管理栄養士の過去問
第28回
基礎栄養学 問86

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問題

第28回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問86 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄の代謝と栄養に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 体内総鉄量に占める貯蔵鉄の割合は、機能鉄より大きい。
  • 体内機能鉄は、骨格筋に最も多く存在する。
  • 赤血球の破壊で遊離した鉄は、ヘモグロビン合成に再利用される。
  • 鉄は、セルロプラスミンの構成成分である。
  • 消化管における鉄の吸収率は、約80%である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「赤血球の破壊で遊離した鉄は、ヘモグロビン合成に再利用される。」です。

体内の鉄は、機能鉄と貯蔵鉄に分けられます。

体内の鉄の70%は血液中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンに存在し、主に酸素を運搬するはたらきをしています。これらの鉄を機能鉄と呼びます。

一方、残りの30%は肝臓や脾臓、骨髄に蓄えられており、これらの鉄を貯蔵鉄と呼びます。

機能鉄が不足すると、貯蔵鉄が利用されます。

選択肢1. 体内総鉄量に占める貯蔵鉄の割合は、機能鉄より大きい。

体内総鉄量に占める貯蔵鉄の割合は、機能鉄より小さいです。

選択肢2. 体内機能鉄は、骨格筋に最も多く存在する。

体内機能鉄は、血液中に最も多く存在します。

選択肢3. 赤血球の破壊で遊離した鉄は、ヘモグロビン合成に再利用される。

文章通りです。

赤血球は、老化すると脾臓で破壊されますが、その際遊離した鉄は、ヘモグロビンの再合成に利用されます。

選択肢4. 鉄は、セルロプラスミンの構成成分である。

鉄は、二価の鉄イオンと三価の鉄イオンが存在します。体に吸収することができるのは二価鉄です。

しかし、体内で鉄が利用されるためには、トランスフェリン(鉄結合たんぱく)と結合し、骨髄まで運ばれる必要があります。トランスフェリンと結合することができるのは三価鉄のみです。

セルロプラスミンは二価鉄を酸化して、三価鉄に変えるはたらきをします。なお、セルロプラスミンの構成成分は銅です。

選択肢5. 消化管における鉄の吸収率は、約80%である。

消化管における鉄の吸収率は5~35%で、他の栄養素に比べ低いです。

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02

正解は「赤血球の破壊で遊離した鉄は、ヘモグロビン合成に再利用される。」です。

基礎栄養学/ミネラル(無機質)の栄養からの出題です。

選択肢1. 体内総鉄量に占める貯蔵鉄の割合は、機能鉄より大きい。

体内相鉄量の約80%は機能鉄ですので、機能鉄の割合の方が大きくなります。

選択肢2. 体内機能鉄は、骨格筋に最も多く存在する。

体内機能鉄の多くはヘモグロビンですので、血液中に存在します。

選択肢3. 赤血球の破壊で遊離した鉄は、ヘモグロビン合成に再利用される。

正しい記載です。トランスフェリンと結合して再利用されます。

選択肢4. 鉄は、セルロプラスミンの構成成分である。

セルロプラスミンの構成成分は銅です。

選択肢5. 消化管における鉄の吸収率は、約80%である。

鉄の吸収率は非常に低くく、5~35%程度です。

参考になった数10

03

正解は「赤血球の破壊で遊離した鉄は、ヘモグロビン合成に再利用される。」です。

選択肢1. 体内総鉄量に占める貯蔵鉄の割合は、機能鉄より大きい。

体内の貯蔵鉄は、男性で約1/3、女性で約1/8で、機能鉄の方が多く存在します。

貯蔵鉄とは肝臓や脾臓、骨髄に存在する鉄で、鉄の貯蔵や輸送に使用されます。

機能鉄とは、ヘモグロビン、ミオグロビン、トランスフェリン中に存在し、酸素の運搬や酵素機能をもちます。

選択肢2. 体内機能鉄は、骨格筋に最も多く存在する。

機能鉄は血液中に最も多く存在します。

選択肢3. 赤血球の破壊で遊離した鉄は、ヘモグロビン合成に再利用される。

正解です。

選択肢4. 鉄は、セルロプラスミンの構成成分である。

銅はセルロプラスミンの構成成分です。セルロプラスミンは銅の運搬や代謝に関与します。

鉄の運搬に関与するのはトランスフェリンです。

選択肢5. 消化管における鉄の吸収率は、約80%である。

鉄の吸収率は、一般的に5~35%と言われています。

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