管理栄養士の過去問
第27回
臨床栄養学 問148
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問題
第27回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問148 (訂正依頼・報告はこちら)
先天性代謝疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 糖原病I型では、少量頻回食とする。
- メープルシロップ尿症は、シスタチオニンβ合成酵素の障害である。
- フェニルケトン尿症の治療は、成人期以降不要となる。
- ホモシスチン尿症では、シスチン摂取制限とする。
- ガラクトース血症では、ショ糖摂取制限とする。
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この過去問の解説 (3件)
01
臨床栄養学/疾患・病態別栄養ケア・マネジメントからの出題です。
文章の通りです。糖原病Ⅰ型では、グルコースとでんぷんを主体とした高糖質食を頻回、少量投与します。
メープルシロップ尿症は、α-ケト酸脱水素酵素の機能障害です。
フェニルケトン尿症はフェニルアラニンをチロシンに代謝する酵素の先天的欠損による疾患で、成人期以降も治療を要します。
ホモシスチン尿症では、メチオニンの摂取制限を行います。
ガラクトース血症では、乳糖の摂取を制限します。
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02
正解は、「糖原病I型では、少量頻回食とする。」です。
糖原病は、血中への糖の供給が滞るために、低血糖におちいる疾患です。低血糖の症状を改善するため、高炭水化物で少量頻回食とします。よって正となります。
メープルシロップ尿症とは、ミトコンドリアに存在する分岐鎖αケト酸脱水素酵素複合体の異常に基づく常染色体劣性遺伝の遺伝性疾患です。よって誤となります。シスタチオニンβ合成酵素欠損はホモシスチン尿症の原因です。
フェニルケトン尿症とは、フェニルアラニン水酸化酵素の先天的欠損により、高フェニルアラニン血症をきたす常染色体劣性遺伝の遺伝性疾患です。フェニルケトンの摂取を制限し脳障害を防止することが重要で、治療は一生続けることが望ましいとされていますので誤となります。
ホモシスチン尿症とは、血中や尿中にホモシスチンが増加する疾患です。シスタチオニンβ合成酵素欠損によるものが最も多くなっています。メチオニンを制限し、シスチンを添加した特殊ミルクにより治療を行い、血中メチオニン濃度をコントロールするので誤となります。
ガラクトース血症とは、ガラクトースからグルコースへの転化が障害され、ガラクトースやガラクトース1リン酸が体内に蓄積する遺伝性疾患で常染色体劣性遺伝です。ガラクトースやガラクトースに変換する可能性のある乳製品を除去します。乳糖除去乳や豆乳を使用します。よって誤となります。
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03
正解は 「糖原病I型では、少量頻回食とする。」 です。
糖原病Ⅰ型は、グルコース‐6‐ホスファターゼの欠損が原因です。
低血糖予防のため、高糖質、少量頻回食とします。
メープルシロップ尿症は、分岐鎖アミノ酸の代謝に関わるα-ケト酸脱水素酵素の欠損が原因です。
分岐鎖アミノ酸摂取制限とします。
フェニルケトン尿症は、フェニルアラニンをチロシンに変換する酵素(フェニルアラニン水酸化酵素)の欠損が原因です。
フェニルアラニン制限食とし、乳幼児期よりも成人期の方が制限はゆるくなりますが、治療不要にはなりません。
ホモシスチン尿症は、ホモシスチンを代謝する酵素(シスタチオニンβ合成酵素)の欠損が原因です。
ホモシスチンが尿中に排泄される前は、ホモシステインとして血中に存在しています。
このホモシステインがシスチンに変換されないことで、低シスチン血症となるため、高シスチン食とします。
また、ホモシステインがメチオニンに変換されて高メチオニン血症となるため、メチオニン制限食とします。
ガラクトース血症は、ガラクトースを代謝する酵素(ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ)の欠損が原因です。
ガラクトースは、グルコースと合わさって乳糖(ラクトース)として存在するため、乳糖制限食とします。
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