管理栄養士の過去問
第27回
臨床栄養学 問149

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問題

第27回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問149 (訂正依頼・報告はこちら)

27歳、女性。身長165 cm、非妊娠時の体重が73.5kg、BMI 27.0 kg/m2の妊娠初期の妊娠糖尿病患者。この患者の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 炭水化物は、100 g/日とする。
  • 妊娠期間中の母体の体重増加量は、12 kg とする。
  • 早朝空腹時血糖値の管理目標は、90 mg/dLとする。
  • エネルギー量は、20 kcal/kg標準体重/日とする。
  • たんぱく質は、0.6 g/kg標準体重/日とする。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 3 です。

妊娠糖尿病とは、妊娠中に発症した糖代謝異常で、かつ糖尿病には至っていない状態のことを指します。糖尿病に至った場合、あるいは妊娠前から糖尿病である場合は、糖尿病合併妊娠といいます。
問題文から、BMIが25を超えているため、肥満妊婦が妊娠糖尿病となった場合の栄養管理について問われていることがわかります。

1・4:肥満妊婦のエネルギー量は、30kcal/kg標準体重/日とし、通常の妊婦糖尿病患者に行うエネルギー付加は行わないようにします。また、この身長から標準体重は約60kg、炭水化物による摂取エネルギーを50~60%とすると、炭水化物は225g/日以上必要であることがわかります。

2:非妊娠時BMIが25以上の場合、妊娠期間中の母体の体重増加量は約5kgとします。

5:たんぱく質は、1.0g/kg標準体重/日とします。特に制限は行いません。

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02

妊娠糖尿病とは、妊娠中に一時的に出現した耐糖能の低下で、分娩後に正常化するものをいいます。

1. 肥満妊婦のエネルギー量は30kcal/標準体重kg/日として、30kcal×(1.65×1.65×22)=1796.85kcal。炭水化物はエネルギー量の50~60%なので1796.85×(0.5~
0.6)=898.425~1078.11kcal。炭水化物は1gで4kcalなので224.61~269.53g程度摂る必要があるので誤となります。

2. 妊娠期間中の母体の体重増加量は、非妊娠時BMIが18.5未満では9~12kg、BMI18.5~25未満では7~12kg、BMI25以上では5kgを目安に個別に対応をします。よって誤となります。

3. 「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」で「可能な限り健常妊婦の血糖日内変動範囲に近づけることを目標とする。その基準値は、空腹時血糖値70~100mg/dl、食後2時間血糖値120mg/dl未満とする」と記載されています。早朝空腹時血糖値の目標90mg/dlは正となります。

4. エネルギー量は1.に記載の通り、30kcal/標準体重kg/日とするので誤となります。エネルギー付加は行いません。

5. たんぱく質は、非妊娠時の必要量の1.0~1.2g/標準体重kg/日に付加をします。妊娠初期は付加は行ないません。中期は5g/日、末期は25g/日、授乳期は20/日を付加します。よって誤となります。

よって正解は、3. となります。

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03

正解は 3 です。

臨床栄養学/疾患・病態別栄養ケア・マネジメントからの出題です。

1:極端な炭水化物制限はケトーシスを引き起こすので、炭水化物はエネルギーの50~60%の比率で摂取します。

2:肥満妊娠の場合、妊娠期間中の母体体重増加量は、4~6㎏とします。

3:文章の通りです。

4:エネルギー量は30kcal/kg標準体重/日となります。BMIが27.0であるため+200kcalの付加は行いません。

5:たんぱく質は1.0~1.2g/kg標準体重/日とします。

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