に侵入することができないようにする対策の意味も

 含んでおります。

シ 左折する際は、左折前の確認に加えて、左折時にも再度歩行者や自転車等がいないかをミラーや直視で十分確認するように運転者に対し指導する。

→左折時には死角に自転車・歩行者(子供や高齢者)など見えにくい方が

 多くいます。

 ミラーだけに頼りすぎず、目視をすることも事故防止には必要です。

※サも左折時の状況に触れておりますが… 

 サ 交差点を左折するときに、その進路の前方にある横断歩道を横断しようとする歩行者がいる場合は、当該横断歩道を徐行し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行するよう運転者に対し指導する。 

 →これは運転としては問題があります。

  横断歩道を横断する歩行者がいる場合は、手前で停止し歩行者が渡ることが

  優先されます。 

参考になった数19

02

左折事故の対応策を問われています。

選択肢8. エ ケ シ

正しい。

左折事故の対応策を検証します。

エ・正しい選択肢です

大型車などは、内輪差が大きく、左側方の自転車や歩行者を巻き込んでしまう危険があることから、慎重に安全を確認してから左折するよう運転者に対し指導する。

内輪差はトラックに限らず乗用車でもあります。

トラックの場合は内輪差がより顕著に現れます。

ケ・正しい選択肢です。

左折するときは、あらかじめ交差点の手前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って徐行するよう運転者に対し指導する。

左折時に右側にふくらむとトラックの左側方に自転車やバイクが入り込み巻き込み事故の原因となります。

左折の際はできるだけ左側端によっておくことが重要です。

サ・誤りです

左折時の対応策ですが、間違えている箇所があります

交差点を左折するときに、その進路の前方にある横断歩道を横断しようとする歩行者がいる場合は、当該横断歩道を徐行し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行するよう運転者に対し指導する。

横断歩道に歩行者がいる場合は、一時停止しなければなりません。

シ・正しい選択肢です。

左折する際は、左折前の確認に加えて、左折時にも再度歩行者や自転車等がいないかをミラーや直視で十分確認するように運転者に対し指導する

左折時巻き込み事故防止の為左側方はミラーや直視で安全確認しておかなければなりません。

まとめ

選択肢から「左折」を抜き出して、それらを検証する。

3つの正しい選択肢に対して4つの「左折」が入っている選択肢があります。

どれか1つが間違っているのでそれを探す作業です。

参考になった数5

03

8.が解答になります。

《詳細解説》

ア B

 問題文中の「右折時」の事故から読み解けます。

イ A

 直進時の事故の主な原因に「たばこや携帯電話の操作」とあります。

ウ 誤

 道路交通法34条2項によると、「自動車は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側を徐行しなければならない。」となります。問題文「自車の速度を落とさず交差点をすばやく右折する」という部分が誤りです。

エ C

 内輪差と外輪差は、左折時の注意点の代表例です。

オ B

 問題文中の「右折時」の事故から読み解けます。

カ A 

 直進時の事故の主な原因に「飲酒運転」とあります。

キ 誤

 衝突被害軽減ブレーキが正常に作動していても、走行時の周囲の環境によっては障害物を正しく認識できないことや、衝突を回避できないことがあります。問題文「いかなる走行条件においても」という部分が誤りです。

ク B

 問題文中の「右折時」の事故から読み解けます。

ケ C

 問題文中の「左折時」の事故から読み解けます。

 また、道路交通法34条1項によると、「車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて徐行しなければならない。」となります。

コ A

 直進時の事故の主な原因に「伝票の整理によるわき見運転」とあります。

サ 誤

 道路交通法38条1項によると、「車両等は、横断歩道等に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者等がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。」となります。「徐行」ではありません。

シ C

 問題文中の「左折時」の事故から読み解けます。

 多数選択枝解答問題については、まず、問題文選択枝から明らかに不適切なものを除外してから解答をするのが良いです。

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